このブログは、現代のバイオビジネスや末期がんをも治す抗がん剤、メディアにとり上げられて久しい環境問題などについて、私なりの意見・感想を述べてみたものである。これまで、以下のようなことについて載せてきた。ご興味の湧かれた方は、各項の日付を辿って読んでいただきたい。



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【学術雑誌で社会に貢献できるか】投資とリターンの視点から見た、学術雑誌の価値 ( '08/2/5~18)
【21世紀の研究者へ・・・】 君は研究者に向いてますか?~勉強頭脳と研究頭脳~('08/2/19~3/19)
【末期がんをも治す抗がん剤の探索】私はこの方法で抗癌剤をついに発見した!?
   (*研究開発進展につき、一時的に表示を停止いたします)

【ぐうたら能無し教授の脱線講義】(もう一度!)気軽に学べるバイオのアンチョコ種話集 ('08/5/7~09/5/8)
【ネオ・バイオ産業論】バイオにこだわらないでバイオを科学します(09/5/11~10/5/11)
【やぶにらみの進化論】環境問題、見方を替えてズバッと本質を見抜く!
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【末期がんを治す】 「医療」と「ビジネス」、その両方の観点から
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【記憶・意識の分子メカニズム】 生き物にとって“記憶”とは何か?  (111011~120417)

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2016-06-24 11:37:58

2016年ブログ30 私の思う独創性。「王様は裸だ」

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2016年ブログ30

私の思う独創性。「王様は裸だ」

 私の思う独創性とは?
 これは、かって一度このブログに書いたことがあるが繰り返そう、何度でも言いたい。
 普通の人には想像を絶するような難しいことを考え出すことではない。
 流行を追わず自分の世界を創り出して研究することである。
 それには、
(1) 高校までの生物の教科書を見て、素朴な疑問を感ずる点の追求。全ての学生が最初はそうだった。
    しかし、研究論文で、やれ何だ、これ何だ、などと話題になると早速そっち
   に流れていき、初心はすっかり忘れてしまう。
    古代ギリシャ以来の研究の原点にたち帰ること。
(2) その際は、人がバカにするようなことを積極的に取り入れる。
 「人がやらないことをやる」と言うのは、実際には全ての学者が試みることで、一番ありふれたことをやっていることに近くなる。
 馬鹿げた話である。
 逆にバカにするようなことは皆やらない。
(3) その際は、人が嫌がってやらないようなことを積極的に取り入れる。
 嫌がることとは、例えば、面倒だとか汚いとか恥ずかしいとか格好悪いとか、で、上と同様に誰もやりたがらない。
 独創的なゆえんになる。
(4) 企画しても見つからない偶然に見つかる現象への出合いも重要である。
 この場合は、最初に予定した目的の結果だけを追い求めず、楽しく実験を楽しみながらやるという精神が必要である。
 学位を取るため職を得るため出世するためという目的は、きわめてこの世界から相反している。
(5) アメリカやヨーロッパが不得意で、日本が得意とする他分野の成果を積極的に
活用する(つまり、外国の流行から外れること)。
 何処の国の人も自らの文化を背負っている。
 国際競争をするからには、外国人には持ち得ない自分達が一番得意とする分野を自分の研究にどんどん取り入れない手はない。
 特に日本はその点で有利である。日本が比類がないくらいに世界に突出している領域も多い。
(6) すぐ目の前の成果を追わず、自分の結果が出るまでじっと耐えること。
 つまり、人を見ないこと。
 他人の畑は綺麗に見える。
 流行とは、服装や言葉と同様で研究の世界でも全く同じです。
(7) 上に書いてきたようなことは、なかなか最初は一人で実行できるものではない。
 良い先生に出会うこと。
 時代が過渡期で、クズ模範があまりにも多すぎて良い模範が極めて少ない。

 そして、さらに、科学者になるための決め手は、
(8) やる気、
 (9) それ以外には何も考えない集中力、持続力、
 (10)やり遂げるのだ!という強い意志、
                     だけです。

 ここまで書いてくると、なんだ、ジャー、誰でもやれるじゃないかと言う結論になる。
 実際にそうである。
 にもかかわらず、ジャー何故、この「ガリ勉」と「ゆるキャラバカ」は別物であり、両方を兼ね備えている者、「ガリ勉」だけの者、「ゆるキャラバカ」だけの者、に分かれるのか?

 ここに社会の価値観の問題が出て来ることになる。
 述べてきたように、高度成長社会の価値観の行き過ぎが、これを助長している。
 現時点の科学の要求する独創性なぞ、いずれも心掛ければ誰にでもできるようなことに過ぎない。
 しかし、子供の頃に植え付けられた価値観が自分をがんじがらめにして、「ゆるキャラバカ」を消失させているだけの話である。
 要するに、近視眼的な世間の評判を無視して、何処まで孤独に耐えられるかどうかだけである。
 若いころから心掛ければ、大抵の人に可能なことに過ぎない。
 しかし、今の日本はそうではない。

 真似する方が安上がりだし、短時間で確実に成果があがるし、日本中が真似ばかりだから、それで日本国内では充分に競争できて勝ち残れたからである。

 アメリカや西ヨーロッパでやっていないことをやると、時代に取り残されている気分になるらしい。
 これ、大学教授でも“それより偉い”国公立研究機関の研究職でも、多くの人は同じ精神構造なのである。

 年寄ると
顔にシワも寄り、
思慮深くなったような顔になり、
何となく全てに精通しているように見えるが、
実際には、賢くなることなどはなく、
ぼけてバカになるだけである。

 若いころの価値観は変わらない。
 “鉄は熱いうちに打て!”「ゆるキャラバカ」頭脳は若い時に養わないといけない。


 変に周りに従い、合わせ、赤信号皆で渡れば恐くない、というような集団意識を無くし子供の頃の発想に戻ることである。
 裸の王様を見て「王様は裸だ」と言う目を養うだけのことである。
 「ゆるキャラバカ」と言っても、高々その程度のものである。


 従って、実際に頭脳明晰な学生なら、価値観を子供に戻せば、ほぼ、誰でもやれると言う結論になる。
 「出来るものなら研究職になりたいが、自分のような人間が科学者や研究職に本当に成れるのだろうか?」。
 「全く自信がない」。
 「それは特別な頭脳を持つ人達ではないのか?」。
 「自分にそんなことができるのだろうか?」等、
そのような謙虚な疑問を持つ学生は、ほぼ、大丈夫である。



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2016-06-10 18:25:12

2016年ブログ29 独創性とヘンテコと外国人、ダーウィンの自然淘汰 大相撲(その3)

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2016年ブログ29

独創性とヘンテコと外国人、ダーウィンの自然淘汰 大相撲(その3)。

 こういろいろ書いてくると、もはや日本のバイオはお終いか、と思いますよね。
 さにあらず、ダーウィンの自然淘汰というのをご存知ですか。
 要するに時代の要求に合わなくなったモノは淘汰され、要求にあったモノが蔓延る。
 社会も生き物である。

 日本の社会は安定期に入り、豊かで研究環境は国際的に見てもアメリカ並みに保証される時代になった。
 海外(特にアジアの国々)からも、そのポジションを求められる時代でもある。
 これからは“「ガリ勉」”型の真似を中心としたお粗末な研究では国際的な競争に勝てず、日本国内のポジションでさえ外国人に奪われかねない時代に入る。
 むしろ状況改善に良いことかもしれない。
 日本の研究開発を支えるために国籍を問うなど不要である。

 若者たちはアメリカや西ヨーロッパを見ればよい。
 例えばアメリカの学問の世界では、大学教授は外国人だらけでアメリカ人がその世界で職を得るのが如何に大変か考えてみて欲しい。
 日本のマスコミなどを見ていると、やれ、誰々という日本人はアメリカの大学の教授だ、さすがだ、と我が事のように褒め称えるが、客観的に見れば、外国人がアメリカの職を占領しているに過ぎない。
 優れた科学者であればあるほど、むしろ、それが日本の大学ではないと言う事を日本国が恥ずべき話なのである。
 アメリカ人(アメリカ合衆国ではない、アメリカ人個人)にしてみれば、その分、アメリカ人の職が有能な外国人に奪われたに過ぎない。
 つまり、よい研究環境と充分な給料が保証されれば、世界中どこでもそうなり得る。

 さて、過去の日本人の多くがそうだったように、そういう環境も保証されず身分も処遇されない国々は世界中に沢山あり、そこにも有能な者は非常に多い。
 今まではアメリカと西ヨーロッパの国々だけがそのような環境を保証する所だったが、今や、豊かになった日本もそうなりつつある。
 いずれ、日本の大学にも同様のことが起きるだろう。
 既に萌芽はあちこちに見られる。
 アメリカの大学や研究所、会社の研究部門の多くは中国人やインド人によって支えられている。

 異国人による教授職への就任に関して言えば、例えば、私は日本の大学の教授だが、研究や教育の能力が高く講義を日本語で行える人である限り、国籍はどこでもよい、と思っている。
 こういう人は今では日本でも増えつつある。
 日本の学問の世界も、遠からずプロの大相撲の世界に似てくるんでしょうね。

 異国人による教授職への就任は、ある意味で日本の科学世界にルネサンスの価値観をもたらす可能性があると述べたが、それは独創性というものへの価値観であろう。
 “「ガリ勉」しかないタイプ”のヘンテコ人種といえども一人一人頭脳は明晰であるから、独創性という単語を知らない人はいない。
 全然ダメバカ研究職でさえ、それぞれに独創性の世界がある。
 自分たちは独創性があると思っている。
 いや、極めて高い、とさえ自負している。

著者注、ダメバカ研究職:学術研究も教育もダメな方(具体的には、後述の学術論文発表がない研究職、博士号を授与出来る大学院生を育てたことがない研究職)。

 学術論文が出ないのは、自分はあまりにも遠大な格調高い研究をやっているから、簡単にはまとまらない、下らぬ研究をしてはヘボ論文をドンドン出すアンチョコではないのだ!と思っておられる。
 本当は思ってはいなくても自己防衛のために口ではそう言う。
 博士を創らないのは、学生がバカで自分の研究室所属で博士課程に進学しないからだ、そうである。
(これ学会に参加中の私が直接お聞きした話です)。

 だから彼等に何を言っても水掛け論になる。
 もともと文系型の頭脳は極めて明晰だから、強力に理論武装されており論争したら勝てる人はいない。
 彼等も大学教授である。
 「あんたはバカだ」と首に鈴をつけられる人が何処にいるのか。
 例え鈴がつけられても辞めさす方法はない。

 そんな者を選んだ方が悪い。
 自分の首がかかっているから指摘されれば、それこそ狂犬のごとく反論するであろう。
 日本的な大学序列・偏差値の価値観の全くない外国人に暫く取って代わって欲しい所以でもある。
 私の思う独創性の概念でも書いてみよう。



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2016-05-27 15:14:28

独創性とヘンテコと外国人、そして文学博士と理学博士と医学博士(その2)

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2016年ブログ28

独創性とヘンテコと外国人、そして文学博士と理学博士と医学博士(その2)

 次のような、これは個人ではなく組織だが、笑うに笑えない話がある。
 ABC領域分野の違いから生じた話である。「ゆるキャラバカ」頭脳軽視の極限の話である(「ガリ勉」的にも変な話で、時代錯誤・前例主義頭脳というのかもしれない)。
 笑いましょう。

 今は改善されて、そういうことを逆に教訓として積極的に完全になくしたことが分かっているので、その大学の名誉のために付記しておくが、これは比較的最近、関東にあるさる著名私立大学であった話である。

 その大学は元々理系学部と文系学部を持っていた(念のため申し添えておくが、私の所属する大学ではない)。
 そして更なる発展を図るために、人材を生かして理系と文系の両者が混合する学部を創った。
 素晴らしいことである。
 当然、教授層は理系出身と文系出身の混合になる。
 大学院も併設されている。
 そして時間と共に大学院進学者も5年経つと学位を申請する時期が来た。
 ほとんど全員が理系の研究室だった。
 理系としては博士号を授与するに充分な条件を満たして何の問題もない。
 最終認定のために学部教授会に出された。
 すると文系出身の教授が総立ちで反対した。
 博士号なんて60代になって功成り名を遂げてから授与されるモノで、こんな若造に博士号の学位なんてとんでもない!と紛糾したんだそうである。
 自分たちも持っていないからである。
 博士号を持っていない人が博士号授与の権限をもっているというのも先進国では日本くらいでしょうねえ。

 注釈するが、とにかくこれは、この大学も含めて日本の全大学の理系学部、いや全世界の先進国の大学教授会がたまげて呆れる議論である。
 ハーバード大学、ケンブリッジ大学、パリ大学、ベルリン大学、モスクワ大学、等々、「日本は未だ中世なのか?」と耳を疑うでしょうな。
 恥ずかしくって冗談にも話題に出来ない。
 理系では博士号を持たない大学教授は全世界で何処にもあり得ない。
 大抵“ドクター何々”と呼ぶでしょう(何々博士の意です)。
 世界中それが普通です。
 こういうのがまかり通ったら国際基準に見合わず、理系の学問はすべて世界から完全に取り残され、明治時代に逆戻りするでしょうね。
 私もかって「文学博士になるのは文学部の大学教授になるより難しい」と、冗談でよく聞いたことがあった。
 しかしこれは冗談ではなかったんですね。
 私は現在70代だが、理学博士の学位は20代の頃にいただいた。
 だいたい、周りの開業しておられる医師のほとんど全員が医学博士ですよね。
 “博士”号なんて、大学を出たらもらえる“学士”号、その上の修士課程を出たらもらえる“修士”号と同じく課程修了の称号に過ぎない。

 これが如何にバカげた時代錯誤の議論であるかは、他所の大学の教授である私にさえ漏れ伝わって知っていることからもよく分かる。
 この業界人から見ると、苦笑を通り越して失笑以外のなにものでもない。
 あちこちで物笑いの種として話題になった。
 この大学は国際的にも非常に良く知られている有名大学で、学長さん穴があったら入りたかったでしょうね。
 何のための大学院課程なのか分からなくなる。
 これでは、先に“大学教授になる課程”を創り“それを卒業してから入る博士課程”のコースでも創る以外にない。
 その大学の名誉のために付け加えておくが、これを大きな教訓として改善された由。
 これはそういう時代の先端を行く改善(理系文系混合学部の設置)を先駆けてやった結果、表面化した話である。
 同じことをやれば全国何処の大学でも頻発していた可能性がある。
 有名大学ほどその可能性が高い。
 あえて先駆けてそうした大学をむしろ褒めるべきだろう。


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2016-05-19 08:56:29

2016年ブログ27 独創性とヘンテコとノーベル賞、外国人(その1)

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2016年ブログ27

独創性とヘンテコとノーベル賞、外国人(その1)。

 何故期待出来ないのか。
 状況の一部が以前より悪くなっている点もあるからである。
 日本の若者の価値観の変化と言っても良いのだろう。

 理系の高名な学者達も数は少ないとはいえ、昔から必ずいる。
 彼等が日本の自然科学を支えてきた。
 高齢となったこの学者達が最近よく嘆く話として、
「最近の研究職を目指す若者は、バイタリティーを失い、確実にデータが出ることしか熱意を持ってやらない」、
「研究とは先人が出来なかった未知の世界を開拓するわけだから、よく言えば冒険、悪く言えばギャンブルの世界であるから、そういうことに興味を持たぬ限り、所詮は真似しか出来ない」、
というのがある。
 私も同感である。
 受験戦争の行き過ぎ時代のため、ある意味で状況は更に悪化しているとも言える。

 書いてきたように環境的構造的に日本の大学・研究機関ではヘンテコな先生方も生まれ易い。
 しかし終身雇用は、「ガリ勉」と「ゆるキャラバカ」を合わせ持つ頭脳明晰人でひたすら新しい研究がしたいというC分野の“良い意味でのマニアック”先生方(運良く職を得た方)も温存する形にもなった。
 ヘンテコ全然ダメ研究職が多いから、逆に、こういう立派な方は直ぐに特別扱いを受けることが出来、貧乏時代でも研究費を与えられることが多かった。
 そのため、後進国に近い構造だったにもかかわらず日本はノーベル賞受賞者を輩出するという環境でもあった。
 金持ちの欧米諸国家を除けば、これは極めて例外的である。
 ノーベル賞が欧米・白人中心の賞で、かってはアジア人などおまけ対象だったことも含めての話。
 現在までにノーベル賞は日本人は25名受賞しているが、もし1回目から公平だったら、間違いなくその倍以上の数の方々が受賞している。
 私だって自然科学者である、実体は百も承知。
 それでも多数が受賞している。
 蛇足を付け加えれば、“「ゆるキャラバカ」だけの人”も活かせる社会だったら、もっと遙かに多数の日本人がノーベル賞を受賞していたに違いない。
 これは今からでも遅くない。

 このような偉い科学者が嘆く実体は、今、そこら中に蔓延してますな。
 こういう事を仰る大学院生が特に有名大学に増えています「先生は自分がやった事もない出来るかどうか誰も分からない事を学生にやらせるのは、おかしい、詐欺行為だ、私たちは授業料を払っているのだから誰かが証明した必ず出来る事をやって、それが論文通りに出たら単位を出すべきだ」。
 でもこういう人物って弁舌は爽やかで理路整然としているんですよね。
 頭は大変に明晰なんです。
 先生が黒板に書いて示したことを覚えたりやったりすることが全てなんですね。
 でも、大学院は研究の場で、過去に誰かがやって証明したことが出来ても仕方がないんですがね。
 なるべく出来易そうなことをやり、簡単に資格をもらうことが優先してるんですね。
 こういう院生って、筆記試験や面接なんか抜群でしょうから、大企業などは率先して自社の研究所に雇いますな。
 こういう学生って一般的に処世術だけは天才的に巧みなのが多いから、決して高学歴ワーキングプワーにはならない。

 でも、そんな研究所からは、永久に、末期癌を完全に治す薬もアルツハイマー特効薬も動脈硬化を治療する薬も心臓病を治す薬も脳梗塞を治す薬も生まれないでしょうね。
 スタミナドリンクや健康食品、健康飲料や肩揉み機の改良なんかは大いに進むでしょうけどね。
 そう言う意味じゃ、ロボットを見ると凄いですな。
 こういう分野は、BC分野向きの凄くマニアックな良き変人が今も集まるんですかね?
 羨ましい!

 これは、現代の日本の若者たちにとって、「ガリ勉」の価値観だけが極端に突出しているからでもある(ロボット開発などは、こういう揶揄話から抜きましょうね)。
 ともかく、(少なくともバイオでは)新規性なんか無くても確実にデータが出る方に興味が行くわけである。
 この方が安全で確実で安定した身分が保証されたからでもある。
 但し、革命的な発見などはあり得ない。
 「ゆるキャラバカ」能力が要求される世界であるにもかかわらず、「ガリ勉」的なことにしか興味が行かなくなってしまっている。
 そして、その影響でついには、充分な「ゆるキャラバカ」の持ち主でも真似ばかりやるようになる。
 生きるためには仕方がありませんし、教育ママの理想像でもありますな。


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2016-05-09 09:33:43

2016年ブログ26 学問分野別へんてこ分類 学校教育行政の方針、失意のうちに老後(その4)

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2016年ブログ26

学問分野別へんてこ分類 学校教育行政の方針、失意のうちに老後(その4)。

 明治以来、こういう人達によって日本の学校行政も科学行政も行われてきた。
 そのため人材の選抜法も、国家的な研究の目標や方向の設定も、学校教育行政の方針も、常に完全な“「ガリ勉」と「ゆるキャラバカ」を兼ね備えるタイプ”の人間を理想として行われることになる。
 しかし実際には“「ガリ勉」しかないタイプ”がほとんどとなる。
 そのため、日本は、あらゆることに物真似の非常にうまい国家として全世界に名を馳せることになった(?)。
 そして、これは急速に西欧の先進国に追いつく方策として極めてうまく機能し役割を果たしたと言える。
 非難されるべきではないだろう。
 しかし、何事にも限度があるというのが物事との道理であるが、あまりに機能し、社会に受け入れられ、そのまま世代交代を重ねると、行き過ぎの状態に至ることになる。
 それが現在のような高度成長の後遺症の時代を経て上記のような事態に陥ったのであろう。
 そのため、近年、我が国も先進国の一員となってからは、いささか、これではうまくないと言うことになりつつある。
 しかも、これに日本が誇る終身雇用と縦割り構造は絶対的だから、ニッチもサッチもいかないと言うのが現状である。


 上に述べた中で、Aの領域の研究においては、これまでの価値観で充分に対応できることなり、問題は少ない。
 問題は、BやC の範囲に入る学問分野である。
 この分野が高度成長期のいびつな価値観の結果、徐々に歪曲されて、日本の “「ガリ勉」と「ゆるキャラバカ」を兼ね備えるタイプ”“「ゆるキャラバカ」だけのタイプ”の能力を要求する領域の研究の力が急速に低下してきたことである。
 私達の時代は尊ばれなくても、まだ、上記の価値観以外の世界の人達も居たのだが、価値観の急速な単純化均一化の結果、真似や類型をやってお茶を濁し確実に、そして楽してポジションを得ようと言う人達ばかりになってしまったからである。
 そのように若者たちは親達から徹底的に教育されてしまった。
 なにしろ、それをやらずに職人的あるいは例外的にやった人達は、今の若者達の親の世代では全く日の目を見ることはなかったからである。
 皆失意のうちに老後を迎えている。
 短絡した考えしか持ち得ない教育ママ族にとっては実に分かりやすい考え方だったことと、社会が裕福になって彼女たちは昔の私達の親の時代とは異なり生活に追われることもないので、徹底的な「価値観の急速な単純化均一化」が起こってしまった。

 少なくとも理系の場合は、クイズが大変良く出来るだけでは、理科は国際的に通用しない。
 勉強と研究の両方の頭脳を兼ね備えた人なら当然それでよいが、有名大学を出て博士になったと言う理由だけで、どう見ても「ガリ勉」頭脳しかなく「ゆるキャラバカ」頭脳の低い人が多数、理科系の学会にいるというのが日本の現実である。
 適材適所など考えずに、単に大学教授というステータス(?)を求めて成る人が多いからである。
 そして、このような人達が多数、日本の科学行政や教育行政にアドバイザーとして参加している。
 何かがおかしい。
 一方、この「ゆるキャラバカ」だけの者、という人達は、日本では生存権も市民権もないに等しいのが現実になっている。

 その昔、当時の誰もが知っていた“「ゆるキャラバカ」だけのタイプ”の例がある。
 もう戦前戦後の時代の話であるが、ハス(蓮)の研究で知られた植物学者の大賀一郎博士である。
 大賀ハスで名高い。
 彼は生涯事実上無職で毎日ハスの研究していた。
 極貧状態のこの人に研究職を与える人は誰もいなかった。
 一日一食、コッペパン一つの日も多かったそうである。
 専門が違い、彼が為した研究が如何ほどのものなのか私には正確には分からないが、80余歳で亡くなる直前に最後に天皇から特別に金杯を授与され表彰された方なので(当然、価値ありと推薦した学者がいる)、決してお粗末なものではなかったのだろう。
 死因は老衰と言うより栄養失調から来る衰弱死だったといわれる。
 2千年前のハスの化石(状態のもの?)から発芽させ花を咲かせることに成功した話なら私も知っている。
 全世界が驚いた。そのため、のちに世界中でこの研究の真似が流行る。
 でも誰も研究職としてお給料のもらえる地位を与えなかった。

 猟官運動を一度もすることなく極貧に甘んじた。
 「ゆるキャラバカ」頭脳だけの極致の人だったのだろう。
 今はこういう人はいないのか?
 いや、います。
 でも生存不能なので消えているだけです。

 誰が悪いのか?
 日本社会の価値観、そこここにいる巷のオッさんオバちゃんの価値観を責めるべきだろう。
 その価値観に乗って勝ち組になった偉いさんの研究職を責めるべきだろう。

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