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トゥルースのカリフであるIsharaに会った。
ブスっと膨れっ面をした親父風のIsharaは冒険者の私を見るなり煙たがって追い返そうとしたが、協力を申し出ると今度は最近の二人の娘の振る舞いについて愚痴りだした。Isharaなりに二人の娘の嫁ぎ先が決まらず心配しているらしい。今会ったばかりの初対面なんだけど・・・私のほうが愚痴りたくなる。

 

 

 

 

 

やっと仕事の話になった。Saracenという謎に包まれた訓練師を探し出してほしいとのこと。Isharaはモンスターを訓練し戦わせる競技で連戦連勝しているのだが、今度の競技でも勝つには最近実力をつけ市民の人気も高い訓練師のSaracenがじゃまなんだそうだ。なんだかあまり関わりたくはない依頼だが、トゥルースの信任を得るためには仕方がない。Isharaが言うには豪商のAsadelが彼について何か知っているらしく、捜査をすることとなった。

 

Asadel邸に入ると、Asadelは私の風貌を見るなり奇声をあげ衛兵を呼ぼうとしだした。私は慌ててここへ来た事情を説明するはめに。誰かに命でも狙われているのだろうか?いや、きっと狙われているのだろう。悪名高い豪商であることは、ここマージ・ダルでも有名らしい。

 

 

豪商Asadelは、Saracenにかなりの逆恨みを抱いていることが分かった。競技に優勝した者は新しい法案を採択する権利が得られるらしく、幾度もSaracenのせいで自ら提案した法案を廃案にされたと言う。それにしてもこのAsadelの法案はひどいものだ。採用されなかったことは幸いだし、採択された法案と比べてあまりにもくだらない法案だという自覚すら無いAsadelには嫌悪すら覚える。だが、彼からSaracenについての手掛かりを聞き出さなくてはと思い、おとなしく聞いていることにした。

 

 

 

 

 

 

Asadelは、Saracenは砂漠に暮らす4つの遊牧民の部族のうちのどこかの出身だと主張する。とりあえずは調査してみなければ。私は旅で慣れ親しんだ砂漠へと足を運んだ。

 

各地の部族を回って話を聞くと、Saracenは勇士であり砂漠の民にも人気があることが分かった。中には調子に乗って人を侵入者扱いにし、手下を私に襲わせた者もいたが、その一人目の手下を矢で射殺し、残りの二人の手下をリーフブレードで両断すると、その野営地の長は震え上がって「そういう冗談をときどき言うんだよ。わかるだろ?」と言ってあっさり降伏した。冗談で私を襲ったことにも腹が立つが、それ以上に長のつまらない冗談でこの世と決別してしまった手下達にも同情したい気持ちになる。

 

 

 

 

 

 

結局のところ、どの部族の出身でも無いことが分かり、そのことをAsadelに報告した。Asadelは今度はSaracenの崇拝者なやつらなら何か知っているかもしれないから街を歩き情報を集めろと言い出した。Asadelから情報を絞り出すために嫌々協力をしているのだが、これでは情報が少なすぎる。私は途方に暮れて街を歩き出した。

 

 

つづく・・。

 

 

 

 

 

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