UNCERTAIN 【DE】CISION / Jin-Machine | 安眠妨害水族館

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UNCERTAIN 【DE】CISION -豪華盤- (ALBUM+DVD)/Jin-Machine
¥3,675
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1. suffer
2. お野菜天国
3. Friends
4. ヘルズキッチン
5.MEMBER
UNCERTAIN 【DE】CISION -安いヤツ-/Jin-Machine
¥1,050
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1. suffer
2. お野菜天国
3. コンピューターウィルスの恐怖
4. ヘルズキッチン
5. MEMBER

最近、大きめのイベントにも出演するようになってきたJin-Machine。
MVやらライブ映像やら、盛りだくさんのDVDが付いた-豪華盤-と、ダウンロードで購入するよりも安いという-安いヤツ-の2種類の同時発売です。

とにかく驚かされたのが、リードトラックである「suffer」。
ネタ色の強い楽曲を得意とする彼らにとっては、かなり珍しい正当派のV系チューン。
同じようなコンセプトの楽曲としては、「救声」などがありましたが、あちらが、ストレートなメロディアスナンバーであるのに対して、この「suffer」は、展開を増やして、マニアックさ、複雑さも求めているといったところ。
ツインボーカルの役割分担も効いているし、ノリが良いメロディから、急にツタツタ耽美になるサビなどは、素直に格好良い。
Jin-Machineの癖に・・・と、なんだか悔しくなったリスナーも多かったのでは。

「お野菜天国」からは、いつもの彼らに戻るわけですが、その中でも、本作では、V系っぽい曲というのを念頭に置いている節はありますね。
ハードだと思ったら、いつの間にかポップなメロディに移行している「お野菜天国」、メタル風の演奏なのに、内容はfeaturing16閣下行きつけの地元のラーメン屋の歌という「ヘルズキッチン」など、ネタ色は歌詞で強めて、楽曲そのものは、ガツガツと攻めてくる。

-豪華盤-にのみ収録された「Friends」は、イントロから切なさ炸裂。
ネタ要素もあまりなく、漂ってくるのはソフビテイスト。
こういう楽曲は、意外性があって、かえって面白いかも。

-安いヤツ-には、Dr.ルーベラ・木村・カエレさん作曲の「コンピューターウィルスの恐怖」が収録されています。
デジデジしたサウンドが強調されていますが、曲と歌詞のバランス的には、もっともJin-Machineらしいというのは、この辺りだったり。

ラストを締めくくるのは、幻の1stアルバムに収録されていた「MEMBER」の再録バージョン。
メンバー全員が交代でボーカルを務め、楽曲のタイプもJ-POP的と、本作ではかなり異色な仕上がり。
暖かさ、優しさに溢れた1曲です。
この中に入れるなら、既存の楽曲にするにしても、もっと馴染む曲はあったんじゃないかなぁ、とは思いつつ、だからこそ、深いメッセージがあるのだろうな、とも勘繰りたくなる。
狙っているのであれば、あざといですな。

コンパクトにまとまっているため、全体的に聴きやすい。
最後の「MEMBER」こそ、系統は違いますが、普段の彼らから比べれば雑食感が薄く、それが、ドタバタしないで最後まですっと聴ける要因なのではないかと。
まとまりという意味では、演奏面にも言えることで、閣下のワンマンバンドではなくなってきた。
楽器陣の個性が、確実にサウンドに表れるようになってきています。

ここ2作、ミニアルバムのタイプによって1曲差し替え、という形態が続いているのが気がかり。
その差し替え曲が定番曲や、良曲だったりするから、泣いているファンも多いような。
安価盤の試みは、新規ファンを獲得するにあたり、とても面白い試み。
次は、そこで取り込んだファンを、しっかり囲い込むような配慮にも期待したいものです。

<過去のJin-Machineに関するレビュー>
ビジュアル戦隊バンド麺~BOX SET~
クリスマスおわっちゃった
さよならアキラメロン
かってくれェ~
-MEMBER-