ミラノのシンボル・ドウモの献堂式 | ミラノの日常 第2弾

ミラノの日常 第2弾

イタリアに住んで30年。 毎日アンテナびんびん!ミラノの日常生活をお届けする気ままなコラム。

 
 
 
今やドウモはミラノのシンボル。
 
初代ミラノ公ジャン=ガレアッツォ=ビスコンティの命によって1386年に起工、1577年10月20日に献堂された。
 
 
 
とはいえ、ドウモはその後も工事は続行され、19世紀なかばに至ってようやく完成。実に500年もの年月をかけて造られた。外部には135本の尖塔、そして2245体の聖人像などの装飾が施されたイタリア最大のゴシック建築。
 
献堂式後、毎年10月の第3日曜日に祝われてきている。
 
カトリック信者にとってドウモは「神の家」であり「祈りの家」でもある。信者でなくても中に入ればその荘厳さに圧倒されることだろう。芸術作品というだけでなく、その美しさと純粋さが詰め込まれているが、それは主であるキリストと人間の創造性への誓いであると言っても過言ではないであろう。
 
以前も書いたが、元々紀元4世紀のローマ時代に、ミラノの城壁内に建立された大聖堂の位置に今のドゥオモが建てられた。このローマ時代の大聖堂は、後に2つに別れて、サンタ・マリア・マッジョーレとサンタ・テクラ聖堂となっていた。
 
 
 
この献堂の記念ミサは、歴史と共に、また聖体拝領を通して主の体、み言葉、主の愛を伝え続け、また教区全体、共同体の信仰の意識を表現する、とデルピー二大司教は今朝のごミサでそうおっしゃっていた。
 
ドウモへ入るには一般ツーリストと信者では入り口が違う。私はいつも向かって左側から「ミサ」、「祈り」または「告解」と言って入っていくが、中へ入っていくと、さすがにツーリストとは通れるところが限られてしまう。
 
ツーリストの方々が、信者の祈る姿を見て何か心に響くことがあれば素晴らしいと思う。
 
ところで、教会は聖書のなかで「エクレジア」と言われる。それは神さまによって呼び集められた者の集い、つまり信仰者の共同体を意味するものであって、本来、建物そのものを指し示す言葉ではない。聖パウロが言うように実は私たち自身が「聖なる神殿」に他ならないからだ。本来教会堂に聖なる息吹を吹き入れるのは信者自身であろう。
 
祈ることを教えてくださった主にならい、私たちが信仰の困難にあっても、いつも祈り、感謝し、神に信頼し続けることができますように。