漆黒の舞踏会 / Jin-Machine | 安眠妨害水族館

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漆黒の舞踏会/Jin-Machine


1.漆黒の舞踏会
2.ベニーランドへ行こうよ

Jin-Machineのミサ会場限定CD。
再録曲2曲を収録したシングルとなっています。

既に廃盤となっている音源から、「漆黒の舞踏会」と「ベニーランドへ行こうよ」をピックアップ。
ファン層が拡大し、初期の作品はかなりのレアアイテムになっていることを受けての再録なのだろうけれど、ライブの定番曲を改めて音源化・・・というわけでもなく、選曲の基準はよくわかりません。
特に表題曲は、リリース直後のミサでもほとんど演奏されていないしなぁ。

漆黒の舞踏会」は、同名のシングルから。
イントロから、録音環境や演奏技術のレベルアップが見て取れる。
低音がガツンと効いていて、耽美的なシンセとのコントラストが映えますな。

楽曲としては、"永遠の独身貴族"という、一応の貴族設定から膨らませたと思われるクラシカルな耽美ロック。
言ってしまえば、MALICE MIZERを意識して制作したような楽曲構成となっています。
MC.featuring 16閣下の歌い方やコーラスも、楽曲に合わせてカスタマイズされたよう。
彼らのナンバーとしては、かなり浮いているのは間違いないのですが、ネタのレパートリーとしては必須だったのだと思うし、案外、嫌いじゃないのが悔しいところ。

カップリングの「ベニーランドへ行こうよ」は、破壊.あっつtheデストロイさんのデスヴォイスを前面に押し出したハードチューン。
バスドラがドコドコと迫る中、荒々しく展開されます。
メインボーカルがメロディを歌うのはサビのみ、という割り切りしていますが、ツインボーカルバンドとしては、こういう楽曲があっても良いでしょう。
タイトルは、BLANKEY JET CITYの「ディズニーランドへ」をイメージしていたりするのだろうか。

ネタ要素としては、かなりニッチ。
そもそも取り上げている遊園地が、地元民しか行かないようなマイナーテーマパークであり、全国区の知名度となった今の彼らのファンには、必ずしもピンと来る内容ではないはず。
ただし、仙台出身の人間としては、ここをテーマに選びたくなる気持ちはよくわかるので、フォローしておきたい。
曲中に挿入されるCメロ部分は、八木山ベニーランドのCMソングそのまま。
地元トークの中でこれを歌えば、一気に親近感が増すこと請け合いな、何十年も続くローカルCMなのです。
地元の活動がメインだった頃からのファンにとっては、こういう楽曲の再録は嬉しいのかもしれませんね。

ネタがニッチで、ライブでもレア。
流通には乗せられないな、という意味では、会場限定は妥当とも言える。
新曲なしでの2曲入り1,500円は、やや高すぎる値段設定な気はしないでもないので、そこはもっと手に取りやすいように配慮して欲しかったとは感じますが、聴きたい人が聴ける環境を整備してくれること自体は、ありがたい話です。

<過去のJin-Machineに関するレビュー>
ばいばい
UNCERTAIN 【DE】CISION
ビジュアル戦隊バンド麺~BOX SET~
クリスマスおわっちゃった
さよならアキラメロン
かってくれェ~
-MEMBER-