岡田裕子座長による、実験的特殊人形劇団『劇団☆死期』の為に
私が作った実験的人形の解説を行います。
実は、パペットを作るのは生まれて初めてだと思います。
裁縫はやっているので、裁縫自体はそんなに苦労は無かったですけど、
中の機構作りで苦労しました。
基礎をきちっと学ばずにいきなり上級者コースを取ろうとする悪い癖が私にはあり、
いきなり難しい事をやろうとしました。
なぜなら、基礎から学ぶのが面倒だからです。
また、サービス精神旺盛であるため、色々な機能をふんだんに入れました。
〇人形のプロフィール及び機構
名前:インケイルーパー先生(インケイウツボ科)
全長約2mほどの蛇の様な棒の形をした人形。
直径約15cm。
体は『桃色の豹柄』だが、目は無い。
レバー操作で『口パク』が出来る。
バー操作で『首を上下に動かす』事が出来る。
口から水を噴出する事が出来る。
〇口パクの機構
まず、『口パク』をどうするかで悩みました。
2mもの細長い人形なので、遠隔操作しなければならないのです。
最初は、ホームセンターで売られている部品だけで作れるだろうか?
と思ってあれこれ考えましたが、中々思いつきませんでした。
「そうだ、東急ハンズにマジックハンドが売られているだろうか?」と思って行ってみた所、
2種類のマジックハンドが売られていました。
”小さいの”と”大きいの”が。
バラして口パクに利用出来るかも知れないと思ったからです。
取り敢えず両方とも買いました。
”小さいの”は、ワイヤーを引く事で掴む様になっています。
どうしてそうすることで掴めるのかは、言葉で上手く説明出来ません。
”大きいの”も構造的には一緒で、太い針金を引く事で掴む様になっています。
『口パク』には、小さいマジックハンドを用いる事にしました。
何故なら、ワイヤーを引く構造で無ければ、
後述する『首を動かす』事が出来ないからです。
『口パク』を操作するレバーは、”大きいの”を用いる事にしました。
ワイヤーを引く力が結構必要なのですが、”小さいの”のレバーだとそれが困難なので、
”大きいの”のレバーを用いなければならないのです。
〇首を動かす機構
ホームセンターで売られている蝶番(ちょうつがい)を上手く首の関節に応用。
『口パク』にワイヤーを用いたのは、首を曲げても”口パク”が出来る様にするため、
柔軟性が必要だったからです。
首を動かすバーが、『口パク』用レバーの下側に伸びています。
バーを前に動かすと頭部が胴に対して平行(真っ直ぐ)になり、
後に動かすと頭部が下がり、胴に対して直角になったりします。
〇胴体
芯に、アルミ製の直径10mmの管を用いています。
その中にワイヤーを通しています。
中間や手許附近に、首を動かすバーの支えを取り付けています。
ホームセンターで売られている部品を応用しています。
〇操作方法
何分初めて&手探りである上に、恐らく誰も作った事は無いであろう操作人形。
完璧に上手く行くわけありません。
私は、ミヅマアートギャラリーに於ける山口晃古典落語ショーの前座での
劇団☆死期初公演の時、左手で『口パク』用レバーを握り、
右手で支え&首操作用バーの操作を行いました。
右手で二つの操作を行わなければならない上に、意外と人形が重いので大変でした。
パンヤ(綿)が結構詰まっているので、その分重くなったらしい。
私は『左利き』であるため、通常の右利きの場合は、
左手で支え&バー操作、右手で口パク用レバー操作をするのだと思います。
〇追伸
12月4日に劇団☆死期が、未来美術家遠藤一郎の案内で横浜寿町を巡るという
企画があった様なのですが、残念ながら私は仕事があった為に参加出来ませんでした。
美術手帖か何かにそのレポートでも掲載されるんでしょうか?
美術雑誌全く読まないので分かりません。
次回は、人形の名前の由来等についての説明を
行います。
【画像更新:2010.12.28】
【関連エントリー】
『劇団☆死期』初公演(Mizma Art Gallery, 2010.11.20)無事終了!!
http://ameblo.jp/ssatoloux-1987/entry-10714438874.html
オトナの芸術的人形劇団『劇団☆死期』に参加します