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冒頭の写真は東急バスの等々力操車所です。
ここは東急バスの「等11」「等12」のほか(写真に写っているエルガミオは等11充当)、あの「東98」の折返し所でもあります。
奥に都営バス2台が写っていますが、1台(左側)は「ウナギロング」こと日野HR、もう1台(右側)が日野の初期型ノンステ、Y-E404です。
実はこの車、試作的要素が多い上に投入から年数を経過していて、いつ退役してもおかしくないといわれています。たまたまこの日、ツイッター上で「東98」に入ったという噂を聞き、ダメ元で等々力に赴きました。
そこで撮影できたのが冒頭の写真だったわけです。

このとき、Y-E404は「回送車」表示で来て、その後「東98」に充当されるようでしたが、運転手さんに何時の便になるか聞いてみたら、17時10分発の便とのこと。このときちょうど1時間前。どうしようかと思いましたが、等々力発車時にバス愛好家が殺到しても困るので、16時28分発の都バス便に乗車し、目黒駅まで先回りすることにしました。

そして目黒駅で待っていると、やって参りました、Y-E404!


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確かに「東98」だ!

この車、どういうわけか橋やヨットのイラストなど、湾岸地区をイメージしたイラストが正面に描かれているのですが、「東98」との取り合わせは違和感があるような(汗

この車、車内はこんな感じになっています。座席数が少ないのが、写真でお分かりいただけるかと思います。


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座席が少ない(※)
※=平成24年5月5日、江戸川(臨海?)所属の同型車を撮影。以下当記事において※をつける写真は、全てこの同型車を撮影したもの。

最前部はこうなっています。進行方向最前部左側の通称「ヲタ席」は、この車にはありません。


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ここに座席がない鬼畜な仕様

足場のようなものはあるようですから、その気になれば座席を設置することは可能ではないかと思いますが…。段差が大きすぎるのでやめたのでしょうか。

そしてこの車の最大の特徴は、後部の「向かい合わせ座席」です。


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バスのボックス席とは特異(※)

そしてノンステ部の1人がけ座席。折りたためるようになっていますが、座席のモケットはみんくるではなく、銀杏柄となっています。


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みんくるではない

写真を御覧いただいてお分かりのとおり、座席数が極めて少なくなっているんですね。数えてみたらなんと20席! しかもデッドスペースが多く、時に混雑する「東98」では辛そうでした。

そして18時10分、東京駅丸ノ内南口に到着!
以下に、東京中央郵便局の建物、復原なった東京駅のドーム屋根とのコラボ写真をアップします。あえてノーキャプションで。


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このときは折り返しに余裕がなく、すぐに折返して行きました。管理人ももちろん乗車。


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帰りの幕

特徴的な中扉も撮影しておきましょう。


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ガラスが大きい

中から撮った写真はご覧のとおり。


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解放感はあるが、下は要らないような気も(※)

このあと、管理人はこの車に乗車し、後ろ向き座席に座りながら、等々力を目指しました。一般の路線バスで、進行方向と逆向きに座るというのは、なかなかに違和感があります。このとき管理人は携帯電話の画面を見ていたため、危うく車酔いしそうになってしまいました(滝汗

19時過ぎに等々力に到着。Y-E404は、「回送車」の幕を出して走り去ってゆきました。

思ったこと。
この車は初期型で試作的要素が強いため、運用上も使いにくいのではないかと思います。この車は平成10(1998)年度の導入ですから、既に14年を経過しており、いつ退役してもおかしくないと思われます。そういう貴重な車両に、1日付き合えたことは、管理人にとっても大きな僥倖でした。
鉄道だけではなく、バスの世界でも車種の単純化が進んでいますが、この車は現在のバスの進化の一過程を記したマイルストーンとして、歴史に残る車両だと思います。
1日も長く走り続けてほしいものですが、ノンステも規格化されましたから、難しいでしょうね。せめて、最後まで無事故で。

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