1月29日にあさの都議の座談会に出席してきました。


3月提出の改正案には反対されたあさの都議が、

12月提出の改正案では賛成にまわられた理由は、

こちら→あさの克彦都議の座談会報告①



今回は、

この問題に関するあさの都議の基本的なスタンスと、

私のささやかなコメントを紹介します。



1.あさの都議のそのほかのお話


・検閲はするべきではない。


・青少年が18禁作品を簡単に手にとれる現状は望ましくない。


・大手出版社は中小出版社を守るべき。


・条例が悪いのではない。

 問題点をあぶりだす良い機会。


・これからもっと委縮は続くし、現状の委縮は弱いと思っている。

 その間に我慢をしていただく必要もある。

 持ちこたえられない企業は仕方ない。

 また条例の可決・否決は関係ない。


・吉田都議が一般質問で主張した、

 「改正部分に該当するかの判断は作品全体を検討して行うべき」

 という意見には賛成。


・包括指定には反対。

 条文が曖昧であるのは表現の自由を守るためにも必要。


・不寛容な社会になっているのは確か。


・近親相姦表現の規制は最後まで反対意見が根強かった。

 ただ最近こういった作品が増えているのは確か。


・治安対策室のメンツがあるので、

 改正案を受け入れるか否決するかしか選択肢はなかった。

 (修正案の提出は無理)


・条文上は取り締まれないけれど、

 法の趣旨から考えてグレーゾーンの作品が増えすぎた。


・法律はケースバイケースの特殊な案件までは対応できない。




2.もうちょっと詳しく


・青少年が18禁作品を簡単に手にとれる現状は望ましくない。


そのためにも区分陳列や、

18禁制度は必要だとおっしゃっている印象でした。

ただし、その結果そういった表現が殺されてしまうのは良くないこと、と思っていらっしゃるようでした。



・大手出版社は中小企業を守るべき


基本的には「条例が悪いのではなくて、出版社が悪い」

という趣旨のことをおっしゃっていました。

出版社も表現の自由を言うのであれば戦うべき。

とのことでした。


特に不健全指定を受けると事実上の発禁処分になることについて、

「行政が悪いのではなくて取次やコンビニの問題」だとしたうえで、

出版社は行政と戦うのではなくて、

そういった取次等と戦うべきだとおっしゃっていました。


※行政と戦うなというのは、

  消耗戦になった時企業では勝てないから、

  という趣旨でのご発言のようでした。

  (無駄なことはしないほうがいい、みたいな?)


具体的には、

ACEをやるお金等があるのであれば、

もっと中小出版を守る方向でお金を使うべきではないか。


たとえば、

コンビニや書店等に対し、

「中小企業の18禁作品を販売しないと、

 ジャンプ等の人気作品を扱わせない」

などと要求するなど。


東京都はつぶれることがないし、

戦っても企業に勝ち目はない。

だとすると、

もっとエネルギーを有効に使ったほうがいいんじゃない?

とおっしゃっているのかなぁ、と、

そういう印象を持ちました。



ちなみに、

私からあさの都議に対し、


「法務という立場から言わせてもらうと、

 コンプライアンス遵守という社会の趨勢があることを考えてほしい。

 曖昧かつ広すぎるこの条例が存在すること以上、

 法務として、

 会社にGOが出せない表現が存在すると思う。

 そういった条例を成立させておいて、

 出版社に対して委縮するなと言うのは、

 あまりに難しい要求ではないでしょうか。」


と申し上げましたが、

直接的な回答は頂けませんでした。




3.私の感想


中には都議の選挙区民もいたと思いますが、

受付をざっと眺めたところ、

選挙区民ではない参加者が多かったです。


選挙区民でもない人間のために(=得にならないのに)、

お忙しい中お時間を割いていただいたことは、

本当にありがたいことだなと思いました。



ただ、

都議の理想社会そのものには共感する部分もあるのですが、

その理想社会が実現されていない現状で、

その理想社会を前提とした条例を可決することは、

やはり問題があるのではないかと思います。


※都議は、

  韓国がTPPに加盟する前には、

  競争力をキチンと高める政策を採ったうえでやっていた、

  と評価されていました。

  前提として環境が整備されていないというのは、

  都条例だって同じ話じゃないかな、と思いました。

  それなのに都条例だけ賛成というのはダブルスタンダードではないかと。


政治的に可決せざるを得なかった、

とだけ説明されたほうが、

心情的には納得できたなぁと思います。



私の個人的な感想についてはまた書きます。






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