「BACARI da PORTA PORTESE(バカリ.ダ.ポルタポルテーゼ)」(☆☆彡)
http://porta6277.hp.infoseek.co.jp/
BACARI
 
 かつてここまでコストパフォーマンスに優れた店があっただろうか。

 ぼくの大好きな「サローネ2007」 の平シェフが腕を振るう渋谷の小さなイタリア料理屋です。

 ちょっと奥まった場所にある隠れ家でゆったり落ち着けるのもうれしいところ。

 価格はB級、味はA級。ぜひご自分でご確認ください。
 
住所:渋谷区宇田川町36-6ワールド宇田川ビル2F
電話:03-3462-2277
定休:月曜
営業:12時~15時/18時~24時
 
 金曜日の夜、渋谷は物凄い人です~。しばらくこんな猥雑な感じの雑踏には足を踏み入れていなかったなぁ。
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 お店は東急ハンズの目の前の雑居ビルの2階に。雑多な看板の中から店の案内を見つける。
 緑色のステップの螺旋階段を上がり2階へ。上に上がってすぐのお店は別のお店。

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 そのまま右に行くとエレベータ前に金属製の装飾された看板が立っていました。レストランがあるようなビルの内装ではなく、不安はありますがここで間違いない。

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 右に目を向けると待合の椅子があり、お店がありました。ここにも金属製の装飾を使った小さな扉。「サローネ」の印象がありますのでその差には少々戸惑うかもしれません。
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 中に入っても小さなお店ですね。イタリアらしい塗り壁にレンガがむき出しになったような作り。

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 テーブル席だけではなく、厨房前のカウンター席が。

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 奥には4人掛けテーブル2卓を備えた小さな個室があります。薄暗く雰囲気が良い。

 

08年6月6日の来訪。

 noodlesさんrecetta-casualeさん との3人で夕食を。
 場所は案内をもらったこのイタリアン。「サローネ2007」の平シェフが事情があって夏までくらいこちらに入っていらっしゃるとのことで行こうと誓っておりました。
 19時半で先客は2組でしょうか。厨房にいた平シェフが早速挨拶に来てくださいました。徐々に店は混んで満席に近くなります。相席はないので4人卓に一人の方もいらっしゃいますね。
 通常はパン代としてコペルト500円がかかるのですが、サービス期間中に付きコペルト無料。さらに通常3000円のディナーコースが2500円と格安です。もちろん、6月7日までの期間限定ですが(笑)。
 
ピノグレープジュース 600円
 適度な濃厚さの100%グレープジュース。
ブラッドオレンジ 600円
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 ブラッドオレンジです。
アイスティー 600円
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 自家製ですね。ここもディンブラでしょうか。

 
大間の本鮪ほほ肉のタルターラ.トリュフの香り 1400円
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 コースの前に気になった前菜を注文。そぎ落とした感じのしっかりした食感の鮪のほほ肉は脂を含まないものの赤身らしい充実した味わい。タルタルのソースを絡め、上には刻んだ万能葱。白トリュフオイルを隠し味程度に使っています。ただ、香りとしては葱が強いかも。
 
 ここから3000円のコースです。

北海道産えぞ鹿の自家製スモーク.カルネサラータ
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 前菜4品のうちの1皿目。スモークの香りも良い蝦夷鹿の肉。生ハムのようで、オリーブオイルをかけ、イタリアンパセリを散らしています。
 
シチリアの空豆の冷たいズッパ“マッコ”
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 前菜2皿目。「サローネ」でもいただいた空豆の冷たいスープです。魚のだしが結構強めに感じました。オリーブオイルをたらしていますが、さらにこの中にクリーミーなマスカルポーネチーズが沈んでいます。
 
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 ここでパンが登場。自家製だそうですが、揚げパンかと思うような美味しいフォカッチャとレーズン入りのパンの2種です。コペルトなしなのにお替りまでもってきていただきました。
 
アンティパストミスト
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 前菜の3皿目。右のナスのソット・アチェートは酢漬けなのに甘く、酸味がよい感じに。
 手前のカボチャはバター煮です。ほんわり甘いカボチャの味にバニラの風味がします。
 左はゴボウのアラビアータ。辛味がきいたトマト味のゴボウはなかなか行けます。
 
コロダイのシチリア風カルパッチョ
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 長崎産のコロダイは透明な身と赤い部位が美しく、はじけるような食感。上にはディル、セルフィーユ、イタリアンパセリなどお得意の5種類のハーブ。オイルのほうにも、乾燥もののタイム、オレガノ、フェンネルが使われ、広島のオレンジを添え、さらに香ばしいアーモンドスライスが入るなど香りのオーケストラ。
 下には平シェフの故郷山形のタラの芽、行者にんにくとコゴミです。上に乗っているので十分なくらいで、山菜を添えているのは贅沢~。

 

長野産極太グリーンアスパラのフリウラーノソース
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 極太で繊維の少ないグリーンアスパラをボイルしていただく。下には卵黄とビネガーにエシャロットを加えたフリウラーノソース。酸味がビシッと効いたソースでした。振りかけてあるのはナツメグ。それに白トリュフオイルがかかっています。
 
やんばる豚のサルシッチャと茄子のラグー.ペコリーノ風味
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 実に良い塩梅の自家製サルシッチャにナスのスパゲッティーです。サルシッチャだけではなく、2色のパプリカにパッキーノトマトを使ったミートソースライクなしあがり。いいですね~。実に美味しい。本当にこのコース設定でやっていけるのか心配になります。
 上にたっぷりかけられているのは「サローネ」でもおなじみのペコリーノウンブロエトルスコ。ヤギのチーズです。
 
佐島産スズキのアクアパッツァ
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 平シェフのスペシャリテのアクアパッツァ。「アクアパッツァ」修行時代に教わり、真っ当なことを真っ当に行うだけとおっしゃられますが激ウマです。
 基本は佐島のスズキ。いつものヴァポーレの3倍はあるスズキに感涙。上には身が半生に近いぷっくりしたアサリがたっぷり。熟成が進んだオリーブにケッパー、ドライトマトと刻んだイタリアンパセリが合わさり、乳化したオリーブオイルとアサリやスズキの出汁もたっぷりでケッパーの酸味が利いたスープも飲み干すほどに美味しい。これだけで2000円はくだらない皿です。コスト度外視ですね。
 
ミニデザート
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 3種盛りです。冷たいティラミスのカッサータ、プチプチが入った赤葡萄のムース、しっとりと重めのスポンジケーキに生クリームのソースと蜂蜜です。
 
カプチーノ
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 ミルクの泡が結構荒いのですが、温度がすぐに飲める程度でしたのでさっと飲めました。
 
 総評は☆☆彡(二つ星半)です。
 夏まで平シェフがいらっしゃるのであればコペルト払って3500円でもコストパフォーマンスは抜群だと思います。この低価格で最上の料理を味わえるとは。知れ渡るとまったく入れない店になりそうですね。
 ところで、今回は平シェフのカラーの確認ができた感じです。やはり「サローネ」のランチでいただいた樋口シェフのセンスとはかなり違う。それでいて合わさっているのが夜のサローネかと納得いきました。

 

 

10年7月28日夜に再訪を果たしました。
 20時半予約。20時20分に到着。
 奥の個室の奥にすわる。そうすると携帯は圏外ですね。
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 心なしか以前よりも壁が白くなって明るくなった印象…今昔の写真を見るとやはり改装をしているみたいですね。
 個室もダイニングもクリーム色の壁と天井でダークブラウンの板張り。茶色いテーブルクロスで席の間隔はだいぶ狭い。
 後輩もすぐ来たが、土金の親父と姐さんは電話もないまま40分以上遅れてきたぞ。

 

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 飲み物はアイスティー。ごく普通です。

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 次にブラッドオレンジ。
 
Corso del 10 piatti 3500円 ( 税+コッペルト 4200円 )
 現在ではコースのみでアラカルトはなしとなっています。
 
ペコリーノとイチジクのバストンチーノ
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 箸という意味のバストンチーノ。まさに割り箸のように2本、ペコリーノチーズにイチジクの実を混ぜ込んだ焼き菓子が。
 添えてあるのは粒々の食感があるイチジクのジャムに、刻んだ酢漬けのタマネギです。
 
甘エビとチコリアのインサラータ
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 小さなガラスの球体に。蓋を開けると甘海老に刻んだチコリやトレビスか。苦みのある野菜を合わせることで甘海老の甘さを際立たせるとのこと。
 

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 パンはこれ。

 
3種の魚介類のヴァッポーレ
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 蓋付きの器に。開けるとオレンジのオイルの香り。中は小さな蛤、刻んだ葱、白インゲン豆、タコ、そして白身魚が具。魚は本日シイラ。
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 タコの食感は弾力がなく寂しい気が。スープも塩気が足りない。サローネだと大粒の蛤のため塩せずとも塩気がキリッとたつスープが楽しめるのですが。。。
 
キタッラ パンチェッタとタマネギのサルサ マジョラムの香りと
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 自家製パスタのキタッラ。結構食感がよいのでこれが今日は一番良かったか。
 豚バラ肉の塩漬けとタマネギを炒めたところに刻んだマジョラムの香りを加えています。パンチェッタのためか塩気は結構強め。
 上にアクセントとしてヘーゼルナッツ。食感と香りがサローネ系列らしく加わるのでよい感じ。
 
ニンジンのクレマ
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 冷した人参のクリームスープに、煮込んで柔らかくした牛のアキレス腱のゼラチン質を加えたひと皿。さらにオリーブオイルと刻んだディルです。

 
白身魚のアクアパッツァ
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 量は少なめですがアクアパッツァです。ドライトマトとケッパーに紫色の種入りオリーブ、そして殻つきのアサリの出汁がスープに溶け込んでいます。中央の魚の切り身は目鯛。焼いてあるので骨からやってはいないのかな。これももう少し塩分がいりそう。
 
カボチャのリゾット サルサ ゴルゴンゾーラ
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 南瓜のリゾット。南瓜分がかなりモッサリしたペーストです。上にかかっている白いのがゴルゴンゾーラのソース。黒いのは南瓜の種を濃縮して作ったソースらしく、香ばしい香りがします。それに南瓜の種。勝たすぎず美味しい。

親鶏のタリアータ バルサミコとエルバ
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 かみ応えある親鳥の煮込み。タリアータなので焼いているのかと思いましたが、ソースにまみれているためか煮込みのようでした。歯ごたえは素晴らしい。美味しいかというと微妙でしたが。
 下には説明はありませんでしたが何かのペースト。野菜はロメインレタスにはパルミジャーノです。「ロイズ」本店のロメインレタスは美味しかったなぁ…日本であれを越えるモノってないのかな…。
 
スパゲッティーポモドーロ お好みの量で…
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 つい80g頼んでしまいました。スパゲティは固茹で。
 
ドルチ ミスティ
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 甘くクリーミーなパンナコッタ、レモンの皮を混ぜ込んだアイス、チョコレートケーキ。
 
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 最後にカプチーノをいただく。