小説とは何か 2 | 小説の書き方教えます

小説の書き方教えます

現役プロの小説家「子竜 螢」が、文学賞受賞へと導きます  KEI SHIRYU 

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今回は、前回の続きで、小説の原点の話です。




ほとんどの方は、読者に面白いストーリーを提供

とようと考えています。


その結果、ストーリーのみを追いかけて人物描き

が疎かになるせいで、読者はほとんどあらすじ同然

のものを読まされることになってしまいます。




小説の「小」とは人間のことでしたよね。


ならば、人間を描きましょう。


殺人事件が発生したから探偵が登場するのではなく

魅力的な探偵を描くために、殺人事件が必要なのです。


有名作家のシリーズものは、そうやって生み出された

ものなのですよ。


この点の勘違いを正さない限り、文学賞に入選する

ことなど、まずありません。


審査員は、人間というものをどこまで掘り下げている

のか、と審査しているからなのです。


ストーリーの面白さやアイディアなんて、二の次です。




ナポレオンがエジプトへ遠征したとき、ロゼッタストーン

という象形文字で書かれた石版を持ち帰り、30年ほど

前まで解読されぬままルーブル美術館に展示されてい

ました。


30年ほど前にようやく解読されたのですが、何と書いて

あったと思いますか。


近頃の若い者は。。。


そう、5000年前も今も、世代間の意識の隔たりを嘆く

のは同じだったのです。




人間というものが持っている喜怒哀楽という感情や、老い

の苦しみ、死別の悲しみなどはいつの時代でも同じです。


おそらく、1万年後も同じでしょう。


葛藤や不条理と戦う心。この世に生を受けた意味。


あなたの作品では、どこまで掘り下げているでしょうか。


それをトコトン重視している作品を文学といい、ストーリー

もあわせて追求したものをエンターテインメントと分類され

ています。


エンターテインメントは、ストーリーのみを追いかけるもの

ではないのです。