CH ラ・トゥール・オー・ブリオン詳解 | ろくでなしチャンのブログ

CH ラ・トゥール・オー・ブリオン詳解

ぶどう シャトー・ラ・トゥール・オー・ブリオン

      Chateau La Tour Haut Brion

                                              Cru Classe des Graves 赤ワイン

                                           AOC Pessac Leognan

                                           Commune Talence

畑 面 積    4.9ha

年間生産量    3万本

隣 接 畑    ラ・ミッション・オー・ブリオン
オーナー      ドメーヌ・クラランス・ディロンSA 

作付割合     カベソー42% メルロー23% カベフラ35%

平均樹齢     23年

植栽密度     10,000本/ha

収   量     45hl/ha

発   酵     ステンレスタンク(180hl) 

新 樽 率     30%

樽 熟 成     20ケ月

コラージュ     す る。

濾   過      しない 。

アッサンブラーバュ

         1989年 カベソー85% メルロー15%

         1996年 カベソー50% カベフラ50%
         2000年 カベソー43% メルロー52% カベフラ 5%

         2003年 カベソー32% メルロー68%

         2005年 カベソー27% メルロー32% カベフラ41%   

 

飲み頃の続く期間/ 収穫後8年から25年~ボルドー第4版

 

ピコピコハンマー 飲む時期、予想される成熟度、デカンティング‎時間

 シャトー・ラ・トゥール・オー・ブリオンは、その真の性格を示し始める前に時間が必要です。ラ・トゥール・オー・ブリオンは、楽しむ準備ができるまで、少なくとも10年から15年のセラーリングをお勧めします。若いヴィンテージは2時間から4時間のデカンティングで楽しめます。‎これにより、ワインは香料を柔らかく開きます。古いヴィンテージは、堆積物を取り除くのに十分なデカンティングをほとんど必要としないでしょう。予想される飲みごろ ヴィンテージ年を基準として15年後から50年後まで。     出店 The Wine Cellar Insider 

 

 

 
        

評 価 ボルドー第4版より 重要なヴィンテージ


古いヴィンテージ

 1970年(88点?最終試飲1996年6月)力強い、筋骨たくましい、がっちりとしたワインだが、往々にして渋いタンニンが過剰に見られるし、揮発酸も気になる。同じく秀逸な1966年(88点最終試飲はほぼ20年前)は、良好な状態のままであってもおかしくない。1961年(95点最終試飲1979年3月)も、大昔のティスティングノートに基づいて言えば、間違いなくたっぷりの寿命が残っている。ラ・トゥール・オー・ブリオンの古いヴィンテージにはもっと出会えるのが良いのだが。私が試飲したことのあるものは並外れた品質だった。1947年(95点最終試飲2003年1月)はとてつもなくリッチで、最後に試飲した1本には、他のものに見られた揮発酸が全く見られなかった。莫大な量の果実味があり、噛みごたえのある、ねっとりとした舌触りがあった。偉大なワインで、多分向こう10年は美味しく飲み続けられるだろう。私が試飲する機会を持てたラ・トゥール・オー・ブリオンの偉大なヴィンテージはあと2つある。重々しい、未だに内向的な、恐ろしく若い1959年は、1988年にボルドーのレストランで飲んだのが最後だが、今も黒/紫色をしており、飲み頃になるまでには少なくとも10年かかりそうだった。92点をつけたが、絶頂期に達した時には、もっと高い点数がつくようになるはずだと思っている。最後になるが、1955年(1990年に94点)は、兄貴分に当たるこの年のラ・ミッションのようなまさに超大作と言えるブーケはないが、並外れて凝縮感と噛みごたえを保っている。古いスタイルのグラーヴで、多分最低でも向こう20年は持ちこたえ続けるだろう。ラ・トゥール・オー・ブリオンか゜もうこの様なスタイルで造られていないのは残念なことだが、抜け目のないオークションの買い手には、時々古いラ・トゥール・オー・ブリオンの最高のヴィンテージが現れるので探し求めるように進言させていただく。

 

○ 1975年 PP96

 けたはずれの、時には100点満点になる1975年のラ・ミッション・オー・ブリオンに対する価値ある挑戦者のラ・トゥール・オー・ブリオンは、いまだに濃い紫色をしており、並外れたノーズは液化したミネラルと混ざり合ったスモーキーなプラム、イチジク、カラントの趣や西洋杉、溶けたアスファルト、クレオソート、日に焼けた土を思わせる。口に含むと巨大で、タンニンは強く、口にしがみつく様な強いエキス分がある。この途方もないワインは、十分な飲み頃に近いが、多分少なくとも20年は持ちこたえるだろう。

 予想される飲み頃 現在から2023年 sei

 

○ 1978年 PP95

 偉大なワインで、これまたオークションで探し求めたいワインである。なぜならこのワインがこれほど深遠なものになるとは誰も予想していなかったからである。深みのあるプラム/紫色をしており、夢の様に素晴らしいノーズは黒鉛、トリュフ、ローストした肉、乾燥ハーブ、甘草、甘いブラックカラントの果実、燻煙を思わせる。この力強い、ごつい体躯をした、噛みごたえのあるワインは、とてもフルボディで、エキス分が多く、非常に強烈で、フィニッシュにはいくらか気になるタンニンもある。

 予想される飲み頃 現在から2023年 sei

 

○ 1979年 PP85

 やや1981年に似たスタイルをしているが、それほどタニックではないし、より目が開いて、フルーティなのに、暗い色をしている。スパイシーなブーケや良好な重み、豊かさ、ミディアムからフルボディ、味わった時の余韻の長さが感じられる。ブーケは成熟し始めており、土っぽい、グラーヴらしい、スモーキーな、ミネラルの香りがある。これは、魅力的な外向的なラ・トゥール・オー・ブリオンで、今でも飲める。

 予想される飲み頃 1984年まで ドクロ 


○ 1981年 PP85

 たくましい、攻撃的な、ややタニックなワインで、力強さやガッツはたっぷりだが、フィニッシュに欠けている。色は印象的なほど暗く、味わった時の果実味の重みやボディは相当なものだ。ただし、今すぐ充足感を得たい愛好家の為のワインではない。最終試飲1988年3月 予想される飲み頃 2005年まで ダウン


○ 1982年 PP96

 特筆に値するワインであり、このヴィンテージの偉大な掘り出し物の一つだ。畏怖の念を起させるプラム/紫色には殆ど成長が感じられない。よくローストした、日に焼けた土の特徴や、殆ど燃えさしやバーベキュースパイスのような匂いの趣すらある。また、背景にはいくらか黒系果実やトリュフも感じられる。口に含むと巨獣(ビヒモス)のようなワインだ。フルボディで、巨大な、エキス分の多い、とろりとした舌触りをしており、タンニンは凶暴で、強烈さは特筆に値する。1982年のラ・ミッション・オー・ブリオンよりさらに大柄で濃厚。ラ・ミッションよりはるかに多くのプレス・ワインがブレンドされているからであるのは間違いない。傷があるとしたら心持ち田舎臭くなる傾向がある事だろう。これはステルイド剤で増強したかのようなボルドーである。最終試飲2003年1月。

 予想される飲み頃 現在から2030年 sei

 

○ 1982年 PP96 Wine Advocate June 2009 

 ‎見事な1982年は、彼らの偉大な1949年、1955年、1959年、1961年、1975年と並んでいます。この1982年以来、ワインは今までに品質のこのレベルを達成しました。そのインキー/パープルの色合いは、焦げた土、梅、カシス、木炭、トリュフ、強力な、フルボディの味、素晴らしい濃度、タンニンのボートロードの古典的な香りが続きます。ワインは非常に複雑な芳香族であり、攻撃は非常に印象的なので、私はそれを飲むことに抵抗することはできません。‎ 予想される飲み頃 現在から2039年 sei

 

○ 1983年 PP84

 潜在能力としては良好だが、以前のヴィンテージのものより軽いし、舌触りもよりしなやかなものとなっている。1983年はこの年初めて醸造を管理するようになったオー・ブリオンのスタッフが採用した、異なった醸造アプローチの産物だ。良好な暗めのルビー色をしており、スパイシーで、柔らかく、しなやかで、とても近づきやすいこのワインは、多分かなり急速に飲み頃になるだろう。最終試飲1989年3月

 予想される飲み頃 1989年まで ドクロ

 

○ 1985年 PP84

 良好だが、少し余韻が短く、果実味の量に比していささかタニックすぎる。余韻の長さや興奮に欠けるワインだ。 予想される飲み頃 1989年まで ドクロ


○ 1986年 PP82

 やわらかくて、しなやかな、商業的なワインと判明したが、深み、多面性、複雑さに欠けている。 予想される飲み頃 1990年まで ドクロ


○ 1988年 PP83

 このヴィンテージらしい、隠そうとしても隠しきれない、攻撃的な、硬いタンニンが余りにも突出しているが、ボディは良好で、味わった時の息の長さは適度である。チャーミングではなく、生硬で迫力がある。飲みきって頂きたい。最終試飲1993年1月

 予想される飲み頃 1993年まで ダウン

 

○ 1989年 PP88

 秀逸なワインだ。主にカベルネ・ソーヴィニョン・ベースのワインで(カベルネ85%、メルロー15%)、大胆なブーケはハーブ、燻煙、カシスを思わせる。葡萄の完熟感はたっぷりで、ボディはミディアムボディからフル。大柄な、アルコール度の高い、酸の弱いフィニッシュがある。最終試飲1993年1月

 予想される飲み頃 2006年まで ダウン

 

○ 1990年 PP86

 1989年ほど凝縮感はないが、やわらかく、フルーティで、土っぽく、十分な飲み頃になっている。暗いガーネット色をした1990年は、グラーヴ北部のワインに見られるミネラル、煙草、ローストした特徴がある。ふっくらした、肉付きの良いワインで、絶頂期に達している。最終試飲2000年12月

 予想される飲み頃 2005年まで ダウン

 

○ 1991年 PP85 ダウン

○ 1992年 PP87 ダウン

○ 1993年 PP88 ダウン

 

○ 1994年 PP87

 厳格な、タニックな、時に中身のないワインを作る傾向があったヴィンテージにしては驚くほどしなやかな舌触りをした、華やかで、リッチな、ミディアムボディのワインだ。深みのあるルビー/紫色をしており、あの隠そうとしても隠しきれない、模範的なグラーヴらしい、スモーキーな、雑草のような、煙草や甘い黒系果実の香りのするノーズがある。明確さは上等で、巧みに造られた、手造りの、純粋な醸造スタイルをしており、滑らかなフィニッシュのタンニンも良く融合している。最終試飲2000年12月

 予想される飲み頃 2014年まで ダウン

 

○ 1995年 PP88

 コーヒー豆、煙草、スパイス、燻煙、グリルしたハーブ、甘い赤や黒系果実のくらくらしそうな芳香を放つ。余韻が長く、まろやかで、大量のレッドカラントを思わせるほか、下地ともなる酸も良好なおかげで、鮮明感も感じられる。スパイシーな、みずみずしい、甘いフィニッシュには軽いが気になるタンニンもある。

 予想される飲み頃 2015年まで ダウン

 

○ 1996年 PP87 Wine Advocate April 1999

 アロマの強い、このヴィンテージとしては驚くほど成長したワインだ。暗いプラム色をしており、突出した、スモーキーで、カシスや雑草のような、乾燥ハーブの香りのするブーケがある。ミディアムボディで、古典的で、中量級のボルドーは、スパイス、甘い果実味、エレガンスや複雑さがたっぷり備える。多分早いうちから飲めるだろうし、5年から6年は持ちこたえるだろう。最終試飲2000年12月

 予想される飲み頃 2009年まで ダウン

 

○ 1997年 PP86

 エレガントで、調和がとれており、スパイシーで、アロマが強い。ボディはあまりないが、甘いブラックカラントやスモーキーな煙草のような風味がある。この柔らかいワインは向こう3年から4年で飲むこと。最終試飲2002年1月

 予想される飲み頃 2006年まで ダウン


○ 1998年 PP89 Wine Advocate April 2001

 私の評点は保守的すぎるかもしれない。1998年は1990年代のどのラ・トゥール・オー・ブリオンにも負けない出来となってきている。濃いルビー/紫色をしており、甘いアロマはブラックカラントと混ざり合った煙草、西洋杉、スパイス箱を思わせる。ワインは見事なまでに純粋で、リッチで、ミディアムボディ。タンニンは甘く、酸や樽香は良く融合している。多分数年熟成させれば美味しく飲めるだろうし、15年は持ちこたえるだろう。最終試飲2002年3月 予想される飲み頃 2019年まで  ダウン

 

○ 1999年 PP90

 育成中に重みを身に付けてきた。セクシーな、目の開いた、深みのあるルビー色をした作品で、スモーキーなノーズは溶けたアスファルト、トリュフ、カシス、煙草を思わせる。アタックには気をそそる甘さがあり、酸は弱く、スモーキーな、葡萄の完熟感のあるリッチなフィニッシュだ。この魅惑的な、複雑なワインは、向こう10年から12年で飲むこと。最終試飲2002年3月 予想される飲み頃 2017年まで  ダウン

○ 2000年 PP92 Robert Parker  Wine Advocate ♯146 Apr 2003

 2000年のラ・トゥール・オー・ブリオンの生産量は2,500ケース。オーナーのディロン家とその聡明な管理人、ジャン・デルマのもとでつくられた最上のワインだ。このヴィンテージの素材は夢のようにすばらしく、畑の樹齢が増すにつれて、メルロのブレンド量が増えてきたため、かつての草っぽい、よりカベルネ・ソーヴィニョンが主体となったワインがふくよかになってきている。濃い紫色をした2000年は、プラム、ブラックカラント、タバコ、ほのかなオリーブのゴージャスなまでに甘い芳香を誇っている。甘い、葡萄の完熟感のある、ミディアムボディからフルボディのワインで、すごい豊かさと純粋さ、大量のタンニンが感じられる。1982年以降では最上のラ・トゥール・オー・ブリオンだ。 

 予想される飲み頃 2020年まで  ダウン

○ 2001年 PP90~PP91 Robert Parker Wine Advocate ♯146 Apr 2003

 ‎この鮮やかな、緻密なルビー/紫色の努力は、クレオソート、ハーブ、モカ、およびバニラの香りを提供しています。エレガントでミディアムなスタイルで造られたブドウ畑の若いつるメルローがブレンドに入り込むにつれて、より肉と質感を発揮します。このフォワード2001年は4~5年で最高の状態になり、15歳以上の年齢を重ねるべきです。 予想される飲み頃 2015年まで 👇追加

 

○ 2001年 PP89 Robert Parker Wine Advocate ♯153 June 2004

 暗いルビー/紫色をしており、締め付けられているようなノーズは燻煙、乾燥ハーブ、アスファルト、レッドカラントやブラックカラントを思わせる。ミディアムボディで、引き締まったフィニッシュ。2~5年はセラーで寝かせる必要があるが、さらに5~7年は持ちこたえるだろう。 予想される飲み頃 2016年まで ダウン

○ 2002年 PP88~PP90
 かなりの植え替えの後、畑が成熟を続けるにつれ、ワインもより深みや強烈さを身につけるようになってきた。2002年のラ・トゥール・オー・ブリオンは、深みのあるルビー色をしており、土っぽい、ブラックカラントの香りのするブーケの背景に香ばしいスモーキーなオークや、ミディアムボディ、スパイシーでエレガントなスタイルが感じられる。印象的な純粋さのほか、秀逸な凝縮感がある。

 予想される飲み頃 2015年まで ダウン 👇追加

○ 2002年 PP88 Wine Advocate April 2005

 ‎ラ・トゥール・オー・ブリオンの厳しい厳格な例であるこのダークプラム/ルビー色のミディアムボディの2002年は、梅やサクランボのヒントを背景に、快適な赤と黒のカラントの味を提供しています。それは良い果物を持っていますが、ヴィンテージの涼しい気候厳格なタンニンは、現在支配的です。 予想される飲み頃 2015年まで ダウン

 

○ 2003年 PP87~89

 ミディアムボディの、エレガントな作品は、プラムやカシスのアロマがある。やわらかい、繊細なニュアンスがあるスタイルをしている。若いうちからおいしく飲めるはずだ。

 予想される飲み頃 2016年まで ダウン

 

○ 2004年 PP88 Wine Advocate ♯171 June 2007

 20044年のラ・トゥール・オー・ブリオンは、2006年にブドウ園全体がラ・ミッション・オー・ブリオンに吸収され、最後のヴィンテージの隣にある2,000ケースしか生産されませんでした。そのヴィンテージでは、ラ・トゥール・オー・ブリオンの生産全体がラ・ミッションの2番目のワイン、ラ・シャペル・ド・ラ・ミッションに利用されました。エレガントな2004ラ・トゥール・オー・ブリオンは、ブルーベリー、サクランボ、アースと混ぜた樹脂製のノートを展示しています。仕上がりの中でつまんで、厳しいタンニンを表示しながら、それは新鮮でエレガントです。‎

 予想される飲み頃 現在から2022年 sei

 

○ 2005年 PP90~PP92 Robert Parker Wine Advocate#164 Apr 2006
 ‎濃いルビー/パープル色、スモーキーなバーベキュースパイス、桑、ブラックカラントの香りのノーズで、この強い努力は、通常よりも多くの体、密度、長さを明らかにします。 予想される飲みごろ 2010年から2020年  👇追加‎

 

○ 2005年 PP89~PP91 Robert Parker Wine Advocate #170 Apr 2007

 ‎最後のヴィンテージ(2006年からこのブドウ園はラ・ミッション・ラ・シャペルの第2ワインの一部となりました)、この濃密なルビー/パープルカラー、よく質感のある、2005年の後ろ向きなワインは、2,000ケースのみのリリースです。焦土、煙、アスファルト、中型体、および高いタンニンのノートを表示し、その可能性を最大限に引き出すために7~8年を必要とします。

‎ 予想される飲みごろ 2015年から2025年  👇追加

 

○ 2005年 PP89 Robert Parker Wine Advocate #176 Apr 2008

 焦土、アスファルト、スモーキーな黒いサクランボ、ローストハーブの古典的なノートを提供しています。ミディアムボディとタンニック、それは優れた、しかし、2013年から2025年の間にその最高でなければならないインスピレーションクラレットではありません。‎

       

イギリス  価 格   Chateau La Tour Haut Brion 赤ワイン

   1982年 £480         

   2000年 £ 91         

   2001年 £ 72           

   2002年 £ 92        

   2003年 £102         

   2004年 £ 68          

   2005年 £ 98  ラスト・ヴィンテージ 

                 WINE SEARCHER 2021.11.18記


      

 

ピコピコハンマー ラ・トゥール・オー・ブリオンは1983年まで、ラ・ミッション・オ・ブリオンのオーナーでもあったヴォルトナー家に所有されていた。1983年にこの2つのシャトーと、白ワインをつくるヴォルトナーのシャトー、ラヴィル・オー・ブリオンが、オー・ブリオンのアメリカ人オーナーに売却された。
 ラ・トゥール・オー・ブリオンのワインは、1983年まではラ・ミッション・オー・ブリオンで醸造され、まったく同じように扱われていた。両方とも、完全に二次(あるいはマロラクティック)発酵が済んだ後、樽の選別が行われ、いちばん有望な樽がラ・ミッション・オー・ブリオンのために選ばれ、残りがラ・トゥール・オー・ブリオンにまわされた。1982年や1975年といったヴィンテージでは、これら2つのワインの品質の差はごくわずかである。ラ・トゥール・オー・ブリオンに独自の個性を与えるために、黒っぽい紫色の、非常にタニックなプレスワインが、ラ・ミッション・オー・ブリオンよりも多く加えられた。その結果、ラ・ミッション・オー・ブリオンよりスケールが大きく、タニックで、色の濃い、グリップのあるワインができ上がった。プレスワインの添加によって、ラ・トゥール・オー・ブリオンはほとんどのヴィンテージでゆっくりと熟成する。ヴィンテージによっては(特に1973年や1976年)、もっと知名度の高い兄貴分よりもよいワインになったこともある。

 ディロン家とジャン・デルマによってワイン醸造が管理されることになってから、ラ・トゥール・オー・ブリオンのスタイルはかなり変化している。もはやラ・ミッション・オー・ブリオンのセカンド・ワインではない。デルマは、比較的樹齢の若いブドウが植えられたシャトー自前の畑から、より品のあるスタイルのラ・トゥール・オー・ブリオンをつくるようになった。その結果、印象の薄い、しなやかなワインが生まれ、ラ・ミッションだけでなく、オー・ブリオンのセカンド・ワインであるバアン・オー=ブリオンにさえ劣ってしまった。1983年より前のラ・トゥール・オー・ブリオンの肉づきのよい、筋肉質でたくましいスタイルを愛する人たちにとって、新しいスタイルはショッキングな味わいだったことだろう。
    

キャミソール 一般的な評価

 1983年以前は、ここはラ・ミッション・オー・ブリオンのセカンド・ワインだった。当時の所有者ヴォルトナー家は、ラ・ミッションよりもこのワインにより多くのプレスワインを加える傾向にあったため、濃厚でタニックなワインが生み出された。そのため、いくつかの昔のヴィンテージは夢のようにすばらしく熟成し、オークションで探してみるだけの価値がある。1983年以降は、管理人のジャン・デルマが、フィネスとよりしなやかなタンニンを持ったワインをつくるようになった。デルマは多くのブドウの植え替えを実施したので、樹齢は比較的若い。1990年代後半以降、樹齢が上がるにつれ、ラ・トゥール・オー・ブリオンは舌触りと豊かさが増してきた。


歴 史

 オー・ブリオンとは14世紀における一帯の地名であり、シャトー・オー・ブリオンが所有していたようです。変遷は明らかではありませんが、シャトー・オー・ブリオンから分離したとされています。

 シャトー・ラ・トゥール・オー・ブリオンは、1540年のルイ・ド・ロスタン、16世紀末のオリーヴ夫人、18世紀半ばのギヨーム・ジョセフ・セージュ、1850年、カイロー兄弟等の名が挙がっていますが、現在のシャトー名、ラ・トゥールを付けくわえたのはカイロー兄弟とされています。 1858年からの所有者ルイ・ウザックは、19世紀にシャトーの大改良を行っい、特に邸宅・宿泊施設・2階建ての六角形の小さな塔の再建に取り組み、この塔がシャトー名の由来との説も。

 

 

 1918年(1919年説も)にシャトー・ラ・ミッション・オー・ブリオンを買収したフレデリック・ウォルトナーが、1933年に当時のオーナーであるマリー・クストーからシャトー・ラ・トゥール・オー・ブリオンを贈与されます。同氏はシャトー・ラリヴェ・オー・ブリオンも所有しておりましたので、3つのオー・ブリオンが一人の所有者の元に集まった事となります。

 1983年、シャトー・オー・ブリオンの所有者ディロン家が、前記3つのオー・ブリオンを買収し、4つのオー・ブリオンがようやく同一所有者のもとに集まりました。

 

     
ラ・ミッション・オー・ブリオン。こちらへ       ラ・トゥール・オー・ブリオン。


    
オー・ブリオン。  こちらへ             シャトー・ラヴィル・オー・ブリオン こちらへ

 

 シャトー・ラ・トゥール・オー・ブリオンは、かつてはラ・ミッション・オー・ブリオンのセカンドワイン扱いをされていた時期もありました。独立した銘柄として販売されていました。醸造はラ・ミッョン・オー・ブリオン で行われており、市場評価はやや低めになっていました。

 

溜め息 シャトー消滅

 シャトー・オー・ブリオンは2006年から、傘下のシャトー・ラ・トゥール・オー・ブリオンのワインをそのラベルで出すのを止め、ラ・ミッション・オー・ブリオンのセカンドワイン、ラ・シャペル・ド・ラ・ミッション・オー・ブリオンにブレンドされることなりました。結果ラ・シャペルのカベルネ・フラン比率が増します。

 今回の判断は、3つのシャトーを傘下に収める持ち株会社ドメーヌ・クラレンス・ディロンが、生産するワインのラインアップを簡素化するために行ったとされます。(2007年4月13日 読売新聞)


 ラ・シャペル・ド・ラ・ミッション・オーブリオン こちらへ                

 

さくらんぼ ラ・トゥールのワインは、オー・ブリオンと同じタイプのブーケを持ち、ジャコウ、燻煙などはこちらの方が強いが、不思議なほどよく似た繊細さと魅力を備えており、骨組みだけはやや劣り、兄弟分のラ・ミッションやラヴィルと比べるとやや軽め。しかし、それは優しいとも評価できるレベルとの評価も。 


 

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