長谷川vsモンティエル再戦・WBOvsJBC | BOXING MASTER first 2006-2023

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輪島功一選手の試合に感動、16歳でプロボクサーを志し、ボクシング一筋45年。ボクシングマスター金元孝男が、最新情報から想い出の名勝負、名選手の軌跡、業界の歴史を伝える。

前WBC世界バンタム級王者長谷川穂積(真正)選手が、本格的にジムワークを再開。年内にも王座を明け渡した宿敵フェルナンド・モンティエル(メキシコ)との再戦を目指す。


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WBO王者でありながら、WBOが認められていない日本リングに立つためモンティエルは挑戦者という立場で試合に挑んだが、試合報酬32万5千ドルはWBO王者としてのプライドを十分に満たしてくれるものだった。


WBOバルカルセル会長は、モンティエルのWBC王者挑戦を容認するに際し、暫定王座の設置を認めた。同級1位エリック・モレル(プエルトリコ)vs元王者ジェリー・ペニャロサ(比)の暫定王座決定戦は、アウトボクシングに徹したモレルが何とかしのいだ形で王座にクリンチ。


試合直後コーナーポストに駆け上がり勝利をアピールしたペニャロサ。まだまだ、やめられない?


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WBC王座を吸収したモンティエルに対し、WBOは次戦で暫定王者モレルとの試合を指令。ボブ・アラム率いるトップランク社が10万2500ドルで落札。だが、アラムはモンティエルとラファエル・コンセプシオン(パナマ)との試合を優先させようと画策。しかし、WBOはこれに屈せずモレル戦を指示。


入札の意味を考えた場合、ルールに基づいた普通に当たり前の指示なのだが、昨今のアラムとWBAの関係等を考えると、これは立派という他ない。


有力プロモーターにねじ込まれれば、何でもありが最近のWBAだということは、ファンの皆様ご存知の通り。


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日本人初の世界王者となる白井義男氏の世界タイトルマッチ実現の為に創設されたJBC。当時の世界タイトル認定機関NBCは、WBAの前身にあたる。義理固いJBCは、以来一筋にWBA傘下としてボクシング界の発展を願って来た。


WBAから分立したWBC王座は認めない方針を採ってきたJBCが、国内でWBCタイトル戦を認めるに至ったいきさつはこれまで何度も書いてきているが、ファイティング原田(笹崎)選手の三階級制覇の偉業を達成させてあげたい。その一心にあった。


昭和44年春。世界フェザー級2位。といっても1位はWBCが認定する王者ジョニー・ファメション(豪)で、実質ランキング最上位に進出していたファイティング原田(笹崎)選手が三階級制覇を賭けてWBA王者西城正三(協栄)選手に挑戦する。そんなドリームマッチも実現されるのではという機運も盛り上がりを見せていた。


4月2日後楽園ホール。


原田選手は、米アリゾナ州Sフェザー級王者(リング誌11位)アルトン・コルター(米)と対戦。マック・クリハラトレーナーの作戦で出てこない長身コルターを追い回すのだが、度々喰らったカウンターをポイントに取られ、1-2(47-45、46-48、47-48)の判定を落とす大失態。


僅か1ポイント。積極的に前に出た「原田の勝ちにしてやってもいいじゃないか」の声も多数あったが、後の祭り。原田選手は世界ランキングから落ちることはなかったが、西城選手への挑戦は大きく遠のいた。(コルターはランク入り)


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西城選手はこの年2月、指名挑戦者ペドロ・ゴメス(ベネズエラ)を破り初防衛に成功していた。2度目の防衛戦は自由に挑戦者を選べる。しかし、いくらドリームマッチといえども無名に負けたばかりの原田選手を挑戦者に選ぶことはできない。


2ヵ月後、再起戦を飾った原田選手にWBC王座挑戦の話が舞い込む。ファメションは1月にホセ・レグラ(キューバ→スペイン)から奪った王座の初防衛戦。7月28日。試合地は豪・シドニー。


敵地、負けたら後がない状況で原田選手は最高のファイトを見せた。しかし、この試合は世紀の大誤審!J・ファメションVSF・原田 となる。


JBCおよび協会も、この判定には大いに憤慨。おりしもWBCは北米ボクシング連盟結成を後押し。反WBA色をハッキリ打ち出す。

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菊池事務局長。


そんな最中の8月24日から米ユタ州ソルトレイクでWBA総会が開催される。JBCからは菊池弘泰事務局長が単身参加。提出議題は、①WBA、WBCの統一。②世界ランキングの公正。③世界チャンピオンの防衛ルール緩和。④試合ルールの世界統一等が協会幹部との協議で決められていた。


原田vsファメションの直接再戦を訴えていた笹崎会長は、権利を持つプロモーターマイク・バレット(英)氏と交渉の末、具体化してきたことをJBCに報告。試合地は東京。ファメションのファイトマネーに加え、原田選手が勝った場合のオプション契約もガッチリ握られた。バレット氏は原田選手が勝つと踏んでいたようだ。


WBCモンタノ(比)会長がお忍びで来日する。「再戦はどちらが勝っても、次の防衛戦にはWBC第一挑戦者を選ぶという条件付で許可する」との言質を得る。


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原田選手の三階級制覇は、世界中からも注目されていた。在日外国人通信社は、総理大臣級の待遇で菊池事務局長、笹崎会長、原田選手を取材するほど。


”原田選手の三階級制覇達成の偉業のため”という大義名分は整った。かくして、JBCも国内初のWBC世界戦を特例として認めた。


原田選手が勝った場合には、WBA王者西城選手との対戦を義務付ける。WBA、WBCの統合を世界中で一番熱心に呼びかけていたJBCが、その政治力で王座統一戦を実現させ、WBA、WBCに対し統合を迫る。それは、JBCの晴れ舞台とされている。


さて、長谷川vsモンティエル第1戦も実現前に、WBO王者が契約書にサインしていないとかいう報道が流れましたね。事の次第はわかりませんが、WBOバルカルセル会長が来日(というよりも立ち寄り)し、最終的にWBOとしての態度を決めたと聞いています。


入札までしたモンティエルvsモレルの王座統一戦実現は、WBOとしてはどうしても譲れないでしょう。一方、WBC1位に据え置かれた長谷川選手。顎の骨折は想定外でしたが、WBC最上位挑戦者としてリマッチの実現は可能でしょう。


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この心があれば負けない!


7月17日(現地時間)メキシコで行われるWBO王座統一戦は、真正ジム山下会長が視察の予定のようです。


長谷川選手が強いばかりに、モンティエルの持つ潜在能力を発揮させてしまったかのような第1戦。リマッチでは、後がない長谷川選手がどんな戦いぶりを見せてくれるのか、非常に楽しみです。そして、WBO認可への第一歩となるものか。期待したいですね。


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