女子刑務所 知られざる世界/外山ひとみ | ブログ

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おはようございます。岡本大輔です。
本日の紹介はこちらです。
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【出会い】
帯広図書館で予約して借りました。

【本書紹介のねらい】
~本書抜粋より~
「塀の中は社会の縮図」――安心安全な社会づくりへの一歩として、この本をご覧いただければ幸いに思う。

知られざる世界、女子刑務所の中を目の当たりにして人間について深く考察してみましょうか。

【気になった抜粋】
「自分の考え方に縛られていました。ホントにすごく厳しくしていて、それもかわいい子どものためだと思いずっとやってたのですけど……。でもこんなに厳しくしても結果的に亡くなってしまったら何も意味がなくて……。私は今まで何をやってたんだろうと、すごく思いました」。

「自分はすごく嫌だった。だから厳しくしたくないとずっと思っていたのです。でも実際に子どもが生まれて、気づいたら、やっぱりそうなってたんですね……」。

女子高齢者の犯罪で最も多いのが窃盗であり、その割合は91.5%を占める、なかでも万引きが81.2%と際立って多いのが特徴だ。

少年院は刑務所ではなく、家庭裁判所から保護処分を受けた少年の健全な育成と更生を目的として、矯正教育を行なう国の施設である、そこには線引きがあり、家庭裁判所でも、「裁判」ではなく「審判」、「判決」ではなく「決定」、「出所」ではなく「出院」というように、使う言葉も異なる。

【響いた抜粋と学び】
作業……懲役受刑者は刑務作業が義務付けられており、土日祝日と矯正指導日以外は毎日作業を行なう、作業報奨金は月平均2千数百円ほど。

刑務所の作業は4週8休より休みが多く、もちろんよほどの理由がない限り欠席できないと思います。月に2000円程度か……。
金持ちになる方法はあるけれど、金持ちになって君はどうするの… のような例外を覗いてほんとに微々たるお金しか得られないのです。
※ 我が家の子ども達のアルバイト代よりは高いけどね。


「自分では死刑でもいいと思っていたし、拘置所でもずっと死にたかったのにその術がなかった……自分の子をあやめたのに、私は法の壁に守られている。刑務所にいるほうが規則正しい生活なので、精神的には安定していると思います」。

消灯21:00~、刑務所の夜は早い、21時には完全に消灯され、ふたたび静寂が訪れる、夜勤刑務官による巡回が朝まで続く。

1つ目の抜粋についてはわが子をあやめた母親の嘆きですね。死にたいのに、死ねない。法に守られている、ではなくて”法の壁に守られている”と表現しているところが深いなぁ。

2つ目の抜粋については僕が、我が家が消灯21:00なので思わず抜粋しました。上の抜粋にもありましたが、規則正しい生活をすると精神的に安定している、とありますがその通りだと思います。

3年前から始めた早起き早寝をし、断酒、禁おやつ・ジュースとしていく中で僕自身も以前に比べると精神的に落ち着いてきたと実感しています。

当時も今も、受刑者の罪名のトップが「覚せい剤取締法」というのは変わらない、しかし以前は、その背景に「男に騙され、利用された女」という暗く悲しいものを感じた、しかし、今は「ダイエットのため」など、軽い好奇心から罪を犯す者も多い、それ以前に逮捕歴があり、執行猶予中だった場合がほとんど。

薬物を続けるにはお金がかかる、密売人は最初こそお金を取らない、しかし中毒になれば、彼らの金づるになってしまう。


これらの抜粋はそのまんまビジネスも出るには応用できるんだろうな、と読んでいました。無料で商品を渡し試してもらう気に入ってもらったところで有料にする。ソーシャルゲームの課金も同じです。無料で遊んで楽しませておいてのめりこんできたところで様々な課金が発生する。
麻薬のきっかけの変遷についても参考になります。
昔はゲームは一人で楽しむ傾向が強かったのが、徐々に複数で楽しめるため、そしていまやネットを通じて世界につながるため、そんな変遷も考えてみました。

わたしは「覚せい剤取締法違反」で逮捕された者は、執行猶予をつけずに即刻刑務所へ入れるべきだと考える、そのほうが本人のためだ、なぜなら、初めて逮捕され執行猶予がついた場合の刑期は2年ほどであることが多い、家族もその間なら本人と意思疎通を図って励まし、社会復帰を待つことができるし、本人も家族に支えられ、がんばることができる。

病気にならない女性は「カタカナ食」を食べない──人生が好転し始める「1食100円」の美的メンテナ にもありました。薬物というのは一度やってしまうと依存してしまいます。執行猶予がついても、また薬物に手を出して捕まると猶予の分も追加した刑期となります。再犯となって、「あいつまたか……」と思われ、しかも刑期は長い、だったら最初から猶予なしで2年間入った方がいい、ということでした。確かに沿うかも知れない。別の人の例ではせっかく出所したのに以前一緒に薬物にはまった男と再会して再び薬物に手を染めたと言う話もありました。もう一度捕まって次に出所する時はその男と出会わないようにすることで薬物依存から抜け出した例もありました。
良くも悪くも人の縁というのは人生に影響を及ぼすのですね。

刑務所のなかでは、衣・食・住が確保され、本人の努力次第で資格を取る時間もあることだ、受刑者一人あたりにかかる年間経費は、人件費を含めると平均約270万円で、その元はもちろん税金である。

この部分は考えてみるとすごいね。一人の人間を更生させるためにはワーキングプアと呼ばれる年収300万以下の労働者と同じくらいの税金がかかるってことですか。みんながこの事実を知ったら、再犯する人を見たらもっと厳しい目になっちゃうかも。
「俺の年収よりお金掛けてんだからしっかりやれ!」
みたいな。

センター出身者が再犯を犯し、各地の刑務所に入所する例が増えている、「あそこ(センター)は刑務所だったんですか?」などと言うノーテンキ者までいるのだ、恵まれた環境に加え、監獄法が改正されて受刑者の権利が拡大したこともあり、罪を省みず、自分の立場を勘違いしている受刑者(センター生と呼ぶ必要はないとわたしは思う)も現れているように感じる。

ハイテクな刑務所ではパソコンの技術を学べるところがあり、施設も立派で、きれい。そういうところでは刑務所だと言う感覚が薄れていることもあるあらしいです。”センター生”の呼称は確かに不要かと感じます。

介助している側もされる側もどちらも受刑者なのだ、そして、若い受刑者が高齢受刑者を介護するだけでなく、なんと「老老介護」も刑務所内で行なわれた。

「残念なことに私は医者でも看護師でもないし、介護の資格も持っていません。でもここには高齢者や精神的に疾患を持った受刑者が一緒にいる。彼女たちを同じ空間で処遇するのは、もう限界だと思います。いま自分が刑務官としてできることは何かと考えると、朝起きる、仕事をする、朝昼晩ご飯を食べる、夜になったら寝る、まずそういう生活の基本を彼女たちに学ばせること。反省させるとか、罪を償わせるとか以前の問題です」。


刑務所内でも介護問題に頭を悩ますわけですね。しかも年齢が高くなり、反省や償いよりかは生活の基本を教える、ということ。う~む。
ちなみに介護現場で働く者としては資格の有無はそれほど関係ないように思えます。人が人を助ける、世話をする、というのは資格の有無ではなく、人間として行為だと思うからです。
だって、介護をする家族は資格のない人たくさんいますから。

東北少年院は、国家資格を取得するだけの理解力が必要なこともあり、IQ(知能指数)の高い子どもたちが多い、だが、たとえIQが120あっても、入所したときは小学3年、4年生の学力レベルしかないという少年も多いため、まず国語と算数を毎日勉強する。

IQが高いと聴くと、頭いいんだろうな、というイメージがあります。でも少年院に入ったときは小学3,4年生のレベルかぁ。ちょっとしたきっかけで変わることができるんですね。

無期懲役について現在も誤って報道されることがあるが、昔と違って服役十数年程度で仮釈放になることはまずない、厳罰化により有期刑が最長30年になったため、無期懲役囚も収監から30年を越えていないと仮釈放が認められにくくなっている。

これは知らなかったです。無期懲役については僕も誤解していまして、子供の頃は”終身刑”のことかと思っていました。しかし、違うんですよね。”無期”というのは期限を作っていないだけで、おおよそ20年くらいで出所できる、と聞いたことがありました。現代では30年を超えるんですね。

「お父さんは、夜しょっちゅううなされていた。寝ている最中にも突然『わぁ!』と大声を出して、飛び起きることもあったんだよ」、刑務間は職務を拒否することはできない、重責から精神に異常をきたした人もいるそうだ。

法の裁きと言えども死刑は”殺人”となります。つらいなぁ。

40年前は、心情の安定している模範死刑囚には「最期の晩餐」とも言える時間が設けられていた、寿司やトンカツ、バナナなど本人の好物を食べさせながら、職員とともに語らい談笑する、翌日には刑場に赴かねばならぬ死刑囚へのせめてもの温情だったのだろう。

きっと現代でこのようなことをやったら「死刑囚にそんなことは必要ない」と叩かれそうですね。
生まれ変わったら……更生してしっかりやろうな、そんな言葉が想像できます。

1983年に「半田保険金殺人事件」で弟を殺害された原田正治さんは、犯罪被害者遺族の立場から加害者の死刑を減刑する懇願をした、しかし結局、加害者の刑は執行され、その姉と20歳になる息子も死刑執行前に自殺している。

被害者遺族の立場から死刑を減刑する懇願をする、というのは初耳です。この抜粋だけ読むと、加害者が死刑になったことで、犯罪を犯さない二人の命が失われた、と読めます。
死刑存続か、廃止か、取り出されます。僕はやっぱり存続、と思っていましたが、今回の抜粋を読むと声を大にして”存続”とは言えないなぁ。
あなたはいかがでしょうか?

【編集後記】

本日で5月が終わります。午前中に認定調査があり、終了後は事務処理です。月末の仕事をしっかり終わらせてます。

ここまでお読みいただきありがとうございます。

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