まつの様からのリクエスト密やかな想い番外編~はつこい(2‐5)~ | ななちのブログ

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このブログは、スキップビート好きの非公式2次小説作成SS中心です。作品については、あくまで個人の趣味で作成しています。
馬車馬のごとく働く社会人ですので、更新スピードは亀ですが、よろしければお読みください☆

「……ほっほ~~~。なんというか…聞き逃せねェ面白そうな話が出てきたなぁ~~。」

「…………。」

「そうか、そうか~~。っつ~~ことは、あれか?お前は京子にず~~~っと、恋心を抱いてきたわけなんだな??」

「…………。」

「そんでもって。ず~~~~っと、その気持ちを理解されないままで今日に至っている、つぅわけだなぁ……。」

「……っ。」

「……。…哀れだな。蓮。」

「心底憐れんだ顔をしないでくださいっ!!っていうか、今は両想いだって言っているじゃないですかっ!!」



 宝田社長の執拗な追及…から最終的には憐れみに変わった発言の数々に、敦賀蓮は結局だんまりを続けることができなくなった。そんなある意味若々しい青年に、宝田社長は隠すことなくニヤニヤとした厭らしい笑いを向ける。



「で?いつ、お前は京子に恋に落ちたんだ?」



 そして、さらりとした口調で疑問を口にした。だが、宝田社長のその瞳が言葉以上に命令している。「吐けっ!!」と。



「別に俺達の出会いがどんなものかなんて、社長には関係がないでしょう?」

「ほ~~。そうか。お前がその気なら俺にも考えがあるぞ~~?」



 再びそっぽを向いて、敦賀蓮がその視線の脅迫に抵抗を示した瞬間。宝田社長はまるでマフィアのボスのように目を細め…そして、敦賀蓮の頬に、濃厚キスシーンの写真をぺチぺチと叩きつけた。



「この存在を、京子に知らせて…噂になっちまっているって、言っちまうぞ~~??」

「っ!!??ちょっ、ちょっと、社長っ!!」

「あ~~あ、きっと京子はお前から距離を取るだろうなぁ…。せっかくキスさせてくれる間柄になったのになぁ?可愛そうに……。」



 「は~~。残念だ。」と語る事務所社長を見る…事務所のトップ俳優。その瞳からは、確かな殺意を感じた。



「私も、興味があります。」



 まさに一触即発。対峙する二人の男の間に入ることはかなりの勇気が必要だった。けれど、私もどうしても知りたい。…この、トップ俳優が気付いた、『京子』の魅力。私が取材の時に知った彼女のことだけではない、たくさんの素顔を彼は知っているのだろう。それを、どうしても知りたいと思った。



「記事には、しません。あなた方が許可をしてくださるまで、絶対に外部に情報は漏らしませんから。」



 地獄の1丁目で無言の攻防をしていたLME社長と看板俳優の意識と視線が、私に向けられる。…私は単なる雑誌記者。しかも、お二人とは今日、初めて会った存在だ。信用に足る人物か、と言われたらそれは「否」だろう。

 それでも、知りたいと思った。だから、私は真正面から敦賀蓮を見る。



「……このことは、キョーコちゃんも知らないことなんです。」



 しばらくの沈黙の後、敦賀蓮が静かな口調で言った。



「それは、京子さんがあなたとの思い出を忘れている、ということですか?」



 京子さんとは少ししか話をしていないが、そんな薄情者には見えなかった。だから純粋に驚いてしまったのだが。



「いえ。…よく覚えてくれていますよ?ただ俺と気付いていないだけで。…俺も大切にしている思い出なんですけれど、きっと彼女も同じくらい大切にしてくれていると思います。」



 敦賀蓮は私の質問を否定して、それはそれは美しい笑みを浮かべてみせた。神々しいほどの光を放つ笑顔ではあるが…これって、ノロケているわけよね…?



「だから、本当はキョーコちゃんに最初に伝えるべきだと思うんです。…俺達二人の、大切な思い出だから。」



 「でも……」と呟き、敦賀蓮は私と宝田社長にいたずらっ子のような笑みを向ける。



「俺とキョーコちゃんの交際発表まで、内緒にしてくださるのなら。お二人にだけ、お話しましょう。」



 「約束ですよ?」と念を押す敦賀蓮に、私と宝田社長は深く頷いた。それを確認すると、敦賀蓮は満足そうに頷いた後。ゆっくりと口を開いた。






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