10月11日(土)、映画『蜩の記』のキャンペーンが、東北ではムービックス仙台とムービーオンやまがたの2ヶ所で行われた。



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10年後の切腹を命じられた主人公戸田秋谷(役所広司)が、その過酷な運命を受け止め、一日一日を大切に生きる日々を綴った日記。

その日記を『蜩の記』と名付ける。



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その戸田秋谷の監視役として派遣されたのが檀野庄三郎(岡田准一)。


庄三郎は、秋谷が切腹に追い込まれた真実を知り、秋谷の人としての気高さを知り、師として仰ぎだす。



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夫婦の愛、家族愛、初めての恋、そして師弟の愛。

混迷を深めるこの時代だからこそ、『愛の意味』と『男子の覚悟』を知る。

久しぶりに、清々しい気持ちになった映画である。



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役所広司と原田美枝子の夫婦役は、一級品で、とても美しい物語を感じた。



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堀北真希のセリフに、『柚子は9年で花が咲く』…つまり、秋谷が切腹をする年が解るのである。

暮らしの美しさが描かれた時代劇であり、『信義』とは何かを、キチンと描写している。



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最期の切腹の日、秋谷が家を出て歩いて行くラストカット。

鳥肌がたつ長回しであり、とても印象深いシーンである。



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前日入りした小泉堯史監督とは、年齢は違うも、とても話というか、価値観があった。


焼き肉を食べながら、黒澤明監督の助監督としての経験や、様々なエピソードを伺った。

黒澤明監督も肉が大好きだったそうであり、黒澤氏が亡くなった時、田舎へ帰ろうと思ったが、黒澤明監督の遺作『雨あがる』を監督としてやるべきとの、周囲の意見に押され、監督としてのデビューを飾るのである。
55歳の時だったそうだ。



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この映画は、キャメラマンの上田さんなど、黒澤組が参加して製作した映画。

小泉監督は、『嬉しい限りです!』と、本気で思い出話しや、今回の映画への思いを話してくれたのである。


ありがたいことに、翌日、小泉堯史監督のサインが入ったシリアルナンバー入りの台本をいただいた。



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翌日のシアターは満席。

素晴らしい舞台挨拶になった。



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この映画で、自分の心に一番響いたこと…義を観てせざるは、勇なきなり。

『正義』とは何か、『信』とは『義』とは何か…を、感じた映画である。