都内女子校解雇裁判その後
昨年12月に、東京都内の女子進学校を解雇された教諭が起こした裁判に関して記事 を書きました。
この時点では、証人尋問で「どなたでも参加可」との事で、私も2学期末の時期ゆえ行く予定でしたが、本ブログでも宣伝しておきながら、授業期間延期(インフルエンザによる学級閉鎖の影響)のため、ちょうどこの時期が期末試験となり試験作成に追われ、行く事が出来ませんでした。
「都内女子校の解雇裁判 」(2009年12月6日)
その後は、2/16が結審。昨年度は高3のみの授業担当だったゆえ、この時期は授業もないゆえ行くつもりが、同月上旬の前任校突然解雇 により就職活動を行わねばならない羽目となってしまい、また行かれず。。
そして判決が3/24。この日は本来、中国仕入れツアーから帰国する日で、裁判所は間に合わないはずでしたが、体調不良からそのツアーをキャンセルせざるを得ない状況になった ために空いており(面接などの予定も入らなかった)、行って参りました。
東京地方裁判所も初めてゆえ(数年にわたる神奈川勤務から都内での方向感覚が鈍っている)、迷ったりしながら到着したのは、開始から15~20分遅れてでした。(おまけに、雨も降り寒い日だった)
裁判所に入る際には、まるで空港での持ち物検査と同じような形で調べられたのは驚きでしたが、事件を扱う場所なだけに、セキュリティには細心の注意を払っているのでしょう。
この時には既に、法廷での判決は終わったようで、その隣の控室にて原告教諭の弁護士と思われる方が、裁判の流れや判決に関する説明を行っているところでした。
原告を応援する傍聴者の方々も結構来ており、その部屋からはみ出ての立ち見状態でした。
そして、その中に、教職関係のネットで知り合った風来坊さん もいらしていました。
自分は途中からの拝聴でしたが、その範囲で聞いた内容は簡単にまとめれば以下の通り。すべての話を聞けなかったのに加え、日数が経ち記憶も少々薄れてしまっているため、足りない部分がありましたらお許し下さい。
うつ病の原因が職場環境や過重労働であるという訴えは退けられたものの、休職期間設定の手違いや、復職・退職に至るまでのプログラムに不備があった点が認められ、原告勝利でした
100%の納得ではないものの先生の訴えが何とか受け入れられた事に、傍聴者達も喜び合いました。
今後の予定等の説明が行われた後、原告教諭とその弁護士団が被告の学園に結果報告に向かわれるとの事でした。
解散の際には、当日の傍聴者の記名を行いました。ペンが足りず隣にいらした女性に自分のをお貸ししたのですが、帰り際にその方とお話していたら、何と、本ブログをお読み下さっているとの事
原告の先生にご挨拶をした後、この方と風来坊さんの3人でお茶をしながら話に花が咲きました。(霞が関近辺に飲食店はなく、地下鉄で1駅乗った所の喫茶店に入りましたが、東京音痴になっている自分は、すっかり風来坊さんにお任せしてしまいました。
)
被告である学校の卒業生で、現在は公立学校にて理科の支援員(つまり実験助手)を行いながら、教師を目指しておられるとの事。年齢も私より1学年上(誕生日でいえば1ヶ月少々)と年齢も近く、意気投合した感じです。
高校卒業後は、進学や就職で様々な体験をし、現場でのやりがいや教職への熱意を、熱弁ふるって語られました。奮闘にも関わらず理不尽な待遇を受けてきて疲れ切っている私達が、逆にパワーをもらった感じです(^^;
こうしたご縁を下さった原告の先生に感謝致します。
夜まで話し込み、この女性は家庭をお持ちのためお帰りになりましたが、風来坊さんと私は更に、某所にて終電まで飲んでおりました(^o^;)
裁判の話から逸れて申し訳ありませんでしたが、実は数日前に原告教諭から、学園に控訴された旨のご報告を頂きました。(この先生は、裁判支援者の人々に随時、経過報告やお礼等のメールを一斉送信で下さいます。)
更なる裁判生活が続き、当事者の先生も時間的・肉体的・精神的・金銭的にも更に費やされる事を考えると、なんとも心苦しいですが、これまで私も、この先生のmixiやメールを拝読している限り、申し訳ないですが予想はしておりました。
前回も申し上げた 通り、原告の先生は教育に関して進歩的なお考えの持ち主で、きっと情熱を持ってお勤めされていらしゃったのだと思います。
判決でご一緒した上記の女性も、「この先生に教わりたかった」と仰せでした(彼女の在学中に新任で着任され、授業で関わる機会が無かったとの事)。
mixiの日記にも多くのコメントが書き込まれていますし、これまで傍聴された方々の話でも、原告側に多くの支援者が駆けつけるとの事で、先生のお人柄が伺えます。
私自身も、前任校雇い止めから就活に苦戦している際に、こちらをご覧になって励ましのメールを複数回頂きました。ご自身の事で大変なのに、私みたいなのにもお気遣い下さいます。
なお、この裁判の経過や判決の詳細に関しては、風来坊さん が丁寧にまとめられています。特に、3/23のエントリー に関してのご意見には、私も全面的に賛同しております。
「風来坊による非正規教員としての流浪の旅 」より
都内私立女子校の教員解雇裁判について (3月23日)
24日に出された解雇裁判の東京地裁判決について (3月24日)
確かに、我々非正規の非常勤講師に比べれば、休職や雇用継続などの面においても専任は恵まれていると感じますが、声を上げて下さった事で、新聞等を通じて「教員の雇用問題」や「教員の労働環境の現状」をより多くの人が知るきっかけになったと思います。
そして、そうした過酷な環境により「うつ病」になる教員も多い。これに関しては、私も機会を設けて述べたいと思いますが、一般の人々によるこの病気への理解がほとんどないと感じています。
この先生は現在はうつ病から回復されていますが、当該学園の掲示板でも悲しいことに、うつ罹患経験の先生への配慮ない書き込みも複数見られました。
これを契機に、正規・非正規を問わず教員の置かれている立場を理解して下さる方々が増えれば、当裁判の意義は大きいのではと考えます。
裁判は今後どれだけ続くのかは分かりませんが、自分も陰ながらこの先生を応援していくつもりです。両者の関係が悪化し過ぎないうちに、一日も早く良い形で終わる事を願っています。