子供の味覚 〜 三つ子の魂百まで? | ミラノの日常 第2弾

ミラノの日常 第2弾

イタリアに住んで30年。 毎日アンテナびんびん!ミラノの日常生活をお届けする気ままなコラム。


 
「三つ子の魂百まで」というが,これは味覚においてもいうのではないか?と思う今日この頃。
 
今日はあくまでも独り言。
悪口でも批判でもない。ただどうなの?と毎日、ツインズにご飯を食べさせながら考える。
 
ママさんは、非常に真面目でお勉強はできる方だが,時に真面目すぎて、栄養にだけ注目し、そんなの食べるのか?と目が点になる離乳食が多い。その点、パパさんが作るメニューは、決して塩胡椒は使っていないものの、トマトベースやチーズが加わり(日本人の感覚からするとそこまでいれるか!とは思うが)子供達は喜んで食べるが,ママさんに言わせればそれは肥満の元だ、と言い、それはご主人に対する当てつけか?と思うことがある。苦笑
 
ロシア料理のボルシチやロシア風ポテトサラダにいれられるビーツは、根菜で食べる輸血と言われるほど、鉄分は豊富で,ガン予防、高血圧やむくみ予防、骨粗しょう症や動脈硬化予防...と効能はたくさんあるが,赤ちゃんが食べるものかあ?と驚いた。ちなみに日本では砂糖の砂糖の原料の甜菜として使われることも多いようで、確かにポリフェノールを多く含んでいるので、微妙に甘いのだが,オリゴ糖は摂りすぎるとお腹がゆるくなる傾向があると言われている。また便がま紫になるので、初めてそれを見た時は、出血しているのか?と度肝を抜かれた!!
 
ある時期まで、こんなドロドロでいいのか?と思っていたら、小児科の検診についていくと、案の定、離乳食のあり方を指摘され、もう少し固形のものを、そして色々な味を食べさせるように、と言われていた。そういう意味では、日本食は、いろんなアレンジができて良いと思うのだが,それからルーコラのサルサやクルミのサルサ、ラディッキオのリゾットなどが出てきた。ラディッキオとは、トレビスやチコリのようなキク科の野菜だが,非常に苦い。スカモルツァチーズを使ったリゾットは美味しいが、私はこれをグリルにしたのが好きだが,苦い分大人の味だ。
 
ツインズにはリゾットとしてラディッキオが使われたが、もちろんチーズたっぷり。子供達は喜んだ。すると、セコンド(イタリア人は離乳食の時から、第一の皿、第二の皿、として順番に食べさせる家庭が多い)にもラディッキオを茹でて裏ごしにしたものが出てきたから驚いた。これ、食べさせるの?と思ったら、案の定子供達は口にいれた瞬間、目をつぶりブルブルっと震え、ぶえーっと吐き出した。それ以降二度と口にせず。(だよね...)
 
基本味と言われる、「甘味」「旨味」「塩味」「酸味」「苦味」の中で、「苦味」は“毒物“の存在を教える役割があり、この2つの味は、体を守るために避けるべき「危険な食べ物」を伝えるのだそうだ。だから子供にこの味が受け入れられるはずがない。
 
ママさん曰く、子供達には、苦い味は小さい頃から覚えさせることが必要なのだという。(!)しかしパパさんはそれで、トラウマになって食べられなくなったらどうするんだ!と言う。まあ、大人になれば克服できるだろうが、無理してこの時期に食べさせなくてもいいのでは...と思いつつ黙っておく。
 
離乳期というのは、母乳やミルクだけでは補えない栄養素を摂取するだけでなく、やはり子供の味覚を育てるための大切な時期だ。 「3歳までに一生の味覚が決まる」といわれるほど、赤ちゃんの味覚はとても繊細だ。そして、食経験を重ね、さまざまな味を受け入れられるようになっていくと、味覚は発達していくが、小さいうちから無理して食べる必要のない味、食材というのもあるのではないか?それよりも、離乳食は食べる楽しさを伝えることが一番。栄養はその次!と思うのだが、う...ん、私は貝になる。
 
 
(画像はイメージ像だが,これに近い状況になることがある!)