ドイツ特許庁に、1877年のドイツ特許第1号から収録された DEPATISnetという全文検索システムがあります。
英語インタフェースも用意されています。
このシステム、ドイツ公報は、ほぼ100%全文検索可能です。EPの全文検索もできます。
ドイツ以外の国については全文ではなくタイトルとアブストラクトですが、それでも相当数の国の公報が対象になり、個人的にわりと好きなシステムです。
米国特許第1号をはじめ、自国以外の公報でも、古いものがわりと収録されています。
(→DEPATISnetで検索可能な項目と各国公報の収録範囲)
収録範囲の一覧には、何を何パーセント収録しているかということが明記されています。
この記号の意味は、検索可能な項目を参照すればわかります。
多少高度なテクニックではありますが、いくつかの範囲指定検索も可能です。
esp@cenet同様、パテントファミリ情報も取得できます。独立した「Family検索」もあります。
DEPATISnetの検索結果のダウンロードは、欧州特許庁のesp@cenetと同じCSVとXLSに加え、PDFにも対応しています。
さらに、検索結果の表示項目をカスタマイズできます。これが、ときに非常に便利です。
「Show result list configuration」リンクをクリックして項目を表示させ、チェックを入れたものが検索結果一覧に表示されるようになっています。
検索結果一覧で項目名をクリックすれば、並べ替えも可能です。
もちろん、検索時に最初から並べ替え条件を指定しておくこともできます。
かたや欧州特許庁には、esp@cenet以外にもいくつかデータベースがあり、EP公報を対象とした無料の全文検索システムもそのうちのひとつです。
引例やサーチレポートまで含めて、他国の無料システムには例がないほどの細かさで検索条件の指定ができます。
(→espcenetの収録範囲; EP公報全文検索の収録範囲)
ただ、高度な検索が可能な分、検索式が複雑です。
ドイツや米国のシステムでも高度な検索では細かく条件の指定ができますが、単純なインタフェースがあるかどうかは大きな差で、EPの全文検索は初心者には若干敷居が高いかもしれません。
(→ユーザーマニュアル)
さらにWIPOにも、Patentscopeという全文データベースがあります。
PCTだけでなく、他国の公報も多数収録されています。(→収録範囲)
このPatentscopeは、化学の「構造検索」ができるデータベースです。(→構造検索の使い方)
米国特許庁も、Patent Full-Text Databaseを持っています。
もちろん日本にも、J-PlatPatがあります。この2つは定番ですね。
現在では、各庁にさまざまな全文検索システムがあります。
上にあげたものは一例ですが、検索したい公報の発行国に応じて使い分ければ、主要国の公報はたいてい「全文」対象で検索が可能です。
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