「撮影、演出」という仕事に大切なこと VOL.3 | どっこい俺は生きている。

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ブラジル リオ・デ・ジャネイロの空

映像の監督として。
また、写真家として。

モデルさんや役者などの表現者たちと、同じ目線、対等な立場で仕事をする事が、良いものを創れるのではないか。

とは言っても、立場や役割りが違う。
彼らにとっては、僕はやはり発注者である事に変わりはない。

ならば、立場を超えて、お互いに尊敬心を持って、そしてお互いに成功を目指していけばいい。
そう考えるようになった。

監督にとってのカメラマン、助監督のように、絶大の信頼をおけるパートナーとして。

だから僕は、キャスティングには厳しい。
命を預けるつもりで、出演者を選ぶ。

そういう信頼関係が成り立つ表現者たちとの仕事は、極限の集中力を生む。
結果、最高の出来となるのである。

その信頼関係の奥底にあるものこそ、「人間力」ではないだろうか。

人間のダメなやつに、誰も信頼は置かない。
クリエイティブや表現の世界と言っても、ビシネスなのである。
ビシネスとは、人と人が関わるもの。
人間力の高い人は、どの業界であれ、高いポジションに就く。

「そうか。心のレンズを磨くとは、人間力を高める事なんだ」

師匠から教えて頂いた意味を、長い時間をかけてようやく理解し、実行した。

実行と言っても、大それたことではない。

いつも謙虚に。
感謝の気持ちを忘れない。
人との約束は、必ず守る。たとえ、自分の部下であっても。
人を裏切らない。当然、自分の誓いも裏切らない。

これだけである。

これだけでも、自分の創るものは大きく変わった。

いつしか、自分の作品は、
「酒井さんらしいね」
と言われるようになった。

僕らしさ、自分の人柄を作品に乗せれるようになったのかもしれない。


だから、今は、役者やモデルさんとのコミュニケーションなどに、あまり悩むことはない。
信頼関係さえあれば、何も問題はないのである。

僕は、役者には結構厳しい。
でもそれは、信頼関係の上にしっかりと成り立っていると思う。
逆に、意見を言われても、いっこうに構わない。
お互い、目指すところが同じであれば、そこに対立などは生まれないから。


そして、命の状態が良い方向にさえ向いていれば、必ず良いものを創れることが分かっている。


ご飯をちゃんと食べる。
良い睡眠をとる。
よく笑う。
どんなに忙しくても、いつも感動できる感性を保つ。

命の状態を、いつも良い方向にフォーカスすることが、僕にとってとても大切なことだ。



技術的にもあまり悩むこともなくなった。
技術の壁を突き破る源泉も人間力なのかもしれない。


「良い作品が撮れるかどうかは、心のレンズが磨かれてるかによる」

師匠に教えて頂いた最大の財産。
作品とは、自分の命が投影されたものにしか過ぎない。

だから僕は、もっと心のレンズを磨いていきたい。
慢心する事なく、さらに成長します!