村上春樹 レキシントンの幽霊 を読みました・・・(残りの4編) | 親愛なる人に-読書の薦め

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読んだ本の感想などを、本屋さんで見かける推薦文のように綴ります・・・お薦め度合いは、☆の数で評価します。親愛なる本好きの人たちに,このブログを届けたいです.

レキシントンの幽霊

初めの三編はこちらです・・・



「氷男」

☆☆+

親にも反対されましたが,主人公の私は氷男と結婚しました...でも,私は一人で家にいるとだんだん退屈を覚え,旅行に行こうと氷男を誘います.行き先は,南極・・・.寓話のような話でした.



「トニー滝谷」

☆☆



トニー滝谷の,父昭三郎の人生と,トニー滝川のやや数奇な半生を語った短編です.といっても,この二人,別に偉人でも何でもないと思いますが・・・いわゆる純文学的な作品でした.


この短編,映画かもされていたのですねえ.

トニー滝谷 プレミアム・エディション


「7番目の男」

☆☆☆



どうやら,夜中,辺りを暗くして,お互いの怖い話をしているようです.この物語は,その日最後の物語を語る7番目の男の話です.

7番目の男は,子どものときの津波に,彼の大事なものを運びさられてしまいました.それを,もう一度発見し回復するまでに,ずいぶん長い年月がかかってしまいました.その大事なものとは,いったい何だったのでしょうか?



「めくらやなぎと,眠る女」

☆☆☆



僕は,いとこを病院に連れて行きます.そのとき,高校の頃,
友達の彼女を見舞いに行ったときのことをなぜか思い出すのでした.題名は,その彼女が,めくらやなぎの花粉で眠ってしまったという,絵を描いたところから,つけています.



最近の東京奇譚集 などの短編集と比べると,閉塞感が強く,私小説っぽく観念的な話が多いと感じました.