更新が止まっている話を沢山抱えていますが、今宵はキョコ誕ということで、、魔人ブログ3周年記念投網的リク罠「30行脱出企画(=30行くらいでピンチから脱出してみましょう企画)」に自爆ドボンしてみまーす。
「夢か悪夢か、ハーレムナイト 1」
───この私にハリウッドからお仕事が貰えたなんて…夢みたい!それも尊敬している大先輩、敦賀さんと一緒にだなんて。ほんと、夢みたい!
蓮と共に受けたオファーにより、フワフワと夢見心地で訪れたハリウッド。
そして、あれよあれよと言う間に参加が決まったこちらの国の業界パーティ。
今宵開催されているそれに、キョーコは蓮にエスコートされるカタチで参加していた。
ちなみに、蓮のマネージャーの社は渡米前に急遽つけられたキョーコの女性マネージャーをパートナーにしての会場入りだ。
もしもマネージャーが女性じゃなかったら、同伴者として恋人もしくは会社の人間を連れてこないといけなかったらしい。
キョーコからするとこの男女同伴ルールは面倒臭いとしか思えないものである。
だが男女同伴ルールに拘るのは、会場に入るまでのお話の様で。
夫婦やカップル単位で挨拶を交わし合っている者達も多いが、これからこの業界で仕事をしようとしている人間は売り込みをかけるのに忙しいのか、単独でウロウロしている者の姿も多く見かけた。
───日本の芸能人とは契約システムが違うらしいけど、仕事のことはエージェント任せなんていうのはスターだけなのかもしれないわね。皆さん必死だもの。
こちらの売り出し中の役者とラブミー部員の “仕事が欲しければ自分で売り込みをかけないといけない”という共通点を見つけてみると、来たばかりで知り合いもほとんどいないにも関わらず、この国の人達に少しばかり親近感が沸いてくるから不思議だ。
名前も知らぬ異国の者達の奮闘振りを目にして、「自分も頑張らないと!」と決意も新たに周囲を見回してみれば、少し離れた場所で自分のマネージャーが名刺を繰り出しているのが見え、自分もまた挨拶に同席するべきか少々悩んだ。
まだラブミー部員なキョーコからすれば、売り込みをハリウッド進出の為に仕方がなくついてくれたであろうマネージャー任せにするのは申し訳ないと思ってしまう。
だが、呼ばれもしていない場に割り込むのも気が引けたのだ。
しかし、どうすべきか隣にいる筈の大先輩にお伺いを立てようとしたところで、キョーコの上向きだった気持ちは瞬時に下降することになった。
「クオン~、また会えて嬉しいわ!ティーンエイジャーの頃も格好良かったけど、今はナイスガイね!流石私のダーリンね!」
「私ずっと心配していたのよ?でも今日会えて嬉しいわ。これからはまた…ね?何なら今晩から…」
「私の運命の貴方!私は信じていたわ、貴方が私のもとに戻ってくるって!」
いつの間にかキョーコの横からその背後に移動していたらしい大先輩を取り囲んでいたのは、容姿自慢と一目でわかる己への自信に満ち溢れた美女軍団であった。
言動から察するに、大先輩が日本に来る前…十代の半ばまでの子供時代にお付き合いしていたであろう女性達である。
以前付き合った女性には皆短期間で別れを告げられていたと聞いていたが、それは大先輩の勘違いだった模様。
───「いつも振られてばかりだったんだ」とかなんとか言ってたのを聞いたことはあるけど、そんな風にはとても見えないわ。もしかして、ただただ言い寄られるままにどんどん新しい彼女を作っていただけなんじゃあないの?
少し前まで信じていた敦賀蓮(クオン)プレイボーイ説が再び脳内に沸き上がってきてしまうのは、大勢の女性に順番に抱きしめられ、キスを贈られているその人の態度が極自然に見えるせいである。
───敦賀さん嬉しそう…そうよね。あんなボンキュッボン美女軍団にちやほやされて嬉しくない訳ないわよね。ああ、また抱きしめられてる!あ、今度は唇にキスされた?
もうこれ以上は見ていられなくて、キョーコは振り返って送っていた視線を自分の前方に戻した。
背後に出来上がったハーレムの主の反応はもう見なくてもわかる。
もうキョーコはちゃんと “現実を理解”したのだから、見る必要もないものだ。
───やっぱり…ね。
2に続く
「夢か悪夢か、ハーレムナイト 1」
───この私にハリウッドからお仕事が貰えたなんて…夢みたい!それも尊敬している大先輩、敦賀さんと一緒にだなんて。ほんと、夢みたい!
蓮と共に受けたオファーにより、フワフワと夢見心地で訪れたハリウッド。
そして、あれよあれよと言う間に参加が決まったこちらの国の業界パーティ。
今宵開催されているそれに、キョーコは蓮にエスコートされるカタチで参加していた。
ちなみに、蓮のマネージャーの社は渡米前に急遽つけられたキョーコの女性マネージャーをパートナーにしての会場入りだ。
もしもマネージャーが女性じゃなかったら、同伴者として恋人もしくは会社の人間を連れてこないといけなかったらしい。
キョーコからするとこの男女同伴ルールは面倒臭いとしか思えないものである。
だが男女同伴ルールに拘るのは、会場に入るまでのお話の様で。
夫婦やカップル単位で挨拶を交わし合っている者達も多いが、これからこの業界で仕事をしようとしている人間は売り込みをかけるのに忙しいのか、単独でウロウロしている者の姿も多く見かけた。
───日本の芸能人とは契約システムが違うらしいけど、仕事のことはエージェント任せなんていうのはスターだけなのかもしれないわね。皆さん必死だもの。
こちらの売り出し中の役者とラブミー部員の “仕事が欲しければ自分で売り込みをかけないといけない”という共通点を見つけてみると、来たばかりで知り合いもほとんどいないにも関わらず、この国の人達に少しばかり親近感が沸いてくるから不思議だ。
名前も知らぬ異国の者達の奮闘振りを目にして、「自分も頑張らないと!」と決意も新たに周囲を見回してみれば、少し離れた場所で自分のマネージャーが名刺を繰り出しているのが見え、自分もまた挨拶に同席するべきか少々悩んだ。
まだラブミー部員なキョーコからすれば、売り込みをハリウッド進出の為に仕方がなくついてくれたであろうマネージャー任せにするのは申し訳ないと思ってしまう。
だが、呼ばれもしていない場に割り込むのも気が引けたのだ。
しかし、どうすべきか隣にいる筈の大先輩にお伺いを立てようとしたところで、キョーコの上向きだった気持ちは瞬時に下降することになった。
「クオン~、また会えて嬉しいわ!ティーンエイジャーの頃も格好良かったけど、今はナイスガイね!流石私のダーリンね!」
「私ずっと心配していたのよ?でも今日会えて嬉しいわ。これからはまた…ね?何なら今晩から…」
「私の運命の貴方!私は信じていたわ、貴方が私のもとに戻ってくるって!」
いつの間にかキョーコの横からその背後に移動していたらしい大先輩を取り囲んでいたのは、容姿自慢と一目でわかる己への自信に満ち溢れた美女軍団であった。
言動から察するに、大先輩が日本に来る前…十代の半ばまでの子供時代にお付き合いしていたであろう女性達である。
以前付き合った女性には皆短期間で別れを告げられていたと聞いていたが、それは大先輩の勘違いだった模様。
───「いつも振られてばかりだったんだ」とかなんとか言ってたのを聞いたことはあるけど、そんな風にはとても見えないわ。もしかして、ただただ言い寄られるままにどんどん新しい彼女を作っていただけなんじゃあないの?
少し前まで信じていた敦賀蓮(クオン)プレイボーイ説が再び脳内に沸き上がってきてしまうのは、大勢の女性に順番に抱きしめられ、キスを贈られているその人の態度が極自然に見えるせいである。
───敦賀さん嬉しそう…そうよね。あんなボンキュッボン美女軍団にちやほやされて嬉しくない訳ないわよね。ああ、また抱きしめられてる!あ、今度は唇にキスされた?
もうこれ以上は見ていられなくて、キョーコは振り返って送っていた視線を自分の前方に戻した。
背後に出来上がったハーレムの主の反応はもう見なくてもわかる。
もうキョーコはちゃんと “現実を理解”したのだから、見る必要もないものだ。
───やっぱり…ね。
2に続く