はなすの語源　（2）

何か、伝えきれていないものがある。

あれかな？
でも、あのことは心理療法の修行時代にすでに伝えた気がするんだけどなぁ。

お金のこととは直結しなさそうなんだけどなぁ。

それでも、私は、ときどき思い出す。

私が５０年近く生きてきて、一番つらかったこととして。

高校生２年のときに、私と母は、父が留守中に家を出ました。

逃げたの。

その後、隣町で、私と母の二人での生活が始まります。

やっとのことで母が見つけた仕事は、入院患者の付き添い。

でも、もろもろの事情で長続きしなかった。

その後も、いくつか職を転々をして...

高校３年のある日、突然、母は「家に戻る」と言って、
それから数日後に家に帰っていきました。

母の稼ぎで私と二人で暮らすのは困難だったのだろう。

救急車を何度も呼んだことがあるほどの喘息もちで、
他にもいろいろ体の不調があったし。

母は戻ることを決めるまで、とてつもなく悩んだのだと思うけれど。

でも、ほとんど説明もなく、私からしてみれば、突然のこと。

私の中では、何も消化できなかったし、
私はただただ混乱した。

悔しさでいっぱいだった。

何かに負けたような気分だった。

裏切られた。

心が怒りでいっぱいになった。

その奥にある傷ついた自分は、

怒りとくやしさでで覆い隠された。

それから、しばらく、私は、一人暮らしをしていたの。

お金をもらって、自炊したり、ときどき、母は家で料理を作って持ってきてくれました。

私は普通に高校に通っていたのだけど、

精神のバランスを崩していった。

崩すっていうか、限界だった。

何もかも信じられなった。

母が来ても、怒鳴り散らしたり。

高校３年の夏にはは、1か月半ほど、学校にも行かなくなった。

世界を憎んでいたから。

友達の助けがあって、
夏休み明けごろから、学校に戻ることができた。

「東京で人生をやり直したい」、という思いが、

なにより強かったから、大学受験にフォーカスを合わせた。

でもね、その後も、

母は、また、家を出て、今度は、３人がばらばらに家に住んだり、
また、戻ったり、何がなんだか、わからなくなった。

そして、私は、その1年後、上京します。

ゲシュタルトセラピーとホロトロピックブレスワークに出会って、
心のことを体験的に学んだのち、家族との関係は修復されました。

母が、どれだけ私を大切に思っているかを、理解するようになった。

私も母のことが大好きなんだと、心から受け入れられるようになった。

いろんな重病にかかっても、私に迷惑をかけないようにと、
一人で頑張っている姿は、私への愛情だと受け止めるようになっていった。

それでも、私は今回、
この私の一番つらかったことを、「話す」ことを選択しました。

「裏切られたと思って、人生の中で何よりもつらかったし、

傷ついた」と。

このときも、まだ、私は、

母をつらい気持ちにするのは、忍びなかった。

そう思ったとき、

私は

辛いことが多い人生だったから、これ以上辛い気持ちにはさせたくないと、
私は、どれだけ自分を我慢させていたことに気が付いた。

形を変えて、受け継がれる我慢と不幸な気分の連鎖が見えた。

断ち切りたい。

変容させる。

そして、もう、東京に向かう電車の時刻が迫ってきたギリギリになって、
おまんじゅうやさんでおまんじゅうを食べながら
私が人生で一番つらかったことを伝えた。

「家出したあとに、突然、ママが家に帰ったことが、人生で一番つらかった」

そしたら

「そんなことがあったかい？」

なんと、

母は忘れているではないか----っ！！！！

でも、いろいろ話しているうちに、

「思いだしてきた。。。。」

と言った、母の目には涙がにじんでいた。

そして、こう続けた。

「本当は、自分でも気が付いていた。

ママは、なんでも逃げてきたことを。

そうゆうところがあることを。

あんたからも逃げてたんだね。

あんたが小さいとき、

昼間にこっぴどく叱って、
でも、夜になって、寝顔をみて、
なんてことをしたんだろう。

って、毎日後悔した。

でも、そんなことを伝えてもいなかった。

逃げてばっかりの結果が、今のママの人生なんだね。

いつからこんな風になったんだろう。

結婚してからかな。

子供のころは、そんなことなかったんだけど。

中学校を卒業して、就職して、
その仕事や、寮の生活から逃げたときからだ。

もう、取り返しがつかない。

ごめんなさい。

もう、あんたから逃げない。

目を見て話す。」

平和な田舎のまんじゅうやで、ボロボロこぼれる涙も拭かずに、
そう伝えてくれた。

私がハンカチを差し出すと、

そうゆうのあんたは嫌うからと、

それを使わずに、手で拭いてた。

今度は、私が困っちゃうな。

ありがとう、ママ。

私は、オカンの話を聞きながら、

本当に似た親子だなって思ってたよ。

私も逃げてきたから。

この後、体のしんどさがスーッと抜けていった。

心地よい疲れと、人生の新しい章が始まる予感がないまぜになった気持ちで、
東京に戻った。

そして、その二日後、

心地よい疲れのはずが、疲れの限界に変化してた！！！！

というか、よく考えたら、スケジュールがおかしいもん。

詰め込みすぎた。

よく考えたら、３週間もの間、休みがなかった。

渡米の前で、歯医者も週に２回ペースでいかないといけなくなっている。

法人化に伴ってのもろもろの変更で、
税理士さんやら、銀行やらに行かないといけなかったり、
イレギュラーの用事も満載。

その間に、っていうか、こっちが本筋なんだけど、
7月1日はトリニティ数秘術の講師陣との打ち合わせ、

そしてその後は、マスターコースの補講。

講師は光山久美子ちゃんとミコちゃんで、
二人と話すのは喜びだし、癒しだから、

打ち合わせに行くのは超楽しみなんだけど、

それにしてもしんどい。

打ち合わせ後に、二人にオカンとの顛末を報告したんだよね。

そしたら、ミコちゃんが、

「話しているいるうちに、

エネルギーがどんどん変わっていったよ～。

よかった！」

と、伝えてくれた。

クミちゃんも、一緒に喜んでくれた。

はぁ、
やっぱり、話すは放す

なのだと、自分の中で確信する。

パターン的に繰り返し悩んでいることなんかについては、

「話すこと」が役に立つように思えないという実体験がありました。

心理療法の修行時代に、

グループでのワークショップで、

数年間ずっと同じメンバーで心理療法のトレーニングを積んでいました。

毎週１回、年間で４０回とかのトレーニングになるのかな？

もう、何回も、何年も、同じことについて、文句を言い続け、
同じような問題を繰り返し、

同じような気づきがあって、はっとして、それをシェアする

という時間がすごく多かった。

私はこうこうこうゆう問題がある。
こうゆう心のとらわれがある。

と、グループ内で話すことで、
「こうゆう問題がある私」というアイデンティティが強化されているように感じた。

だから、私は、トレーニングの最後のほうは、

グループの中で、自分の話をすることはできるだけ控えるようになった。

気が付いたら自分で取り組めばいいこと。

そうしていった先に、私の場合は、

ブレークスルーがあって、人生が変わった。

そうした個人的な経験から、

話すことを良しとしない傾向を持つようになった。

もちろん、ずっと、内側に秘めていたことを、
話したときに大きな変容が起こるというのは、
私も微塵も疑っていない。

でも、同じことを、何度も何度も繰り返し言うようになってきたら、
話すこと自体が、自分と問題を強く結びつける行為になっている可能性がある。

で、それも、また、本当のことだと思う。

私はね、たぶん、ここ数年は言わな過ぎたんだと思う。

同じことを言うのは、嫌だとか、
親友も母も体調がずっと悪かったのもあて、

そうゆう大変な人には、言えないとか、

そうゆう言い訳を自分にしてきた。

そんな、逃げ方を私はしてきた。

どんな意識で話すかで、解放になるのか、

問題の強化になるのかが変わるだけだ。

その背後にある自分の意識・姿勢・意図、純粋さで、
話すという行為の先に展開していくことが、変わる。

当たり前といったら、当たり前なことだったね。

そしてね、

話すという言葉の語源を調べてみたの。

そしたら、こうありました。

話の語源は定かではないが、心事を放す意味で
「放す（はなす）」を語源とする説があり、
「咄」の字が用いられたことからも有力とされる。

おおおおおおおおお！！！！！

私、すごい！

これが、今回の話しでもっとも言いたかったこと（笑）。

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