トゥルース物語 第一章
トゥルース物語 第二章(前編)

 

かつて所属していたコート・オブ・ブレードの邸宅近くの街角を歩いていると、なにやら人々の歓声が聞こえてくる。どうやらバトル競技で人気の訓練師やその闘技モンスターによるパレードが行われているようだ。集まった人々はこの競技の熱心なファンなようなので、訓練師Saracenについて何か知っている者もいるかもしれない。

 

 

冒険者らしかなぬ聴き込み調査を続けて分かったのは、Saracenは熱心なファンですら何も詳しいことは知らない本当に謎多き訓練師だということ。それに、Jazeelという昨日の競技でSaracenに負けた訓練師もSaracenの正体を知りたがっていたという。何か手掛かりがつかめるかもと思い、彼のいるチャンピオン・コートまで向かった。

 

 

 

 

 


訓練師のJazeelはSaracenについてなにやら詳しい情報を知っているらしく、自分の闘技モンスターと戦って勝ったらその情報を教えてやると言ってきた。闘技モンスターのとこを「カダレン」と言うのだが、カダレン同士以外での闘いは、ここマージ・ダルの法に触れる。Jazeelは「だれにも言うつもりはない!」と言い建物の中まで私を誘った。

 

Jazeelのカダレンは、厳しい極寒の地で見た原人モンスターに良く似ていた。小柄でずんぐりとした体型につるつるとした紫の肌、それほど強くは見えないが、タフさと腕力の強さにおいては危険で侮れない。Jazeelは私が部屋の中央まで来るなり「Rockbop、やっちまえ!」といってご自慢のカダレンに命令した。

 

 

Jazeelのカダレン「Rockbop」は強かった。この砂漠の世界に来る前の私の実力ではきっと負けていたかも知れない。だが、あれからかなりの経験を積み、私も以前とは比べものにならないほど腕が上がったと自負している。

 

 

 

 

 

 

お互い小競り合いの末、ご自慢の腕力で強引につかみ掛かり勝負を決めようとするRockbopに対して、私は足元を狙って強力な矢を放った。矢は足の付け根を貫通し地面にまで深々と突き刺さり、Rockbopの動き封じた。この気を見逃さずRockbopに向かって矢を連射。Rockbopはそのまま崩れ落ちた。

 

 

 

 

 

Rockbopの敗北にJazeelは号泣。まさか負けるとは露にも思っていなかったようだ。怒りと悔しさをいっぱいに表現してみせるJazeelに「気絶しただけだ。そのうち治る。」と私はなだめた。事実、急所は外したのでタフなこのモンスターならきっとまた戦えるようになるまで回復することだろう。私はJazeelから、Saracenは昨日の競技後にコート・オブ・ティアーズ付近の下町に入り込んだとの情報を得た。

 

コート・オブ・ティアーズの下町で、私は人の住んでいない打ち捨てられた住居を見つけた。中に入って調べると白黒のスカーフを発見。これまでの調査内容からSaracenがいつも使っていたものかもしれないと思った私は、これを隠れ家の証拠品としてトゥルースのカリフIsharaの元へ届けることにした。

 

 

白黒のスカーフを見るなり、トゥルースのカリフは上機嫌で私をねぎらった。約束の報酬を用意するまでの間、さも当たり前のように彼はSaracenへ暗殺者を送り始末させようと言い出した。てっきり、強引にでもSaracenを雇って競技に優勝するのが目的だと思っていたのだが、私の考えが少々甘かったようだ。Saracenの大ファンらしいカリフのもう一人の娘Rahimaに会ってみることにする。Saracenを助ける方法がなにかあるかもしれない。

 


 

 

 


あとがき
第二章「Isharaの探索」はこれにて終わりです。この連続クエストはこれからが面白い展開へとなっていくのですが、書いてみると思った以上に内容が多く大変なのを実感しました。読んでくれている方の反応もどうなのか気になるし、このまま続けていくべきか、それともいつも通りのブログに戻すべきなのかをちょっと悩んでます。さてさて、どうしましょうか・・・。

 

 

 

 

 

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