前回の先物取引に続き、今回はETFです。先物よりも遥かに身近な感じがするETFですが、こちらもページ数は割と短めなので、大した情報はないかもしれません(逆に、ETFに特徴的な税金の話は大してないということの裏返しかもしれません)。
 

 
(その13:証券先物取引 / その15:債券類

 

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税と投資~個人投資家へのガイド~
(http://www.optionseducation.org/content/dam/oic/documents/literature/files/taxes-and-investing.pdf)

 

p. 28 上場投資信託 (Exchange-Traded Funds; ETF)


上場投資信託 (ETF) とは、一般に、株価指数または有価証券のポートフォリオを構成している、またはそれに基づいた有価証券を保有する、オープンエンド型(=いつでも自由に売買ができるタイプ)の投資信託会社である。ETFの例には、S&P(スタンダード&プアーズ)預託証券(『SPDR』)、NASDAQ-100指数連動株式(『QQQ』)、およびDIAMONDS(『DIA』=SPDR・ダウ工業株平均ETF) などがある。ETFへの投資は、一般に、投資信託(連邦所得税の定めにおける『規制投資会社』)への投資と同じ方法で課税される。すなわち、投資収益から支払われた配当金(配当金、利息、および純短期キャピタルゲインを含む)は、一般に、通常所得として受益者に対して課税される(※注コメント: 普段もらっている給料に加算されて計算されるタイプの税金ですね。いわゆる『総合課税』です。長期キャピタルゲインで用いられる『分離課税』より不利な税制ですね)。ETFが得た適格配当に起因する配当金は、現行法の下では、減額される可能性がある(5ページ参照→米国投資の税金に親しんでおこう・その2:配当にかかる税金)。同様に、ETFの純長期キャピタルゲインからのキャピタルゲイン分配金は、投資家がそのETFを所有していた期間に関わらず、長期キャピタルゲインとして課税される。


ETFは、発行済株式がその信託の分断されていない受益所有権の部分単位を表すことで、投資信託としても構成されることがある。例として、金の価格に連動する特定のETFがある。こういったETFは、税務上、『グランター・トラスト』(※参考:投信資料館: 米国のGrantor Trust(グランター・トラスト)とは、どのようなETFですか? (http://www.toushin.com/faq/foreign-faq/grantor-trust/))として扱われ、投資家は一般に、ETFで保有されている対象原資産の比例持分を直接所有しているかのように扱われる。投資家はまた、そのETFの収入がある場合には、それをそれぞれが直接受け取ったとして扱われ、また経費の分担部分をそれぞれが直接的に負担したかのように扱われる。ある投資家の持ち分の一部または全部が売却された場合、その投資家は、売却された株式に起因する、売却時のETFの対象原資産の比例分を売却したものとして扱われる。金価格に連動し、グランター・トラストとして扱われるETFの場合、持ち分の売却による長期ゲインは、最大28%(20%ではなく)の課税対象となる。


特定のETFにはオプションが存在する。対象となるポートフォリオまたは指数が、広いベースではない場合(26ページ参照→米国投資の税金に親しんでおこう・その12: 株価指数商品)、関連するオプションは通常の個別株オプションとして課税される(15ページ参照→米国投資の税金に親しんでおこう・その7: 米国株オプション単純保有)。対象となるポートフォリオまたは指数が広いベースであるETFのオプションへの課税は現在不明確であり、IRSからのガイダンスが必要である。

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この高度に情報化された現代社会において『不明確』なんてあるのか!…と思いましたが、個人的には「税金がこうなっているからこうしよう」と、税金によって取引スタイルを変えることは絶対になく、自分の思うままに取引をして、結果決められている仕組みの税制に自動的に当てはめてくれたらそれで構わんよ、というタイプなので、ETFオプションの税金に関しては気にしない方向で行こうと思います。


ETF自体の保有や売買による税金は単純というか、普通に考えて自然で合理的なものになっているようで、ETF自体の売買による利益に対する税金は普通株と同じで、1年以上保有していれば長期キャピタルゲイン扱いになり1年未満であれば短期キャピタルゲイン扱いに、そしてETFからの配当や分配金は、それが何から得られたものか、その中身によって変わってくる、という感じのようですね。

 


次回からは債券のようです。全く興味の対象外な上、えらく長くて複雑そうですが、順に見ていこうと思います。