☆☆☆+
1999年12月 320p 角川書店 1997年4月角川ホラー文庫「十三番目の人格-ISOLA-」を加筆改題し、単行本化
○貴志祐介「ISOLA(イソラ) 十三番目の人格(ペルソナ)」読みました
賀茂由香里は、人の感情を読む取ることができる特殊能力を持った エンパス(Empath)でした。普段は日常生活に支障が出るため、薬を服用して普段はその能力を抑えています。
由香里は阪神・淡路大震災で被災した人たちの話を聞くボランティアのため、神戸を訪れていました。そんなとき、多重人格を持つ少女、千尋と出会います。彼女は、進学校である私立晨光学院高校に通う高校2年生。
千尋は、幼いとき両親を交通事故で亡くし、親戚の家で暮らしています。その複雑な境遇が千尋を多重人格にしたのでしょう。由香里は晨光学院高校の心理カウンセラー野村浩子と協力しながら、もちろんエンパスの能力も使いながら、千尋のそれぞれの人格と話していきます。
千尋の中で、なぜか阪神・淡路大震災の後に生まれた人格、ISOLAについてだけは、よくわかりません。由香里は、次第に謎に首をつっこんでいくのですが、そこには思わぬ結末が。。。
ということで、貴志祐介「ISOLA(イソラ) 十三番目の人格(ペルソナ)」読みました。この本で、今出版されている貴志祐介の本のなかで、読んでいない最後の一冊でした。デビュー作で、期待はずれだと嫌だな、と思って読み進みましたが、これが面白かったです。
人の心を読むことができる、由香里。多重人格の千尋。彼女の秘密を探っていくと、由香里も危険にさらされていくわけで、それがスリリングです。結末も現実ではありえないですが、でも、そんなこともあるかも、と思わされるような内容となっています。
また、千尋の通う高校が、「悪の教典」
の舞台となった高校の姉妹校のようです。もしも、「悪の教典」の主人公のハスミンが、エンパスである由香里と対面したら、面白いかも、とそんな妄想も抱かせてくれる本編でした。由香里に、是非ハスミンと闘って欲しいと、強く思いました。。。8272
追記
由香里が持っている、エンパスという人の感情が見える能力、NHK朝の連続TV小説「純と愛 」の愛の能力みたい。ということで、「純と愛」欠かさず見てます。。。
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