更新が止まっている話を沢山抱えていますが、今宵はキョコ誕ということで、、魔人ブログ3周年記念投網的リク罠「30行脱出企画(=30行くらいでピンチから脱出してみましょう企画)」に自爆ドボンしてみまーす。

夢か悪夢か、ハーレムナイトの第1話はこちら
「夢か悪夢か、ハーレムナイト 2」


後輩女優京子と一緒に受けたオファーにより、最高の状態でハリウッド復帰を果たした蓮は、上機嫌で周囲に笑顔を振りまいていた。

まだ撮影は始まっていないが、オファーを出してくれた監督やプロデューサーへの挨拶はこちらに着いた翌日に問題なく済ませている。

今はいつのまにか出席が決まっていた、こちらの業界のパーティに参加しているところだ。

このパーティに出る前に、こちらにいる間に出来る単発の仕事も幾つかもらえそうだと、LME芸能プロダクションアメリカ本社がつけてくれた現地アシスタントと共に滞在中のスケジュールを組んでくれている社から聞いた蓮は、これまでの頑張りが思ってた以上に実を結んでいる気がして、誇らしい気持ちとなっていた。

過去の自分の愚行を思い出さずにはいられない筈の昔の知り合いとの再会も、いざ会ってみればどうということもなく、こんな自分でいられるのは最上キョーコのお陰で、その愛しい彼女を同伴しこのパーティに出ていることが嬉しくてたまらなかった。

そんな蓮が思わず零した甘い笑みにより、周囲の女性達のスキンシップはより激しくなっていったが、日本では上手く避けていたそれもこの国にいるせいか特別不快にも感じず、余裕で受けていた。

「クオン~、また会えて嬉しいわ!ティーンエイジャーの頃も格好良かったけど、今はナイスガイね!流石私のダーリンね!」

「私ずっと心配していたのよ?でも今日会えて嬉しいわ。これからはまた…ね?何なら今晩から…」

「私の運命の貴方!私は信じていたわ、貴方が私のもとに戻ってくるって!」

───皆、口が上手いな。俺のことなんて、今の今まで忘れて、普段は彼氏と仲良くやっているだろうに。ま、リップサービスだし、これも有り難いことだと思わないとな。

日本だと慣れた感じで言い寄る女性より、赤く照れた顔で告白してくる者の方が多いが、こちらの女性は自信に満ち溢れているせいか、色っぽい表情で豊満なボディを蓮の身体に丸ごと押し付けながら、至近距離で口説き文句を囁いてくる。

入れ替わり立ち替わり幾人もの女性から熱烈な歓迎の挨拶(←蓮さんの感覚)をされていたが、ふと目線を送った先にいた社の表情を見て、驚いた。

───なんだ?社さんがジト目?何故だ?え?今度は真っ青?あれ?なんか焦ってる?

蓮の前方斜め前のあたりにいる社の顔は短時間に表情を変えていたが、何故彼がそんな顔をしているのかがわからない。

社が焦りながら視線を送る先を考えた辺りで、漸く今の自分の状況が良いものでないことに気がついた。

ちょうど唇へのキスを送られたあたりで、ふと思い至ったのだ。

日本では “キスは恋人同士のもの” であり、今自分が“恋人になりたい相手の前で別の女性とキス”してみせていることに。

蓮はキョーコが他の男とキスすることなんて、絶対に許さない。それは日本でもここでも同じだ。←注:つきあっていません!

仕事では仕方がないからどれだけ気分が悪くとも我慢するが、プライベートなら相手を抹殺したくなる。←注:つきあっていません!

───俺は今何を?も、最上さん、今の…見てた??

先程までの余裕はどこへいったのか、蓮の顔色は突然真っ青になり、背後にいるであろうキョーコの様子を確認するために振り返ろうとするその大きな身体は、壊れたロボットの様なぎこちない動きしか出来ない。



その彼の目に飛び込んできたのは、こちらを見ていたらしきキョーコが、興味がないとばかりに身を翻し離れていく姿である。

「も、最上さ…ん?」

呼びかける蓮の声は小さ過ぎてどこにも届かない。


美しく着飾ったキョーコが移動する様を周囲の男達がもの欲しそうな目で眺めているが、彼女はそれに気づきもせず、自身のマネージャーの元へと歩いて行った。


3に続く


は、早く終わりたい!!(((( ;°Д°))))

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