時津風部屋17歳力士暴行致死事件に怒る | 非常勤講師はつらいよ―私学非正規教員の本音と生活向上作戦

時津風部屋17歳力士暴行致死事件に怒る

 時津風部屋17歳新弟子死亡事件 に関し、次々に明るみになってきている。事件発生直後の6月にも、一部では暴行の疑いをほのめかす記事があった ものの、それを煽りとして片付けられてしまった感があった。3ヶ月後の今になって突然とはいえ、うやむやになってしまいかねなかったところを警察にしてはよく動いたと思っている。

テレビや新聞のニュースでもそうですが、ネット上でも多くの衝撃や怒りの声が溢れている。自分も、そうした大部分の人々に同意だ。

もちろん、相撲界では厳しい稽古、時には「かわいがり」と呼ばれる「しごき」を受け、それを乗り越えて強くなっていく事も承知しているつもりだ。しかし今回は、そうした「指導」を超えており、以下の事実から犯罪である。


①亡くなる前夜、親方自らビール瓶で被害者の頭・顔を殴る
②その後、兄弟子達が被害者を金属バット等を用いて暴行。
③翌日(当日)のけいこでは、本来は5分、長くても10分しか行われないという激しい
  「ぶつかり稽古」を、30分にわたってさせ、倒れても暴行を加えた(親方の指示)。
④被害者が起き上がれなくなって1~2時間も道路に放置
⑤親方は被害者の実家に、遺体を自分達で火葬すると持ちかけた(証拠隠滅を図る)。
⑥事件発生後、親方は「通常の稽古による」「暴力はいっさい無い」などと嘘の証言


全く、入門したての少年に対し、親方が先頭に立って行き過ぎた暴行を指示・実行していたとは、酷すぎる話である!しかも、それを隠蔽しようとしたとは!!!!メラメラ

親方による知らせの電話は「死にました」って・・・あまりにも人の死を軽く見すぎではないですか??謝罪の言葉もなかったのか!?部屋での火葬を拒否したご遺族によって引き取られた遺体は、見るも無残なほどに変わり果てていたという。
もしかして、被害者にも非はあった部分はあるかもしれない。「やんちゃ」ゆえ「精神修行も兼ねて」との事だったようですから、手のかかる少年だったとも考えられる。しかし、だからと言って、死に至らしめるようなリンチは許されない。テレビでのお父様の会見や、生前の被害者の写真まして制服姿の遺影を見ていたら、学校に通っていれば高校生であるはずの若者がこんな死に方をしたと考えると、泣けてくる思いです。


それにしても、この時津風、記者達からコメントを求められた時「周りの迷惑だ!」とか言って逆切れしていましたよね?ちっとも反省の気持ちがない。
理事会でも「お騒がせして申し訳ありませんでした」と言ったそうだが、まず詫びねばいけない相手が違うだろ?この場に及んでも、亡くなった弟子への哀悼やご遺族への謝罪の言葉もないのか?こんな奴に若手を指導する資格はないし、「親方」などと呼びたくもないですね!パンチ!「温厚な性格」などと言われていたようですが、人にも組織にも表と裏の顔がある場合は多い。あの顔を見て、悪いけれど強欲そうと感じてしまうのですが(苦笑)後の証言から、酒癖が悪い事も分かりました。
実際に手を加えた弟子達を含む殺人者どもには、然るべき厳罰を願いますが、この部屋には誰も彼を救おうとしなかったのだろうか?「当日、十両以上の関取は不在」とはいえ、前日を含む他の時にも暴行が行われたのならば、誰か気付くはずと思うが「見て見ぬふり」だったのではなかろうか?


あと、相撲協会も相変わらず対応が鈍いですね。さすがに文科省からもお達しがあって動き始めたようですが、本来ならば、協会の最高責任者である北の湖理事長からも謝罪の言葉を述べると共に、事実究明・関係者の処分・今後の対策・責任を取って辞任とかすべきでしょう?人の命の重みに関する意識が薄すぎます。


生徒が自殺した学校といい、子供や若者を指導すべき大人達が、率先して「いじめ」に加担し被害者を死に追いやりながら、反省の気持ちすらなく隠そうとさえする・・・閉鎖社会だと感じずにはいられません。学校も相撲界も本当にそっくりです。



17歳力士急死 「逃げろと言えば…」父無念

 「開いた口がふさがらない」「親のエゴで無理をさせた」。大相撲の時津風部屋の序ノ口力士、時太山(ときたいざん)=当時(17)、本名・斉藤俊(たかし)さん=が6月、けいこ後に急死した問題で、俊さんの父、正人さん(50)は27日、東京都内で記者会見を開き、遺体を親方が火葬にしようとしたことや、遺品の携帯電話が真っ二つに割れていたことを明かした。また、時津風親方への不信感をにじませる一方、息子を励まし続けた後悔の念を涙ながらに吐露した。

 ■ウソ

 「急性心不全だった。あとはすべて任せてくれ」。親方から正人さんの自宅に電話があったのは、俊さんが亡くなった26日午後2時すぎ。親戚(しんせき)が「任せてくれ」の真意をたずねると、「火葬する」との答えが返ってきた。

 正人さんは遺体を肉親から遠ざけようとする意図を感じ、「それは困る」と返答。「すぐに迎えに行く」と伝えたが、深夜になって業者が遺体を搬送してきた。

 「なんで?」。遺体を見た瞬間、正人さんは絶句した。右額に張られたガーゼの下には数センチの傷。たばこを押しつけられたようなやけどの跡や打撲の跡もあった。

 翌日、新潟県新発田市の自宅に来た親方はけがについて「通常のけいこだ」と説明。納得がいかない遺族は、28日に遺体を行政解剖に出した。

 ところが、この説明はウソだった。8月に時津風部屋で暴行があったと週刊誌が報道した翌日、自宅に焼香に来た親方は初めて、「私がビール瓶で顔を殴りました」と打ち明けた。

 「親方は若い人のしつけを止めたのだと思っていた。親方が殴ったと聞いて、開いた口がふさがらなかった」。こう話す正人さんの表情はひきつっていた。

 お盆前になって帰ってきた俊さんの遺品。その中には真っ二つに折れた携帯電話もあった。

 ■後悔

 俊さんは地元の高校を2年で中退し、今年4月に時津風部屋に入門。5月の夏場所で初土俵を踏んだばかりだった。

 俊さんに変化があったのは6月に入ってから。「上下関係が厳しい」と漏らすようになり、16日と亡くなる前日の25日に部屋を抜け出した。

 「僕、いい子になるから迎えに来て」。部屋を抜け出した25日に俊さんからかかってきた電話の言葉が、いまも正人さんの胸に突き刺さる。

 「帰りたい、やめたいと言っていたのに、一場所でいいからやってこいと言ってしまった。親のエゴで無理をさせてしまい、悔しい」。正人さんはハンカチで涙をぬぐった。

 ■やんちゃ

 俊さんは「ごく普通の高校生。ちょっとやんちゃな面もあった」(正人さん)という。格闘技が好きで、体も大きかったことから、正人さんの勧めで相撲界に入った。

 入門前、親方は「けいこはきついが、一生懸命やれば(番付が)上がる。自分の努力次第だ」と正人さんに語った。「信頼できる人だと思った。だから(息子に)もうちょっと頑張ってみろと伝えた。逃げろと言っていれば…」

 6月19日夜、部屋から逃げてきた俊さんを送り届ける前に、一緒に食事をした。「私が作った唐揚げを『うまい』と2個食べた」。息子の最後の姿を思いだして涙ぐんだ正人さんは「うちの息子だけでたくさん。暴行があったならあったと言ってほしい」と訴えた。
(2007/09/28 00:19)



【大相撲】17歳力士死亡事件、立件なら時津風親方廃業へ

 大相撲の時津風部屋の序ノ口力士、時太山(ときたいざん)=当時(17)、本名・斉藤俊さん=が6月に愛知県犬山市で急死した問題で、師匠の時津風親方(57)=元小結双津竜=が27日、日本相撲協会の理事会で謝罪した。自身の去就については明言を避けたが、協会幹部は「立件された場合には進退問題になる」とし、退職または解雇が避けられない状況となった。


 渦中の時津風親方が両国国技館に突然現れた。午後1時すぎ、北の湖理事長(元横綱)、武蔵川事業部長(元横綱三重ノ海)、伊勢ノ海生活指導部長(元関脇藤ノ川)らが待つ協会役員室へ。1時23分には、定例理事会の冒頭で「お騒がせして申し訳ありません」と謝罪した。3時すぎには部屋持ちの親方が集まる師匠会にも出席。お詫び行脚をした親方は「みなさんにご迷惑をおかけしましたから」と話した。

 愛知県警は、斉藤さんが急死した際に、兄弟子らから制裁目的の暴行があったとみている。遺族によると、斉藤さんが死亡した際、時津風部屋が無断で火葬する準備をしていたといい、遺族は暴行行為の痕跡を隠ぺいしようとした可能性を指摘している。調べでは、時津風親方がビール瓶で殴り、兄弟子らに「かわいがってやれ」などと指示したという。県警は、親方や兄弟子を傷害致死や傷害容疑などで立件する方針を固めている。

 時津風親方は、斉藤さんへの暴行を認めているとされ、辞職願を提出するのではとの憶測も飛んだが、この日は相撲協会への謝罪にとどまった。しかし、協会内では厳罰ムードが漂う。北の湖理事長は「捜査結果が出たら、きちんとしたい」と立件された場合の厳罰を示唆。ある幹部は「立件されたら進退問題になる」と廃業が避けられないとの見通しを語った。

 斉藤さんの遺族はこの日午後2時すぎから、都内で記者会見した。遺族に対して時津風親方は「なんとも言いようがありません」とコメントした。“相撲の神様”双葉山が興した名門部屋で起きた不祥事に対し、理事会は捜査の進展を見て処分を決めることを確認。巡業をさぼってサッカーをして2場所出場停止となった横綱朝青龍とは比較にならない厳罰が、双葉山道場の継承者に下される可能性が高まった。


■時津風部屋

 不滅の69連勝を記録した戦前の大横綱、双葉山が現役中に「双葉山道場」として創設。昭和20年の引退後に「時津風部屋」となり、横綱鏡里のほか大内山、北葉山、豊山の3大関を輩出した。時津風親方は日本相撲協会の理事長も務めた。44年に豊山が部屋を継承し、平成10年に協会の理事長に就任。14年に現在の時津風親方が師匠となった。秋場所の番付では幕内時天空、豊ノ島、時津海、十両の霜鳳ら15人の力士が所属している。

★どうなる時津風部屋

 平成14年に元大関豊山の時津風前理事長の定年退職により、現親方が引き継いだ。部屋付きには錦島(元幕内蔵玉錦)、枝川(元幕内蒼樹山)両親方がいる。現親方が辞職の場合、いずれかが継承するのが自然だが、分家独立した湊(元小結豊山)、荒汐(元小結大豊)、式秀(元小結大潮)ら、一門の親方が合併の形で引き継ぐ可能性もある。

■この日の時津風親方

 ▼午後1時 スーツ姿で両国の時津風部屋を出る
 ▼同10分 両国国技館に到着。そのまま北の湖理事長らが待つ役員室へ
 ▼同23分 役員室を出て、理事会が開かれる第2会議室に入る
 ▼同25分 冒頭で謝罪し、会議室を出る
 ▼同30分 再び、一人で役員室に戻り待機
 ▼2時 都内で時太山の父・正人さんが会見
 ▼同40分 役員室を出て、師匠会が開かれる大広間に入る。この際、カメラマンに向かって「みんなに迷惑かけるから来ないでくれ」
 ▼3時10分 理事会終了
 ▼同15分 師匠会開始
 ▼同45分 師匠会終了。車に乗り込む際に「みなさんにご迷惑をかけましたから」などとコメントし、国技館をあとにした

◆板倉宏・日本大学法科大学院教授(刑法)

 「無断で火葬しようとしていたとすると、悪く考えれば証拠を隠そうとしていたことになる。他人の刑事事件で証拠を隠すと証拠隠滅罪になるが、自身の刑事事件では証拠隠滅罪にはならない。しかし情状が悪く、量刑に相当跳ね返ってくる。傷害致死罪は懲役20年以下だが、相場は主犯格で懲役5年ぐらい。隠ぺい工作をしていたことになると、それが7年ぐらいになる可能性がある」

★指導検討委発足

 相撲協会は今回の一件を受け、理事長の発案で「力士指導に関する検討委員会(仮称)」を27日付で発足。委員会は伊勢ノ海生活指導部長(元関脇藤ノ川)、高砂指導普及部長(元大関朝潮)、友綱教習所長(元関脇魁輝)の3理事と、5つある一門の代表者の計8人で構成され、来週早々に3理事が話し合い、方向性を決めるという。伊勢ノ海部長は「53の各部屋で、生活面も含めてどういう指導をしているか把握する必要がある。その上で方針が間違っていれば、正すように指導したり、困ったときにはアドバイスしたりできると思う」と見通しを説明した。

★愛知県警、傷害致死や傷害容疑の適用を検討

 斉藤さんが、愛知県犬山市でけいこ後に急死した問題で、県警捜査一課と犬山署は、制裁目的の暴行があったとして、時津風親方と部屋の兄弟子ら数人を立件する方針を固めている。死因を詳しく特定するため遺体の組織片の鑑定が進められており、その結果とそれぞれの暴行の関与によって、傷害致死や傷害容疑の適用を検討している。

 県警に対し、時津風親方は「ビール瓶で額を殴った」と、兄弟子の1人は「金属バットで殴った」などと、それぞれ暴行の事実を認めている。

 調べでは、兄弟子らは6月26日午前11時ごろ、けいこ場で斉藤さんに暴行を加え、同日午後2時10分ごろ、搬送先の病院で死亡させた疑いが持たれている。県警は斉藤さんが多発外傷性ショックで死亡したとみて、時津風親方や部屋の全力士から事情を聴いていた。



【大相撲】相撲協会、時津風親方を聴取へ…立件待たずに処分

 日本相撲協会の北の湖理事長(54)=元横綱=は28日、時津風部屋の序ノ口力士、時太山(ときたいざん)=当時(17)、本名・斉藤俊さん=が6月に愛知県犬山市でのけいこ後に死亡した問題で、暴行を認めているとされる時津風親方(57)=元小結双津竜=から、早ければ週明けの10月1日にも事情聴取することを明らかにした。暴行への関与が確認された場合、警察の立件を待たずに廃業も含めた厳しい処分を下す意向を示した。


 事態は監督官庁をも動かした。渡海紀三朗文部科学相がこの日、閣議後の会見で、「公益法人の事業として力士の指導監督、養成において(どのようなことが行われているのか)状況を見極める必要がある」と協会を言及した。

 さらに、横綱朝青龍が夏巡業に休場届を提出しながら、モンゴルでサッカーに興じていたことが発覚し、2場所出場停止などの処分を受け、問題が相次ぐ協会に「体質も古く、しっかりしてくれよという印象だ。再発防止策を講じてほしい」と苦言を呈した。

 同相はこの後、協会に対し報告を要請。これを受けた北の湖理事長らが同日、文科省を訪れ、松浪健四郎文部科学副大臣らと文科省内で会い、真相究明と関係者の処分、再発防止策の検討など5項目を渡海文科相の指示として伝えた。同理事長の発案で27日付で発足させた、「力士指導に関する検討委員会(仮称)」に有識者等外部の者を加えることも求めた。

 文科省によると、今回のように、所管法人に対する具体的な指導は極めて異例という。

 これを受けた北の湖理事長も方向転換を余儀なくされた。「きちんと事実を把握したときには、協会独自で処分する考えがある。そのときは理事会で決議する」とし、捜査結果を待ってから、などとした前日までの方針を撤回。指導に全面的に従うことを表明した。時太山の師匠、時津風親方から10月1日にも事情聴取し、暴行への関与が確認された場合は、警察の立件を待たずに処分を科す意向を示した。

 すでに同親方は愛知県警の調べに対し、「ビール瓶で殴った」と、兄弟子の1人も金属バットで殴ったなどと、それぞれ暴行の事実を認めているとされる。時津風親方の進退問題となる廃業を含む厳罰が、早急に下される可能性も出てきた。


■経緯

 ▼6月16日 時太山が時津風部屋を脱走し、千葉県内の親せき宅に宿泊
 ▼19日 父親が運転する車で、時津風部屋へ戻る
 ▼25日 部屋から逃げ出そうとした時太山を兄弟子らが連れ戻す。6月だけで3度目の脱走に激怒した時津風親方が、夕食時にビール瓶を投げつける。「かわいがってやれ」と同親方に言われ、夜に兄弟子数人が暴行
 ▼26日 ぶつかりげいこ中に土俵上で倒れる。その後1時間放置。兄弟子が呼吸が荒いのに気づき、午後に救急に通報するも搬送先の病院で死亡。遺族に「通常のけいこで死亡した」と報告し、火葬を申し出る
 ▼28日 時津風親方が会見し「彼にやらせたのは普通のけいこで、制裁ではない」と説明
 ▼8月6日 時津風親方が、時太山の実家を訪れ、遺族に「私が(ビール瓶で)殴った」と暴行があった事実を告白
 ▼9月25日 調査していた愛知県警が、刑事事件として立件する方針を固めた
 ▼27日 時太山の父・正人さんが会見し、「(遺体を)火葬すると言われたけど『それは困る』と断った」と明かし、暴行隠しの疑いも