干し柿作り ~ その2 | ミラノの日常 第2弾

ミラノの日常 第2弾

イタリアに住んで30年。 毎日アンテナびんびん!ミラノの日常生活をお届けする気ままなコラム。

 

 
柿の季節となった。
 
イタリアのスーパーや八百屋にも柿は並ぶ。一つでCaco(カーコ)、複数でCachi(カーキ)Kaki・柿ではなくCachi・カーキだから、カーキ色と関係があると思っているイタリア人もいるから笑ってしまう。
 
「柿って日本語なんだってば。しかも日本語の名詞には単数、複数がないから、1つでも柿。2つでも3つでも柿なのよ!」とイタリア人に説明すると驚かれる。

ところで、柿の学名は"Diospyros Kaki"。"Dios"とはラテン語で「神の」「神聖な」、"pyros"「小麦」「与えられる物」という意味で、"Diospyros" =「神から与えられた食べ物」というような意味となる。

 

柿は、「柿が赤くなると医者が青くなる」と言われている。柿には効能が沢山あるので(下記参照)、「柿が赤くなる秋は天候がよいので、体調を崩す人は少なく、医者は商売にならずに青ざめる」と言う意味らしい。

 

いずれにしても、柿にはカリウム、カロチンを豊富に含む。カリウムは血圧を下げ、カロチンは体内でビタミンAになり、目や粘膜、皮膚の健康を保ち、成長を促し、病気の回復や風邪の予防に役立つ。元々栄養価の高い柿が、それを干し柿にするとさらに栄養価が高まるというのだ。

 

母は父が健在の頃からは、愛媛からあたご柿というのを取り寄せて干し柿にしている。父が亡くなり、もう辞めた!といいつついまだに作っているのだ。

 

今年は、確かに愛媛から取り寄せはしなかったが、友人から地元の渋柿を60個頂いたそうで、ただだったから干してしまったと言っていた。笑 それをいつも楽しみにしていてくれる父方の叔父に送ったそうだ。

 

すると今朝、「昨日地元のスーパーであたご柿が一つ58円だったので、20個買って干し柿を作った」といって画像が送られてきた。早速母に電話をすると「また柿が欲しくて今朝もスーパーに行ってきちゃったわよ。すると昨日と同じおばあさんたちばかりが来ていたわ。」という。自分もおばあさんではないか?!爆

 

先週までその柿は130円で売られていたそうだが、母は毎年取り寄せで20キロ+送料で5~6000円していたというが、ネットで調べても10キロ40玉前後、セールで送料無料でも3600円ほどする。であれば、やはり一つ58円は絶対安い!ちなみに一つ500グラム弱あるのだそうだ。かなり大玉かもしれぬ。

 

母は、柿を選びながらも周りのお年寄りに、「枝付きじゃなきゃダメよ」とアドバイスしていたという。「干し柿作り初めてなんです。」「孫に食べさせてあげたくて…」そういう人が多かったという。

 

「やっぱり干し柿づくりは楽しくてやめられない」という母。12月に夫が日本出張に出かけるので、持たせたい、と言っていたが、直行便ではなく、ましてや経由国でも仕事をしてくるので、悪くさせてしまう可能性もある。過去にダメにしてしまったこともあるので、微妙だ。

 

とはいえ、母に手をかける楽しみがある、というのは良いこと。元気な限り干し柿を作り続けて欲しい。