今回の記事より、更新を再開いたします。
なお、連載「東日本に進路を取れ」は、下調べ等の都合により、水曜日以降の更新とさせていただきます。あしからずご了承くださいm(__)m

今回は、都営バスの「旧車」を取り上げたいと思います。
ちなみに、「旧車」(クラシックカーとかヒストリックカーともいわれる)とは、「主に数十年以上前に製造された自動車やオートバイなどの事である」と定義されていますが、ここでは単に「年式の古い車両」というくらいの意味で使っています。

既に9割以上の車が床面の低い「ノンステップ型」となった都営バス。それ以前の従来型「ツーステップ」も、江戸川や深川、品川に少数が健在ではあるものの、いつ退役してもおかしくない状況です。またノンステップ(ノンステ)型でも初期の車は試作的要素が強く、標準型ノンステが一般的になった昨今では使いにくい面もあると思われるため、その去就が注目されます。
このような「旧車」は、土日よりも平日の方が運用に就いていることが多いため、貴重な平日の休みを逃す手はないと思い、夕方の葛西駅前へ赴きました。

まずウォーミングアップとばかり、葛西臨海公園まで「葛西21」の乗りつぶしを実行した後、ネタ車運用の宝庫・「平23」には、以前に捕獲しそこなったR-F441が!
以下、正面の表情・特徴ある側面中扉・非公式側サイドビュー・リアの表情と4点の写真をご覧に入れます。あえてノーキャプションでどうぞ。


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いかがでしょうか。
1枚目、顔はツーステ型のキュービックと同じですね。また、2枚目の写真は初期型ノンステの特徴である、扉下部までガラス面があることがお分かりいただけると思います。

当然のことながら、外観撮影の後は乗車。
内装もご覧ください。


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長いロングシートが目を引く

このような座席配置は、古い東急バスなどにもあって、「三方シート」などと呼ばれたりしました。しかし、ロングシートに腰掛けるのはバスには不向きとされたためか(特に急ブレーキのときなど)、このような配置は急速に廃れました。東急バスの青葉台営業所や京都市営バスなど、一部ロングシートを採用している(いた?)ところもありますが、2~3人ごとに仕切りを入れて、居住性に配慮されています。
しかし、これだけの長いロングシートは、東急バスの青葉台営業所にいた3扉のキュービック(現在は退役)くらいしか見たことがなく、これは驚きでした。

ロングシートを別角度から。


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優先席・一般席と半々

この写真でわかるのは、一般席の座席モケットが「みんくる」柄ではなく、「イチョウ」柄なんですよね。これも「都バスの『旧車』」の特徴です。

そして、初期型ノンステの特徴(?)ともいえる、進行方向左側の最前部。ここには座席がありません。通称「ヲタ席」がないという鬼畜な仕様w


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ステップはあるのに…。

写真をよく見ればお分かりかと思いますが、タイヤハウスの前部にはステップの切り欠きがあります。であれば、その気になればここに座席を設けることは可能なはずなのですが…座面が高くなりすぎるので、わざと設けなかったんでしょうか。

リアから見るとこんな感じです。


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リアの通路部分までノンステ部が続いている

標準型ノンステは、リアの部分(中扉から後ろ)はステップを作って通路部分を高くしていますから、これも初期型特有の仕様ということになります。

遭遇しながら2度も取り逃がしたR-F441の乗車・撮影をできたことに、管理人は大変満足しました。
車内の撮影もできたので、管理人は今井街道に出た一之江五丁目で「平23」を降り、一之江駅バスターミナルへ移動。この日稼動していたもうひとつの「旧車」、V-E367を迎撃することになります。

【取材日 平成24年8月17日】

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※ 当記事は08/20付の投稿とします。