「タッチ」を見終わって | ヴェルディの星

「タッチ」を見終わって

先週末でキッズステーションの「タッチ」101回が終了しました。全部見ました。ついでに日本映画専門チャンネルの劇場版「タッチ 背番号のないエース」「タッチ2 さよならの贈り物」も見ました(「タッチ3 君が通り過ぎたあとに」はまだ見てない。19日放映)。


連載・放映当時(私の中高時代)は「丸坊主じゃない野球部員」「可愛い女子マネ」と言う設定に嫌悪感を持ち、一度も見ません(読みません)でした。高校球児は丸坊主に地獄の様な猛練習、女の子と付き合ってる余裕なんか一切ないと言うのが当時の私の高校野球感。(ちなみに同じあだち充作品の「みゆき」は素直に入って行けました)


それが20年以上経っておっさんになって、何でこんなに「タッチ」に夢中になったのだろう?自分でも正直わからない。とにかく1年かかって全部見た「タッチ」について語りたいと思います。「タッチ」は過去4回も(1回2回3回4回 )書いてますが、今回が総決算。


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やはり夢中になれたのは南ちゃんの魅力かな。こんなクラスメート(女子マネージャー)がいたら学園生活も楽しいだろうなとw 私にとっての高校生活は「悲惨」でしか言い表せないほどでしたからw

まあ私の高校生活もそれはそれで悔いは無かったが、「タッチ」のような高校生活も送ってみたかったと言うノスタルジーがこのアニメに夢中にさせたのかな?


見終わってみて、

1.これは「野球漫画」じゃなく「ラブコメ」である

野球漫画はやっぱ「巨人の星」や「ドカベン」や「しまっていこうぜ」のように泥臭くないと。マドンナが出てきてもあくまで脇役だ。「タッチ」は南ちゃんの存在が大きすぎる。ただ共学校なら学園のアイドルや女子マネがいたと思うと羨ましすぎる、男子校にいた身としては。


2.こう言う高校生活送ってみたかった

結局南ちゃんなんだよね。こんな素敵な子が近くにいてくれたら、男子たるものがんばれちゃうんじゃないの?色恋沙汰とは完全に無縁な3年間でした。それに俺、野球部にいながら野球してた記憶ほとんどないw 1年の時は陸上部みたいに走ってばっか。2,3年になっても球拾いばっか。まあ甲子園狙う強豪校は大体そうなんだけどね。「タッチ」の明青学園にはそう言う3年間ベンチに入れない部員とは無縁だった。甲子園狙う高校としてはやや(大いに)違和感がある。


3.純粋にストーリーが面白い。

男の子の双子と女の子一人の幼馴染が成長するとどうなるか(まあその女の子が飛びっきり魅力的と言う前提があるがw)と言うところからストーリーが始まってる。この三角関係がどうなるか?南は本当は達也が好きだが、和也は南が好き。弟のために南から一歩引く達也(それでもファーストネームで呼び合えるなんていいじゃんw)。それが双子の弟和也の急死と言う急展開を迎える。主役級のキャラがストーリーの途中で死ぬとは、まあ「あしたのジョー」の力石みたいな例があるが、あまりあるものではない。「タッチ」を見る(読む)前から、双子の弟の和也が死ぬというのは聞いていたが、実際に死なれてみると結構大きなショックだった。和也の遺志を兄の達也が次ぐのか‥?ここからの展開が、それまでのまったりしたものから、引き締まったように思える。「きれいな顔してるだろ、嘘みたいだろ、死んでるんだぜ、それで


4.監督代行柏葉は普通である

この漫画の作者は野球部経験がないのだろうと思う。西尾監督休養で監督代行になったのが柏葉英二郎。明青野球部に恨みを抱いており、その復讐のために就任する(何のこっちゃw)。ヤクザ風の姿で、徹底したスパルタトレーニング、体罰。気分次第で変わる練習メニュー。でもさ、当時高校野球やってた人は程度の差はあれ高校野球の監督はこれが普通だと思うでしょ?特に強豪校じゃ。私のとこの監督も柏葉英二郎と変わりありませんでしたよw


5.野球始めて2年間で全国制覇ですか?

ま、漫画(アニメ)だから、いいのか?。ちょっと野球を舐めてる気も。1年でPLのエースになって全国制覇した、体格もどちらかと言えば小柄な桑田を意識したのかな?KK時代と「タッチ」は被るからね。ちなみにアニメに全国制覇の場面は出てこない。

まあ作品の全体のテーマが「亡き弟の『南を甲子園に連れて行く』夢を、達也が「バトンタッチ」していくことにあるからね。ありえなくても達也は甲子園に行かなければこの作品が終わらなかったな。でも全国制覇はやり過ぎだw


6.脇役が魅力的

一番の魅力は原田(声;銀河万丈=ギレン・ザビ)。原田も南に気はあったのだと思う。しかし和也に遠慮してた達也以上に、達也に遠慮していたと思う。花形満的ポジションにいるライバルが須実工の新田明夫(声;井上和彦=山岡士郎)。花形と言うよりシャアかな?西村(声;バイキンマン)は完全な当て馬役だったがw

新田の妹なのに、明青に入学し野球部マネージャーになる新田由加(声;富永みーな=磯野カツオ)。美人なんだけど、同性に嫌われ、男にももてるタイプじゃないな、野球部で一番頼りない佐々木が気があったが。

一方でチームメイトが浩太郎以外、皆「その他大勢」ってのがね。ここが野球漫画じゃない所以か?「ドカベン」なんて明訓高校のナイン皆個性があり魅力があった。


7.神宮が出てこない

これ東京が舞台でしょ?東か西か知らんが。で、準決勝以上は神宮。「もしドラ」も映画版「ルーキーズ」もしっかり神宮が舞台になってる。決勝の会場って作者の出身地の群馬の球場がモデル?「東京予選」名乗るなら神宮も出て来ないと。オープニングであんなにリアルに甲子園描いておきながら…。


8.秋季大会がない

これは作者の単なる知識不足なんだろうか?須実工が選抜決勝で敗退なんてのがあるが、その選抜出場校選ぶ秋季大会知らないとは…。


9.最終回、あれで良かったの?

正直最終回前の達也が新田を抑える回で終わっても違和感無かったと思う。「南を甲子園に連れて行く」と言う兄弟の約束は果たせたのだし。

最終回はアニメと原作は微妙に違い、原作読んでない私は「いきなり最終回」(名作漫画の最終回のみ掲載し、解説を加えた本)でちょこっと読んだだけだけど、その違いは少しはわかる。

細かい相違点はこの際どうでもいいんだが、何故変えたのだろう?(原作は全国制覇の記念のお皿が出てエンド)。

原作は達也が甲子園開会式さぼって、インターハイ会場の鳥取の南に会いに行き、一方アニメでは公衆電話で、東京の南に

上杉達也は、世界中の誰よりも、浅倉南を愛してます」と。

大事な甲子園大会の前に、色恋沙汰にふけてる余裕なんてあるのかよwと思うが。でもこんなこと言ってみたかった‥。

※劇場版「タッチ3 君が通り過ぎたあとに -DON'T PASS ME BY- 」見ました。新田を抑えたところでほぼ終了ですね。これで十分だと思うが。エンディングで無声で達也が南に何か言ってるけど、これが「上杉達也は…」何だろうか?


結局、何故「タッチ」に夢中になったかわからない。もう一度生まれ変わって「タッチ」のような学園生活を送りたいという、潜在的願望があるのだろうか?ただストーリー的に面白かったのは間違いない。


最後にエンディング曲。4曲あるが、

岩崎良美の「青春 」と、夢工場の「君をとばした午後 」がお気に入りです。是非聞いてみてください。一瞬でも高校時代に帰れるかもしれません。


今必死に甲子園で戦ってる球児が羨ましい。もう2度と味わえないことやってるのだから。