- 毒と私/幻冬舎
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タイトルも凄いけど、由井寅子さん(ゆいとらこさん)自身もとにかく凄い。
日本におけるホメオパシーの第一人者。私より8歳年上、昭和28年生まれ。
「とらこ」さん命名の由来に始まり、「いらん子」と呼ばれながら育った、貧しく厳しい家庭環境が赤裸々に語られています。寅子さん以上に激しくも過酷な人生を送られたお母様との葛藤がまた壮絶。
その母との関係、そして家庭環境からは、自己評価も高まろうはずもなく、寅子さん、成長と共に、そのトラウマを深めていきます。
その一方、学業優秀だった寅子さんは、高校を卒業と同時に、四国の田舎町を出て上京。グラフィックデザインを学んだ後就職、バリバリとお仕事をします。
しかしその豪胆な仕事っぷりは、当時の東京でも生き難さがあったのでしょうか。英国人の恋人を追って、渡英。この辺りから、寅子さんの人生が大きく展開していきます。
その英国での、仕事漬けの毎日の結果、潰瘍性大腸炎を患い、激痛の最中、夢のお告げを受けます。
「病気と同じようなものを使って、自己治癒力を高めなさい。これは同種療法というものだ。」
こうして出会ったホメオパシー。英国ではホメオパシーは王室の健康法としても知られ社会的認知度も高いそうです。寅子さんは大学でホメオパシーを学び、ついには、日本にもそのホメオパシーを広めカリスマとして活躍していきます。
そんな中、とある死亡事件をきっかけにホメオパシーへのバッシングが始まります。この辺りからは、私も当時の新聞報道などで知るところです。この本はそんなバッシングを改めて検証しています。
ホメオパシーの賛否是非等々は、また別の機会に譲るとして、私はこの寅子さんの激しく迫力ある人生にすっかり魅せられてしまいました。
特にお母様との葛藤を超えても尚、御嬢さんとの葛藤に心を痛めるご様子には、一人の母親としての生身の寅子さんを感じます。私もまた一人娘との葛藤に時に胸を痛めておりますから。
寅子さんはおっしゃいます。
他人からの評価をどれ程得ても満足はしない。
あるがままの自分を受け入れ、自分自身を許し、愛した時、初めて自分を生きられるのだ。
自分を癒せるのは自分自身だと。
もちろん、こうした事は、多くの目覚めた人々が気づき実践している事なのでしょう。私もその例外ではありませんが、この激しさ、このリアリティを前にすると、同じ言葉も、格段の説得力を感じてしまいます。
私はレムリアン・ヒーリング(R)プラクティショナーとして、皆様に愛と光と調和のエネルギーをお伝えしたいとの一心で活動しております。
右脳の持つ受容性、「今、ここ」を生きる力、潜在意識の活性化。
ヒーリングと瞑想を通してお一人でも多くの方に、「自己治癒力」をアップしていただきたいと思っております。
そして、選んだ道は違えども、この由井寅子さんもまた、同じように光に向かって歩いているのだと、心強く思い、力をいただいた一冊でした。