択一式の選択肢を読む際には、

1)要するに何が言いたいのか?
2)どこを確認(チェック)しなければならないのか?

が分からない限り、正誤判断をすることはできません。

2)については、択一式試験に特有の「作問テクニック」や、
頻出の論点」を知ることで、スキルを向上させることが可能です。

しかし、1)については、正に、「文章読解力」が要求されるため、
短期間でスキルを向上させることは難しいのが現実です。

何が聞きたいのか分からない
言いたいことがよく分からない

と、よく指摘される方は要注意です!

このタイプの方は、文章で問われている「」となる部分ではなく、
いきなりそれ以外の部分に着目してしまいます。

すると、その文章が何が言いたいのか分からず、全体把握に時間がかかり、
判断を誤る結果にもなるのです。

たとえば、以下の選択肢が、「最低限」何について言いたいのか、
説明できますでしょうか?

<平成23年度 健康保険法 第5問D>

厚生労働大臣は、全国健康保険協会が管掌する健康保険の被保険者に対し、
健康保険法施行規則の規定による被保険者証の交付、返付又は再交付が行わ
れるまでの間に当該被保険者を使用する事業主又は当該被保険者から求めが
あった場合において、当該被保険者又はその被扶養者が療養を受ける必要が
あると認めたときに限り、被保険者資格証明書を有効期限を定めて交付する
ものとする。

随分長い文章ですね。

疲れていると、何が書いてあるのかサッパリ・・・かもしれませんね。

しかし、要するに、この選択肢が言いたいことの「」は、

厚生労働大臣は
被保険者資格証明書を有効期限を定めて交付する

ということですよね?

上が主語であり、下が述語(結論)です。

その間の文章は、「要件」「対象」「補足」「数値」などで構成されます。

そして、最低限の文章に、これら必要な要素を加えると、

厚生労働大臣は
・協会管掌健康保険の被保険者に対し、
・被保険者証が交付されるまでの間、
・事業主又は被保険者から求めがあり、
・必要があると認めたときに限り、
被保険者資格証明書を有効期限を定めて交付する

となります。

結局、上の5つの要素も確認しなければならないんでしょ?』と言われれば、
「そのとおり」なのですが、それでも先ずは、主語と述語を確認しましょう。

その理由は、

1)主語と述語だけでも正誤判断できる選択肢がある
2)主語と述語が見えないと、文章全体として言いたいことが捉えられず、
 文章そのものが頭に入ってこない(パニックになる)


ためです。

得てして社労士試験では、「その他の要素」が引っ掛けのポイントとなるため、
このような文章を読む際の「基本」を疎かにする方が多いのかもしれませんが、
それではいつまでたっても「初見」の問題には対応できません。

1)文章の言いたいことを見極めて、2)その他の要素を確認する、という、
全体把握 ⇒ 要素分解ができない限り、正誤判断すべきポイントは見えません。

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~本日の論トレ(論点トレーニング)~

以下の設問について、「誤っている箇所」を指摘してみましょう!

<平成21年度 健康保険法 第2問C>

健康保険組合が解散し消滅した場合、厚生労働大臣が当該健康保険組合の
権利義務を承継し、当該健康保険組合の組合員であった被保険者を全国健
康保険協会の被保険者に変更することになっている。

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誤り箇所の指摘だけではなく、正しい「解説」を加えてくださいね!

では、誤っている箇所を赤字・下線で示します。

健康保険組合が解散し消滅した場合、厚生労働大臣が当該健康保険組合の
権利義務を承継し、当該健康保険組合の組合員であった被保険者を全国健
康保険協会の被保険者に変更することになっている。

正しくは「全国健康保険協会が」です。

つまり、全国健康保険協会が解散した組合の権利義務を承継し、
当該組合の組合員であった被保険者は全国健康保険協会の被保険者となります。

なお、健康保険組合は、以下のいずれかに該当したときに解散します

a)組合会議員の定数の「4分の3以上」の多数による組合会の議決
b)健康保険組合の事業の「継続の不能」
c)厚生労働大臣による「解散の命令」

※a)b)の場合には、厚生労働大臣の「認可」を要します

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