期末試験、一応終了―勤務校の学期末処理について
先月から講師を務める学校の2学期末試験がだいたい終わりました。この学校は、12月から3学期が開始するため、今月が学期末でテストは先週から始まっていたのです。
これまで複数の私学での勤務経験から、問題作成・印刷・監督・採点・成績処理などの一連の仕事の状況は、学校によって違いがあり、いずれ少しずつお話したいと思っていましたが、本ブログでも以前に何度か紹介したブログ「私立高校偏差値ガイド
」に少し前、「定期考査で分かる学校の質
」という記事が書かれ、興味深く拝読しました。以下に一部を掲載します。
その中でも、試験の問題用紙や解答用紙に関して、
・問題用紙や解答用紙は自分で印刷する
・問題用紙と解答用紙を折って冊子にする
とか色々ありますが、私の経験から言うと、上記の2つにあてはまる学校は教員の仕事をやたらと増やし効率の悪いことしかやらない学校と思います。(中略)こういう部分は担当者をしっかりと決めて仕事を分担するほうが確実なのです。
また、冊子にするなんて本当にバカげています。これをやるかやらないかだけでどれだけ労力や時間が削減されるでしょう。これをやったからってメリットはあまりありません。ちゃんと試験監督者が早めに教室へ行って1枚1枚ちゃんと配ればいいだけです。また、自動仕分け器や自動折器なんてのもありますが、それを使うのも面倒です。
働きやすい学校は、どこも、印刷する専門の方を雇っています。経費をケチってそのような人を雇わない学校よりもどこか余裕のようなものがあり、雰囲気も良い場合が多いです。
えーー、試験問題を教師自身が印刷する学校って効率悪いんですか??実は、昨年までの勤務校は、すべて上記に該当(自分で印刷)しますよ~(苦笑)確かに、これらの中には、要領など悪い学校は存在します。
冊子にする学校も2校経験し、専任として勤めた少人数制の某女子校はともかく、昨年は5クラス約220人分を印刷→折り機で折って1セットにするとなると、結構大変で2時間くらい費やしましたね。
(実は、4年前に急病代講をした高校もこのスタイルだったのですが、同じ学年の他クラスを担当していた講師の先生が「私やります」と皆やって下さり、後になって思えば、彼女と私担当の計10クラス分―私の前任校の倍―を冊子にするという作業がいかに大変かと気付き、申し訳なくなりました。)
ただ、試験監督者となった場合、プリント配布が得意でない自分としては、冊子になっていないとパニック状態になりそうなのも本音でして・・・この記事に対し、やはり相互リンクさせて頂いている別のネット知人の方も以下のようにコメント されており、双方のお気持ちが分かります。
ただ、印刷って教師自身でしないところがあるんですか?むしろ印刷事務みたいな人がいるとすれば(自分はそんなのほとんど見たことないけど)、それはあまり自分は不要だと思うのですが…。そんな人に給料払うなら、教師にもっと金を出してくれって言いたくなります。確かに無意味に責任持たされるのはいやですが、そのくらいの緊張感は持って仕事はしています。
冊子は各先生の判断でいいと思いますが、さすがに文系科目(英・国・社など)で、問題用紙が5枚6枚の時は試験監督として配る方にとってはきついです。生徒に何枚目が何枚足りないとかいわれるとパニックです。それは自主的に冊子にしてほしいと思っています。
私も「教師以外の人が試験の印刷をする学校なんてあるのか」と疑問に思ったものの、新任校で勤務開始してみて「もしかして、ここはそうかもしれない」と感じたところ、その通りだったのですが・・・
勤務開始時のエントリー では、この学校は「組織がしっかりしていて働き易い 」と書きました。
確かにシステムはしっかりしており、実験補助やプリント類を印刷して下さる「事務員」の方が科目ごとにいらっしゃるなどのサポートぶりに、最初は良い意味で驚きました。
しかし、システム化している学校は別の点で大変な面も多いという事に気付いたのです。逆に、これだけ仕事があるなら、事務員さんがいないとやりきれないなと。
今回の勤務校は他校と比べて、試験に関しては特殊と感じています。大学付属高校ゆえ、学校の定期試験がそのまま大学内部進学の成績に直結するため、その扱いが他校と比べてかなり厳重です。
試験問題は、高3選択は各担当で作りますが(今回は産休の先生が全部作って下さった)、高2(以下の)必修科目の場合、同科目の教員で分担して大問を作り、主任がまとめて1つの試験とする。一通り完成すると、皆で解いてみて、間違いや分かりにくい部分などチェックをしては訂正、というのを何度も繰り返します(確かに、今までの経験上、自分だけで見直ししていると、ミスに気付かないものです)。
それで完成となると、学務だか教務に提出。そこの方々が印刷して下さり、印刷終了後に再び同所に出向いて最終確認をする、という形です。この提出時点で、試験終了までは担当教員さえ簡単に問題・解答も見られなくなります。
生徒が落ちこぼれないようフォローもマメに行い、小テストや問題集ノートも提出義務など、中学校のように色々細かいんです。高校生しかも2年生以上なら、ある程度の自主性に任せるべきと考えているので。
実験レポートなどの提出物も頻繁にあり(これらも試験として採点)、欠席者達は昼休みや放課後に呼び出して行わせねばなりません。
試験前には質問に来る生徒も他校より多く(この傾向自体は良いと思うのですが)、上述のような時間外の任務がたくさんあり、1日に1~3コマしか入っていない講師の私達も、試験前1週間はほぼ一日拘束、特に学期最後の授業日は、朝から5時くらいまで食事どころか休む間もなく動き回っていました。
試験日程が講師の出勤日は全く考慮していないというのは他校でもありますが、学年共通授業の試験後に高3選択テストがあり、どちらも出勤日でない曜日。
採点は、選択は自分でしますが、高2必修授業に関しては、当日に答案が上がってきたら、採点基準の打ち合わせ後、同科目の各教員がそれぞれ割り当てられた大問ごとの採点を全クラス分(今年は12クラス)行います。これ関して、もう一人の産休代講の先生は「専任ならともかく、これを講師でされると負担だ」と言っていました。(合点と成績入力は担当クラスをやります。)
この期間に科目会にて(私の勤務曜日でない)、返却に関する説明や3学期の打ち合わせが行われました。
試験に欠席者がいると、追試は別問題を作らねばならず、本試験と同様に科目教員皆が何度も解いてチェック。この日程も勝手に決められ、しかもたった一人の追試者が、よりによって私の担当クラスの生徒だったので、昨日はこの生徒の採点のためだけに出勤。
ようやく両方の採点(レポートも含む)は終わり、来週が返却となるわけですが・・・
月曜が高2必修の・火曜が高3選択の返却日とバラバラ、木曜は「伝票チェック」という成績や欠課の最終確認が必須、そして3学期も始まるので、金土は授業と、普段は週3の勤務ながら(これさえコマが飛び飛びで、1時間のためだけに出勤があったりと不満
なのに)何と週5の出勤を強制されましたよ(授業曜日の関係上、同科目講師の中で私が一番日にちが多い!)
「さすがにこれはキツイ」と科目主任に言ったら「生徒の成績の事ですから、出勤日でなくてもやってもらわないと」という返事で、内心「講師の事をもっと考慮してくれ!」と結構キレ気味です。
過去にも大学付属高で講師経験がありますが、ここまで厳密ではありでしたし(これは各学校の方針があるのでしょうが)、講師の勤務曜日以外に仕事をさせるような事は決してしませんでした。
これだったら学期末の件では、講師の勤務日を無視して試験監督を専任以上に入れる過去の某勤務校はじめ、試験を教員自身が印刷する学校の方がマシとさえ思えてしまうのです。全く、残業手当を貰いたいくらいだ!
もちろん、教師はある程度の時間外任務も覚悟せねばならないし、自分も今まで生徒のためにそうした業務も行ってきました。ただ、講師である以上、その学校のみに時間を費やす事は出来ず、自分の生活や人生かかっているのだから・・・せめて最終チェックなどは、講師の勤務曜日等を配慮してもっと日数に余裕を設けて欲しいものです。
以上、長々と現任校に関する愚痴を申し訳ありませんでしたが、やはり給与や時間外の拘束が激し過ぎると、仕事の傍ら自身の進路活動もせねばならない身としては非常に辛いというのを、学校側にはお分かり頂きたいのです。
もちろん、この学校が今までの勤務経験校の中で最も優れた点も多いです。ただ、別の部分で他校よりきつい所もあり、大変さはどこも同じなのかもしれません。
なお今回、私は試験監督なしでしたが、上述のもう一人の代講講師は頼まれたそうで、普段の勤務時間を過ぎての監督に関しては断ったそうです(^^;(この先生は、他に2校掛け持ちしている都合から、伝票チェックなども逃れられ・・・)そのくらいハッキリ言う事も必要なのでしょうね。
他の勤務経験校に関しては、また別の機会に書きたいと思います。