かけがえのない日々~恐れるモノ(5)~ | ななちのブログ

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このブログは、スキップビート好きの非公式2次小説作成SS中心です。作品については、あくまで個人の趣味で作成しています。
馬車馬のごとく働く社会人ですので、更新スピードは亀ですが、よろしければお読みください☆

「いいんじゃないか?」

「……え……?」

「君みたいな男ってぇのは、オンナの経験だけは豊富なのに、中身はからっきしって奴も多いだろうからな。それに比べりゃ、役者としては死にもの狂いな愛し方ってのも肥やしになるだろう。」

「……役者として、ですか……。」

「あぁ。何でも伸び代にしてこその職業だろうが。人として間違っていようが関係ない。怖い存在であってもいいじゃねぇか。卑怯で卑屈で最低で結構。少なくとも、業界でそのことを恥じる必要はない。」

「…………。」



 誰よりも、何よりも大切な子。

 愛されることを切望している、一途で一生懸命に生きている、愛しい少女。



―――もし倒れそうになったら、その時は。また私によっかかって下さい。―――

―――大人になったコーンならやりますよ!!絶対やれます、コーンなら!!―――

―――…聞こえて、ますか…?…私の声…―――

―――どんなに弱気になっても、不可能に思える事も、可能にしてくれるんです。―――



――― 一緒に、居てみませんか…? ―――



 何度も。何度も、何度も。

 ダメだと堕ちていく蓮を、救いあげてくれる小さなあたたかい手。

 

その手を。その大切な女の子を。



 唯一無二のその子を、縛りつけようとする汚いケダモノ。



 そんな存在が、彼女の傍にいることは、許されることなのだろうか?



「敦賀君。」

「はい……。」

「君のその想い、しっかりこのCMで出し切ってくれ。」

「…………?」

「心配すんな。このCM撮影は絶対成功する。最上君……『京子』と、俺達を信じろ。」



 黒崎は、ニヤリと笑った後、蓮の肩をバシリ、と叩いてみせる。



「……はい。」

「だから、休憩後も、しっかり『独』の男を演じてくれよ~~。もっと本気出してもらったって構わないからな。」

「はははっ……。…分かりました。それじゃあ、最上さんの様子、見てきますね。」

「おぉ。頼むよ。しっかりなぁ~~。」



 ヒラヒラと手を振る黒崎に頭を下げると、蓮は社とセバスが待つ場所へと颯爽と歩いて行く。



「ふふんっ。……若いねぇ……。」



 その後ろ姿を、黒崎は眩しそうに見つめていた。










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