『アマルフィ』 真保裕一 | 固ゆで卵で行こう!

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真保 裕一

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クリスマスを目前に控えたローマにて日本人少女が誘拐される。

邦人保護特別担当領事の黒田康作は、誘拐された少女の母親と共にイタリアを横断しながら捜索する。




映画『アマルフィ 女神の報酬』の原作です。

原作と言っても始めに映画ありきで、制作スタッフと共に作り上げたストーリーらしいですね。

もっともこの原作の方は映画とは全く違った展開と結末を見せてくれ、突っ込み入れながら観た映画とは違った面白さを読者に与えてくれます。


もっとも映像化を意識したような場面をふんだんに盛り込んでいるせいか、映画同様犯人側の都合いいように展開していくのは同様。

ただ、確かに突っ込みどころはあるものの映画よりは犯人側の策略が緻密に描かれており、また、犯人側の動機や目的も説得力はあります。


展開と緊張感はさすが真保さんといったところですが、やはり映像化が前提のせいか、主人公・黒田の人物描写がいまひとつ足りない気がします。

外務大臣のイタリア訪問を控え、その警備など外交官としての仕事を放り出してまで、どうしてそこまで誘拐された少女を助ける為に奔走するのか、黒田の強い意志や意識というものが読者に伝わりにくいのが残念なところでしょうか。


決して面白くない訳でないのですが、どこか違和感が拭えないのもその辺にあるのでしょうか。


主人公の外交官・黒田康作を主人公にしシリーズ化され、放映中のドラマの原作本である第二作も既に発売されていますが、中身はどうなんでしょうね。

文庫化、もしくはノベルズになったら読んでみたいと思います。





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