Virtual Machine Manager(virt-manager)はGUIでゲストOSをインストールするツールでしたが
virt-installというコマンドラインでゲストOSをインストールするツールも提供されていますので
そちらも試してみることにします。
【準備】
Virtual Machine Managerの時と同じです。
1. xendを起動
2. 今回はapacheでインストーラーを公開するのでhttpdを起動し
/var/www/html(apacheのルートディレクトリ)の下にAsianuxというディレクトリを作成し
この下にAsianuxのインストールCDの中味を全てコピー。
(Asianuxは3枚のインストールCDで構成されていますが一つにまとめておきます)
【インストール手順】
1. virt-installコマンドを実行し今回作成するDomainUの情報を入力します。
# virt-install
What is the name of your virtual machine? Asianux
How much RAM should be allowcated (in megabytes)? 500
What would you like to use as the disk (path)? /xen/Asianux
How large would you like the disk (/xen/Asianux) to be (in gigabytes)? 8
Would you like to enable graphics support? (yes or no) no
What is the install location? http://192.168.0.173/Asianux
Starting install...
設定内容は上から
仮想マシン名・・・Asianux
DomainUが使用するメモリサイズ(単位:MB)・・・500
ゲストOSのインストール先・・・/xen/Asianux (今回はイメージファイルにインストールします)
ゲストOSのイメージファイルのサイズ(単位:GB)・・・8
グラフィカルサポートの有効・無効・・・無効
インストールソースの場所・・・http://[Domain0のIPアドレス]/Asianux
(【準備】で/var/www/html/Asianux下にインストールCDをコピーしたので)
上記は対話型で設定した場合ですが、以下の用にコマンドライン引数で指定することもできます。
# virt-install -n Asianux -r 500 -f /xen/Asianux -s 8 --nographics -l http://192.168.0.173/Asianux
ちなみ--helpで見たところvirt-installの引数には以下のものがありました。
-h,-help:引数の一覧とその説明の表示
-n,--Name:仮想マシン名
-r,--ram:メモリ容量(単位:MB)
-u,--UUID:DomainUのUUID、指定しなかった場合はランダムに割り当てられる
-f,--file:イメージファイルをフルパスで指定
-s,--file-size:イメージファイルのサイズ(単位:GB)
-m,--mac:DomainUの仮想NICのMACアドレス、指定しなかった場合はランダムに割り当てられる
-b,--bridge:DomainUの仮想NICを指定、指定しなかった場合はデフォルト(xenbr0)が使用される
--vnc:グラフィカルインストールでVNCを使用
--vncport:VNCを使用する際のポート番号
--sdl:グラフィカルインストールでSDLを使用
--nographics:グラフィカルインストールを行わない(=テキストインストールを行う)
--noautoconsole:自動的にゲストのコンソールに接続しないようにする
-v,-hvm:完全仮想化の場合に指定
-c,--cdrom:完全仮想化の場合でCD-ROMからインストールを行う場合にインストールメディアのPATHを指定
-p,--paravirt:準仮想化の場合に指定
-l,--location:準仮想化の場合にインストールソースのPATH(nfs or http or ftp)を指定
-x,--extra-args:準仮想化のインストーラーに渡す引数を指定
(キックスタートインストールの時にks.cfgを引数指定したりするのに使うのでしょう)
-d,--debug:デバッグ情報を表示
※引数の説明は--helpで表示された英文を日本語訳したものです。
全ての引数を試してはいないので間違っているものもあるかもしれません
今回は「Would you like to enable graphics support? (yes or no)」で「no」を指定したので
テキストモードでのインストールとなります。
2. コンソール内でテキストモードでインストールが開始されます。
今回は第二ステージもテキストインストールで実施されます。
3. インストール完了後、[再起動]をクリックするとVirtual Machine Managerの場合と同様に
DomainUが終了します。
4. ここで今回作成されたDomainUの設定ファイル/etc/xen/Asianuxをviで開きます。
するとVirtual Machine Managerを使用した時と異なり、vfb(仮想フレームバッファ)の設定が抜けているので
以下の一文を追加します。
vfb = ["type=vnc,vncunused=1"]
5. 以下のコマンドを実行しDomainUを開始します。
xm create -c /etc/xen/Asianux
なお、virt-installでも対話型の場合に[Would you like to enable graphics support? (yes or no)]でyesを
入力するか、引数指定の場合に--vncか--sdlを指定することでグラフィカルインストールを行うことができます。
その場合はVirutal Machine Managerを使用する場合と同じ手順でゲストOSのGUIインストールが行われます。
【VNCを使用してGUIインストールを行う手順】
1. 以下のコマンドを実行しvncserverを起動
# vncserver
You will require a password to access your desktops.
Password:
Verify:
New 'localhost.localhostdomain:1(root)' desktop is localhost.localdomain:1
Creating default startup script /root/.vnc/xstartup
Starting applications specified in /root/.vnc/xstartup
Log file is /root/.vnc/localhost.localdomain:1.log
2. virt-installコマンドで[Would you like to enable graphics support? (yes or no)]と聞かれた時にyesを入力。
3. vncviewerが自動的に起動しゲストOSのインストールが始まります。
Virtual Machine Managerの時と同様に第一ステージはテキストインストールで、
第二ステージがGUIインストールになります。
4. インストールが終了したところで[再起動]をクリックするとDomainUは終了しvncviewerも終了します。
5. この場合は設定ファイルの変更は必要ありません。
xm create -c [設定ファイル]でDomainUを開始します。
まあGUIインストールを行うのであれば、あえてVirtual Machine Managerではなくvirt-installを使う理由はない
ので、virt-installを使用する場合は普通はテキストモードで行うことになると思います。
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