赤コーナー控え室。試合開始時間が迫っているというのにチャンピオン陣営は誰一人としてやって来ない。宿舎のホテル・グランドパレスからはそう遠くもない距離のはずだが・・・。
この日は、セミに出場するチャンピオンのスパーリング・パートナー、アントニー・ストッキー(米)のセコンドを手伝う事になっていた大竹マネジャー。
ようやく到着したチャンピオン。両手を差し出すストッキーに、レネのマネジャー・ガヤルド氏と大竹マネジャーがそれぞれバンテージを巻いて行く。
アップもなにもあったものではない。すぐにグロービングしてリングへ向かう。
レネのバンテージを巻くガヤルド氏は、セコンドに付く時間がなくなった。大竹マネジャーがチーフセコンドに付く事に。
「聞いてないよ」(~~)
ストッキーはあっさりと1ラウンドKO負け。相手が日本Sウェルター級王者カーロス・エリオット(八戸帝拳)選手では仕方ない。ストッキー、この日がデビュー戦だったらしい。(~~)
遅れて来たチャンピオンが控え室で盛んにあくびをしているのが気に掛かる。
ボクシングファンの願いが渦巻く両国国技館は緊張が高まる。集まった観衆は1万人。
世界王者不在の日本ボクシング界。1986年、3月渡辺二郎(大阪帝拳)選手が王座を追われ、6月喜友名朝博(協栄)選手が韓国での挑戦に敗れた。
日本の期待を一身に背負う浜田剛史(帝拳)選手。
左拳の度重なる骨折、手術による2年のブランクを乗り越え日本、OPBFのベルトを奪っての世界初挑戦。
「浜田が勝てなかったら、当分日本人の世界王者は生まれない」
業界関係者も思いは同じで、
「浜田に勝ってもらいたい。いや、勝ってほしい。そうしないと日本のボクシング界が困ってしまう」
WBC世界Sライト級チャンピオン、レネ・アルレドンド(25才)は35勝(33KO)2敗と抜群のKO率を誇る180センチのパンチャー。ここ1年の間に不敗の世界ランカー二人をKOしている実力者。
いわゆる手作り、生え抜きの選手育成に誇りを持っていた”老舗”帝拳ジムが、アマから選手をスカウトしたのは、昭和52年(1977年)瀬川幸雄(自衛隊体育学校)選手が最初。
浜田剛史選手は1979年のデビュー。礼儀には厳しい長野マネジャーも、浜田選手を知ってからアマ界に対するイメージを変えたという。
7年目の世界初挑戦。浜田選手のファイトマネーは破格の1500万円。オプションを握られているチャンピオンを凌ぐ金額である。
「これまでの努力、人気からいってもこれくらいはあげないと」(長野マネ)
「浜田は1回からだって行く。どちらが勝ってもKO。歴史に残る試合になります」
本田会長も気合が入る。
テーマ曲”ヒーロー”が流れる中、颯爽とリング登場の浜田選手。気合十分だ。一方の王者も試合が近ずくにつれ、緊張感が高まった。
「浜田!頼むぞ~!」
ボクシングファンの悲壮な叫びがこだまする両国国技館。
「スタミナは3回で使い切る」
「1ラウンドからケンカのつもりで行け」
浜田選手は作戦通りに戦った。ビビリ等微塵も感じさせない、迷いのないファイト。心が強い選手だ。
試合は僅か189秒で終わった。痛烈なダウンシーンにカウントは不要だったろう。前チャンピオンは約10分近くも起き上がれない程のダメージを被った。
リング目掛けて座布団が舞う。ファンの興奮も最高潮。本物の感動を与えた浜田選手の勝利。
「力ではなく、自分の運を信じていた」
ボクシング一筋に打ち込んで来た新チャンピオンの部屋にはビデオがあるだけ。普通のテレビ番組は見ないという。ステーキ、野菜中心の食生活。
今後は、太く短くを宣言。弱い相手とはやらないとも・・・。
言葉もパフォーマンスもない。ファイトする姿で人々の心を奪った野武士は、今でもあの日をファンに思い起こさせる。それ程強烈な試合だった。
普段陽気なメキシカン一行には声もない。これ程打ちのめされては当然だろう。
兄リカルドは、沼田義明(極東)選手から世界Sフェザー級王座を奪い、6度も日本のリングに上がった。その稼ぎで9人の兄弟は育った。レネもである。
アルレドンド兄弟を育て上げたマネジャーのガヤルド氏は、この夜、新宿の街で朝まで泣いていたという。
そのガヤルド氏もリカルドさんも、もうこの世にはいない。
「ボクシングは戦争よ!相手、殺すのよ!」
こう言ったのはエディ・タウンゼント氏だが、まさにこの試合は戦争だった。
8月24日(金)21時00分~22時52分(放映予定)・金曜プレステージ(フジテレビ系)
『サイエンススペシャル人類と食のミステリー? それでも食べずにいられない!!?』」
http://www.fujitv.co.jp/fujitv/news/pub_2007/07-235.html
【BOXING MASTER・最新記事一覧】
【ハワイでボクシング修行】
【女子ボクサー・ウィラポンな生活】
ハワイを楽しみながら、厳しく鍛える。アマ試合、スパー大会出場OK。1日2500円で、充実のハワイ。
【坂田健史・ハワイ・カカアコジム合宿】
【ウィラポンな生活・Ⅱ】
【ウィラポンな生活・最終日】
【日本はダメでもハワイでデビュー果たした!】
【参加者感想】
【2100円で海外旅行する方法!】
★賞味期限近く、”爆安価格”。
希望小売価格¥2,898 → 販売価格¥378 夏になると冷たい飲み物が飲みたくなります。でも、普通の炭酸ジュースばかりではなく、もっと健康に良いものを、しかも美味しくごくごくと飲みたい!けど、牛乳を飲むにはちょっとお腹が心配…。そんな人におすすめなのが、この「牛乳でおいしくつめたいココア缶」です! 牛乳由… |
|
無料完全自動化被リンク数増殖システム