前回は、選択肢を読む際の「文章読解力」について記事を書きました。

選択肢の正誤判断を検討するための基本的な流れは、

①主語・述語等から、選択肢の「テーマ」を把握する
②対応する「知識」を記憶から引き出す
③文章を適切な長さごとに区切り、丁寧に確認をする

となるはずです。

前回は、①と③について考えましたので、今回は、②「知識」について
考えてみたいと思います。

その切り口は、「応用力」です。

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この試験はマークシート方式であり、規定について問うタイプの出題ですから、
たしかに「暗記」の要素が強いのですが、単なる「暗記試験」ではありません。

もし、社労士試験が「選択式」のみであれば、暗記だけでもほぼ対応できますが、
択一式では、「応用力」を伴った知識も要求されます。

しかし、単なる「暗記レベル」に留まっている方が多いのも事実です。

その原因を、インプット学習とアウトプット学習に分けて考えてみます。

1.インプット学習においては、

 1)テキストに書いてあることを「字づら」でしか捉えていない
 2)「規定の意味」などを考えていない
 3)基本事項及び頻出事項と、それ以外の部分、の仕分けができていない
 4)どちらかというと、「理解」よりも「速度」を重視している

という点に原因があると考えます。

たとえば、労災保険法の障害(補償)給付では、障害等級の決定について、
併合・加重障害・改定といったルールが登場します。

また、国民年金法の障害基礎年金では、受給権発生のパターンとして、
事後重症・基準障害・20歳前傷病(略)といったルールが登場します。
(さらに、年金額の改定ルールもやや複雑。その他障害などが混同しやすい。)

それぞれ、「何のためにある規定であり、どのような場合で用いられるのか」を、
ある程度説明できますでしょうか?

答えがNoであれば、「字づら」のインプットとなっているかもしれません。

これでは要件を問う出題には対応できても、応用的な出題には対応できません。

少なくとも基本事項及び頻出事項については、規定の意味なども押さえつつ、
理解重視」の学習を心がけましょう。


2.アウトプット学習においては、

 1)5肢択一の「正解肢」を選び出すことを重視している
 2)あるいは、「選択肢とその正誤」を覚えることを重視している
 3)どちらかというと、「理解」よりも「回転数」を重視している

という点に原因があると考えます。

皆さんはこれまでに、多くの過去問や演習問題を解かれていると思いますが、
異なる角度や表現」で問われても、正しく正誤判断ができますでしょうか?

社労士試験は、「同じような問題が繰り返し出題される」という特徴があります。
(その理由は、別の機会にお伝えします。)
しかし、基本的には、まったく同じ問題はほぼ出題されません。

そのため、「選択肢とその答えを覚える」というアウトプット学習をしている
方の多くは、「初見」の択一式に対応できません。

より多くの問題を解かなければ合格できないというのは誤解です。
アウトプット学習は、過去5~6年分程度の過去問だけで十分だと考えています。

しかし、その「」には拘わらなければなりません。

つまり、1肢ずつ、根拠を明確にしながら正誤の指摘を行うということです。
そして、誤りの箇所については、正しく言い換えられなければなりません。

これが「論点把握力」につながり、「応用力」のある知識となるわけです。


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~本日の論トレ(論点トレーニング)~

以下の設問について、「誤っている箇所」を指摘してみましょう!

<平成18年度 健康保険法 第1問A>

日本国籍を有しない者が、法人経営である料理店で働く場合は、
被保険者となることができない。

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誤り箇所の指摘だけではなく、正しい「解説」を加えてくださいね!

では、誤っている箇所を赤字・下線で示します。

日本国籍を有しない者が、法人経営である料理店で働く場合は、
被保険者となることができない

日本国籍を有しない者であっても、適用事業所で使用される者であって、
適用除外に該当しない者は、被保険者となります。

被保険者資格は国籍要件を問わない点と、法人経営の事業所は規模を問わず
強制適用事業所となる点に注意しましょう。


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