小説とは何か | 小説の書き方教えます

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現役プロの小説家「子竜 螢」が、文学賞受賞へと導きます  KEI SHIRYU 

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今回は、小説というものの原点の話です。




小説というからには大説というものもあるのでしょう

か。なぜ小説というのでしょうか。


これを知らないと、作品作りが間違った方向へ行って

しまいます。




はい、大説というものもちゃんと存在しますよ。


では、「小」と「大」の違いは何でしょうか。




「小」とは、人間のことです。人間の生き様を説いた

物語が小説というわけです。


一方、「大」とは天下や国家や世界を意味します。


そういうものの興亡を説いたものが大説なのですが、

三国志やローマ帝国興亡記など、特定の人物が

主人公のままではなく、入れ替わってゆくのが特徴

です。




小説が人間の生き様を説くものであるからには、登場

人物たちの生き様を描くことを重視すべきで、ストーリー

は描きやすい背景を提供するに過ぎません。


ストーリーを重視するあまり、ストーリーのみを追いかけて

人物描きを軽視しますと、ほとんどあらすじ同然になってし

まいます。


描写があるだけあらすじよりも増しですが、人間描きとは

その人物の言動の積み重ねですので、とくに短編では描き

切れなくなるリスクも生じます。


いくらでも描ける長編よりも短編が難しい所以なのです。




文学賞の応募作品の8割までが、ストーリーを追いかけた

作品ですので、小説の原点を知っているだけで、2割しか

残されない第一次選考にはちょうど残る勘定です。


微妙な感情の揺らぎ。事件などを通してかすかに成長する

主人公の精神力など、いくつかのポイントはあるにせよ、

人間を描くことに最大限の配慮をしてください。