【1行マクロ】文字に色をつける+翻訳での活用例 | 特許翻訳 A to Z

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1行マクロ実例101 > 文字に色をつける
復刻シリーズのWordマクロです。
 

【文字に色を付ける-その1】
■コード
Selection.Font.Color = wdColorDarkRed

 [ホーム]タブの[フォント]グループで「フォントの色」ボタンで色を指定する操作と同じ結果になります。
色を付けたい文字を選択し、マクロを実行すれば指定色に変更されます。
複数のフォント色を使って作業をするような場合、色ごとに別のキーをショートカットとして割り当てれば、いちいち色を選択しなおす煩雑さを回避できます。

例)
実行前
選択範囲が赤くなります。
 ↓
色を付けたい文字列を選択
選択範囲が赤く なります。
 ↓
実行後
選択範囲が赤くなります。

上記のコードでは選択範囲が赤くなります。
イコールの後ろが色を指定する記述ですので、他の色にしたい場合はコード5の中で赤字表記したwdColorDarkRedの部分を該当する色コードに書き換えてください。

 


(クリックで拡大)

 

【文字に色を付ける-その2】
■コード
Selection.Font.Color = nnn

 「文字に色を付ける(1)」と同様のマクロですが、こちらのほうが選択可能な色が多いです。
Wordでは、「フォントの色」ボタンを押して表示される「その他の色…」からさまざまな色を選ぶことができます。
このようにして選んだ色を指定するためのマクロコードの書き方です。
nnの部分は、実際には数値を記入します。

例)
Selection.Font.Color = 10027008

色ごとに決まった数値がありますので、その数値を使えばどの色でもマクロで指定することができます。
そして、この数値は計算で求めることができます。

【数値部分の計算方法】
1.色を指定するダイアログで、「ユーザー設定」タブを選びます。

2.カラーモデルを「RGB」にして、赤(R)、緑(G)、青(B)の数値をメモします。
3.(赤の数値)+(緑の数値×256)+(青の数値×256×256)を計算します。

●赤(R)、緑(G)、青(B)が255,102,153の場合(16進数での色コードFF6699)                      255       
      102×256
+153×256×256
      10053375

計算の答えが10053375になりましたので、これをnnnの部分に記入します。
半角での記入です。

Selection.Font.Color = 10053375

●赤(R)、緑(G)、青(B)が204,0,255の場合(16進CC00FF)  
同様に、204+0×256+255×256×256=16711884で、この数値を使います。

 



ここから先は、プラスαです。
現実問題として、「特許翻訳者が」フォントに色を付ける必要性というのは、「通常の業務では」発生しません。
特許明細書は、色を必要としないためです。

でも、半角→全角変換と組み合わせることで、英日翻訳の作業効率を高める使い方があります。
こういう形で応用すると、日常的に使うマクロになります。
 

■コード

    Selection.Range.CharacterWidth = wdWidthFullWidth
    Selection.Font.Color = 192


選択範囲の半角文字を全角にすると同時に、色をつけます。
こういうマクロを作って、ショートカットを割り当てておきます。

その上で、納品時には半角にしたいけれど翻訳作業時には「一時的に」全角にしておきたい文字に使います。

例)
This is described in Hennessy E. "MiRNA Profiling in Human Induced Pluripotent Stem Cells," Methods Mol Biol. 2017;1509:47-56 and...
  ↓
This is described in Hennessy E. "MiRNA Profiling in Human Induced Pluripotent Stem Cells," Methods Mol Biol. 2017;1509:47-56 and...
  ↓
​This is described in Hennessy E. "MiRNA Profiling in Human Induced Pluripotent Stem Cells," Methods Mol Biol. 2017;1509:47-56 and

用語の一括置換時に置換されては困る部分を「保護する」、ワードカウントで残りの作業時間を正しく見積もるなど、一時的に全角にしておくことには作業上の利点が多くあります。

そして最後に、色のついている部分「だけ」を、自動で半角に戻します。
 

■コード例

Selection.Find.ClearFormatting
    Selection.Find.Font.Color = 192
    With Selection.Find
        .Text = ""
        .Replacement.Text = ""
        .Forward = True
        .Wrap = wdFindContinue
        .Format = True
        .MatchCase = False
        .MatchWholeWord = False
        .MatchByte = True
        .MatchAllWordForms = False
        .MatchSoundsLike = False
        .MatchWildcards = False
        .MatchFuzzy = False
    End With
    Selection.Find.Execute
    Selection.Range.CharacterWidth = wdWidthHalfWidth



例)
​This is described in Hennessy E. "MiRNA Profiling in Human Induced Pluripotent Stem Cells," Methods Mol Biol. 2017;1509:47-56 and
  ↓
This is described in Hennessy E. "MiRNA Profiling in Human Induced Pluripotent Stem Cells," Methods Mol Biol. 2017;1509:47-56 and...


マクロの実行後、手作業で文書全体の色を「自動」に戻します。

 

※ここに示したコードは、Word 2007のマクロです。2010以降で使用する場合は、個々に動作確認の上、必要に応じてコードの修正をしてください。

(→1行マクロをWord 2010/2013で使う
 


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