ハマのパルテノン
コロナ自粛で運動不足になり、昨年の春から、ランニングコースを開拓してきましたが、ようやく片倉を起点に、六角橋から横浜市場へ抜け、橋を渡ってみなとみらい、高島町から三ッ沢公園を経由して戻る、という10キロコースができつつあります。
年明け早々、3キロも体重が増えていたので、普段より少し足を延ばし、山下公園まで行ったのですが、その帰途、7世紀初頭につくられたといわれる軽井沢古墳跡の石碑を発見しました。子供の頃からよく通る坂道なのに、崖の上なので、55年間、まったく気づきませんでした。昭和40年の発掘調査のあと、関東自動車学校になったので、もはや墳墓はありませんが、仁徳天皇陵と同じ前方後円墳だったようです。
ふだんは一気に駆け上がるのに、この日は、いつもより長い距離に疲れて、ふと、地霊に引き寄せられるように断崖の石段を登ってみたら、古墳跡に遭遇したというわけです。往時の形態を知る術が看板の写真だけとはいえ、人工的な遺構がなくなっているからこそ、逆に、地霊を感じることができたようにも思えます。
断崖の真下には、神奈川宿と保土ヶ谷宿を結ぶ旧東海道が通っていて、かつては、そのすぐ前まで海がせまっていたそうです。
建築というのは、土地の特性を読み取って、その可能性を引き出すための知恵があってこそのものだと思います。そしてそれを感じとることは、建築家にとって大切な職能のひとつです。アテネのパルテノンも三徳山の投入堂も、地霊を読んだ達人がいたからこそ、普遍の空間性を生み出したといえるでしょう。
スケールは異なりますが、近所のよしみで、ハマのパルテノンと呼びたいですね。
ホームページをリニューアルしました。
ステューディオ2アーキテクツのホームページを完全リニューアルしました!
今回のコンセプトは、シンプルを極め、設計のスタンスをイメージで伝えること。
ページ内のメニューを最小限にするとともに、ココログ、フェイスブック、インスタグラムにリンクすることで、気軽に日々の活動やメッセージを発信できるようにしました。
一方で、旧ホームページを開設した16年前は、まだ、SNSも発展途上で、試行錯誤しながら、いろいろなメニューを盛り込んでつくった感があります。
なかでも、第1回から第40回まで続けた連載コラムは、引越しの荷物整理のように、読み返すといろいろな思い出が蘇ってきます。
それぞれ、ほぼ一日かけて、設計に関するスタンスを、ストレートに、時に、批評をまじえて書いていて、消してしまうには名残惜しく、結局、旧ホームページもしばらくそのまま残すことにしました。
ツイッターやラインなどの影響か、今読むと文章が長い気もしますが、もし、ご興味があれば、ご覧ください。
旧ホームページの宣伝になってしまいました!(笑)
テレワークのかたちはひとそれぞれ
扶桑社の「SUMAIWEB」で、職住一体の住宅「CAN」が紹介されています。コロナ後の在宅勤務を見据えたわけではありませんが、じつは、太古から理想のライフスタイルなんだと思います。仕事と生活の混ぜ方はひとそれぞれですから、それぞれに異なるかたちがあるはずです。
企業も官庁も、いまさら高層ビルを建てるような時代遅れのブランディングをやめて、環境に優しく、親しみやすい低層の社屋や生産施設をつくって、あとは、個々人がテレワークに適した住居を整えるための施策を充実させるほうがスマートだと気付く時ではないかと思います。北欧の先端企業は、90年代からそんなスタイルですね。
家族で共有する 快適なホームオフィスの事例集 in Houzz
Houzz.jp より取材いただいたホームオフィスについての記事がアップされています。家での仕事が楽しくなるような仕掛けが紹介されていますので、ぜひご覧ください。
在宅勤務やテレワークが話題となっていますが、今後も職住一体というライフスタイルがますます求められてゆくと思います。
「建築家と工務店の底力」展 @ 新宿リビングデザインセンターOZONE
COVID19の影響により様々な行事が中止を余儀なくされている情勢ではありますが、3月12日より4月21日まで、新宿リビングデザインセンター3階OZONEウェルカムプラザにて
「建築家と工務店の底力」展 の事例パネルが展示されています。
OZONEのコーディネータさんと約20の事務所が、1月から準備をしてきましたが、イベント等がすべて中止となるなか、パネルの展示のみとなりました。お近くにお越しの際はお立ち寄りください。
また、WEBにて建築家へのインタビュー記事も公開されていますのでぜひご覧ください。