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2024年4月27日の日経朝刊16面によりますと、
日立製作所が26日に2025年3月期の連結純利益
(国際会計基準)が前期比2%アップの6000億円に
なる見通しと発表されました。
社会インフラ事業とITの収益増加が業績に影響を与えたようです。
自己株式の取得に関しては、上限を2000億円とし、
取得期間を2024年4月30日~2025年3月31日と
するようです。
自己株式の取得に関しては、また別の機会に
詳しく解説することにいたしますが、株価が上がっている局面で
取得するならば、自己株式の取得に応じる株主は
基本的に取得時よりも高値で買い取ってもらえることもあって、
利益配当と並ぶ株主への利益還元策として有効なものとされます。
この自己株式取得についてもけっこう会計的には重要なトピックなのですが、
今回はもうひとつの資本政策である株式分割に焦点を当てていきます。
日立製作所による株式分割に関するニュースリリースは
次のウェブページでご確認いただけます。
※株式分割および株式分割に伴う定款の一部変更に関するお知らせ
→ https://www.hitachi.co.jp/.../month/2024/04/f_0426c.pdf
上記のリリースによると、株式分割の効力発生予定日は2024年7月1日となっています。
ここで基礎知識です。
株式分割とは、
従来の一株を2株・5株のように複数に小口化することをいいます。
これに伴う払い込みはされないため、株価がその分だけ一時的に
下がることになりますね。
たとえば、株価1,000円の会社が1:2に分割すると
従来よりも株価が半分になって500円で取引されるようになる、
とイメージされるとよいでしょう。
これの何がメリットかというと
非常に株価が高く売買単価が大きくて庶民には
手が出せなかった上場株が、分割後には売買単価が
下がるために変えるようになり、株式取引が活発になる、
ひいては株価が上昇しやすくなる、という恩恵が期待できるのですね。
日立製作所の場合でいうと、
たとえば4月26日の終値が13,475円です。
そして、売買の最低単位(単元株)が100株のため、
実際に売買するには最低134万7500円の資金がないと
ダメでした。
これが株式分割によって5分の1に小口化されると、
134万7500円÷5=26万9500円といっきに
手が出せる金額まで下がってきます。
日立株を買いたいと思っている一般庶民にとっては
朗報ですね。
このように、従来は株式売買に参加できなかった小口資金を
マーケットに引き入れることができるため、自然の流れとして
株式の流通スピードが上がり、証券取引が活発に
なる事が期待されます。
そうなれば、その銘柄への需要が高まって
株価が再び上昇する可能性が高まってきそうですね。
ここ一カ月は短期的に見て少し苦戦している印象ですが、
もう少し長くいまから1年前ほどは
7000円~8000円のあたりにあったため、
この一年で2倍近く株価が上昇している計算になります。
この勢いをさらに株式分割で加速させることができるかどうか、
今後の日立製作所の業績と株価の行方に注目したいですね!
柴山政行