第12回 七対子を考えてみる(その1) | 知っておきたい麻雀戦術

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フリーで麻雀は普通にできるけれども、なかなか勝ちきれない人に、
リアル麻雀で勝ち切るための技術紹介をするブログ…のはずだったのですが、
最高位戦のプロになって、プロ活動の話ばっかりになってます。
2019年からは天鳳(ネット麻雀)の話も多くなる?予定です。

おはようございます。


今日は七対子について考えてみたいと思います。


色々な麻雀戦術の本やブログ・雑誌コラム等を見ても、
七対子への考え方は実に様々です。

守備に役に立つ、という見方もあれば、
ドラ・裏ドラが必ず2枚単位で乗る、という
攻撃的な部分に注目する人もいて、
かなり惑わされている人が多いのではないかと思います。


例によって、順を追って考えていきましょう。

七対子の特殊性は、言うまでもなく和了形にあります。
4面子・1対子の形にならない手役は
七対子以外には国士無双・流し満貫くらいしかありません。

まあ、世の中にはマネマンなど変則役はいくらでもありますが、
ここでは除外します。


面倒なのは、七対子はかなり進んだ1向聴・2向聴の段階で、
普通の面子手も七対子も狙えるような牌姿があることです。

例えば国士無双はそれこそ七対子くらいしか同時に狙えず、
せいぜい3向聴までにはどちらかに態度を決める必要があります。
流し満貫を狙うにしても、どちらに向かうかを決めるのは
どちらが期待値が高いか、1回決めればいいだけです。

そして、どちらも1回決めたら後戻りがききません。


ところが、七対子は何回でも後戻りができる場合があります。

例えば
三三四③③④⑤⑤233455(切り番)
みたいな手です。

例えばここで三を切った後に四を引いてきたりしたら、
場合によっては考え直しもできますよね。

これが面倒で、どっちかに決めている人も時々見かけます。
(大抵は七対子を嫌って面子手に決めるみたいです)


しかし、七対子はコツさえわかれば、
非常に使い勝手のいい手役です。

実はそのコツの難易度がかなり高いので、
もしかしたら難しいイメージを持つかもしれません。


まずはコツその1
対子場を感じたら七対子を考えろ


実戦では一方的に攻撃や守備に偏った打ち方ができる局面は
そんなに多くありません。
守備面を頭に入れながらも、中盤までは手なりで進める、
という打ち方をしている人が多いと思います。
特にご祝儀麻雀では、手なり最速手順からのリーチでツモるのが
どう考えても基本で、最強の打ち筋
です。

普通のいわゆる順子場(牌の偏りが少ない状態)では、
七対子はかなり不利な手役です。

言うまでもないかもしれませんが、例えば3という牌を使うのに、
面子手だったら123・234・345・33・333と
5種類もあるのに、七対子は33の1種類しかないわけです。
しかも複合して使うこともできません。

さっきの手にしても、基本的には面子手狙いが
多くの場合、正解になると思います。

私が計算したわけではありませんが、
単純な机上の計算(いわゆるデジタル麻雀系のデータ)では
かなり不利な手役であることは間違いありません。


ところが、麻雀は人の鳴きや切り筋で手牌の推測ができます。
つまり、山に残っている牌が推測できます。

その推論の中で、偏りの大きい状態(対子場)が見込める時があります。

ここが七対子の狙いどころです。

さらに、好条件がもう1つあります。
あっちこっちで牌が固まっている状態だと、
順当な順子場を前提に手作りを進めている他家が出遅れます。

その分、遅いはずのこちらの手が相対的にスピードアップします。
しかも、山が読みやすいということは、
裏ドラを乗せて大量点ゲットのチャンスでもあるわけです。


この方法は手牌読みからの山読み、対子場の判断、
他家の進行を正確に見切るなど、かなりの判断力が要求されます。

それぞれテーマにしていきたいくらい高度な内容ですが、
1つ1つやっていきましょう。


そんなの無理だ、と思わないでくださいね。

レベルにかかわらず、牌の偏りを感じることはあるはずです。
その感覚とそこから得た結論は大事にして下さい。

自分が偏っているな、と思った局が流局した時に
他家の手牌を確認する機会はいくらでもあると思います。

人間のカンとか感覚は馬鹿にできません。
鋭敏な感覚を磨くことがセンスを磨くことです。

私も昔はセンスねーな、と言われ続けていました。
今はまず言われませんが、自分ではまだまだだと思います。

センスはあるものじゃない、自分で磨いて光らせるものです。
アンテナを目いっぱい張って、頑張って磨いていきましょう。


うーん、全然言い足りないけど、今日はここまで。

それではまた。



<七対子を考えてみる(その2)も読む!>

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