共感できた部分についてはこちら。
座談会の様子はこちら。
今回は、
私はちょっと違う意見を持っているなー、
と思った部分です。
１．問題は条例のせいではないという発言
不健全指定が実質的な発禁処分となることについては、
都議も否定的な立場でした。
しかし
それは「条例のせいではない」というお立場で、
個人的に疑問を持ちました。
もちろん直接的には、
不健全指定された図書を取り扱わない取次や、
18禁スペースを設けない書店の姿勢が問題です。
でも、
そういった現状があることを知りながら、
（また18禁スペースを減らす浄化運動の存在を知りながら）
条例の規制範囲を拡大することは、
「未必の故意」と言えるのではないでしょうか。
それは、
権力の濫用であるように思います。
もう少し、
条例の影響力について、
慎重に考えていただきたいと思いました。
※未必の故意とは、
ムチャクチャ簡単に言うと、
このままいったらこうなるかもしれないけど、
それでもいいや、
といって行為を続けることをいいます。
２．条文に問題がないというご認識
３月に提出された条例改正案に比べ、
今回の条例改正案は文言上問題がない、
と判断した、
とのことです。
しかし、
このブログでも再三再四述べている通り、
私はこの条例の文言は非常に問題があると思っています。
個人的に、
議員の「問題ない」というご認識は、
あまり法律にお詳しくないか、
又は
法律を軽視されていて、
運用が適正に行われれば問題ないと認識されているんじゃないかと。
もしくは、
悪徳商法みたいなものですね。
１００万円で羽毛布団を売りつけられそうになった後、
５０万円で敷布団を売ってあげる、
と言われると安く思えるという話です。
３．体力のない企業が倒産する可能性の容認
委縮についてどう思われますか、
という参加者の質問に対し、
「まだ委縮の程度は甘い。
これからもっと委縮が起きる」
と話されていました。
「ただ、
委縮があるから条例が良い/悪いという話ではない。
この条例で業界が軒並み倒産するのであれば問題だが。
もちろん、体力のない会社がいくつか倒産する可能性はある。
その対応は考える必要がある。」
都議が、
自らそういった企業の救済に尽力されるのであれば、
すなおにお言葉を受け取ることができるのですが、
その「対応」はご自身の仕事ではないとお考えのようなので、
それが残念でした。
条例を通すということの重みを、
あまり認識されていないんだろうなと思いました。
ましてや、
この不況です。
ひとつの会社がつぶれることで、
何人の社員が路頭に迷い、
その子どもたちが経済的に追い詰められるのでしょうか。
それを考えると、
緊急性が高いとは言えない条例を、
無理に通す意味が分からないと思います。
働き口は、
雇用の受け皿は、
ひとつでも多い方が良いではないのでしょうか。
今の東京都に、
雇用先を減らす余裕があるのでしょうか。
私には、
雇用先を確保することのほうが、
重要に思えます。
それなのに、
つぶしてどうするのでしょう。
４．法律は個別ケースには対応できない
今回、
都議として一番残念だった発言がこの部分です。
本来民主主義というのは、
多数派の暴力が許されるものではありません。
マイノリティを尊重し、
少数派の声を最大限拾い上げようとする姿勢が必要です。
それなのに、
「例外的なケースについては、
ケースバイケースで対応するしかない。
法律は一般的なケースしか想定（対応？）できない」
と発言されたことは、
非常に残念でした。
もちろん、
すべてのケースに対応できるとは、
私も思っていません。
それでも、
立法時に求められるのは、
あらゆるケースを想定し、
それに対する対応を検討することです。
起こりうる問題については、
できる限り検討されないといけないし、
リスクは最小限にするよう努めないといけません。
それをせずに立法しようというのは、
怠慢と言っても良いのではないでしょうか。
また、
必要な検討を経ずに提出された案に対し、
それを「仕方ないこと」と断じるのは、
やや乱暴に過ぎるように思います。
以上が、
意見が違うなぁと思った部分です。
なお、
ここでの意見は私の個人的な意見です。
また、
あさの都議のご発言については、
メモに基づいて記載したもので、
録音テープ等から起こしたものではありません。
趣旨等を変えないように極力注意を払ったつもりですが、
完全に成功したというつもりもありません。
ご注意ください。
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