タッチ劇場版「背番号のないエース」 | ヴェルディの星

タッチ劇場版「背番号のないエース」

タッチ」は連載・アニメ放映時が私の高校野球時代ともろに被りましたが、当時は全然読んで(見て)ませんでした。坊主頭じゃなくて、可愛い女子マネがいると言う作風が許せなくてw(これが帰宅部のラブコメ、同じくあだち充作の「みゆき」なら抵抗無く入って行けたんだよね。野球漫画は「巨人の星」や「ドカベン」みたいじゃないと…)


最近になってキッズステーションで放映されている「タッチ」に夢中になってると過去3回(1回2回3回 )書きました。キッズステーションでは来月最終回を迎えます。そこでまた感想書いてみたいと思います。今が丁度クライマックス。


今日は今キッズステーションでやってるテレビシリーズじゃなく、劇場版「背番号のないエース」について。今週の月曜日代休取ってた時、たまたま日本映画専門チャンネルで放映してたので見ました。

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そう言えば今日7月29日は上杉和也の命日です。


「背番号のないエース」はテレビ版第1部(和也の死まで)の総集編的位置付けですが、再編集でなく全編新作カット、そしてラストが微妙に異なります。1986年4月公開。テレビ版(1985年3月~1987年3月)放映中、同時進行で劇場版も制作するとはすごいパワーだ。


当時「背番号のないエース」と言うタッチの劇場版が上映されること、そして主題歌ラフ&レディの「背番号のないエース 」と言う曲は知ってました、自称「背番号のないエース」としては…(「背番号のない球拾い」だったがw)。


原作&テレビ版同様、甲子園を目指す和也、それを応援する南、そこから一歩引く達也と言う関係は変わりませんが、達也が南と野球に距離を置くと言う感覚が劇場版はやや強くありました。その思いが主題歌「背番号のないエース」に込められていた感があります。


そして決勝戦当日。和也の死。ここからテレビ版と大きく異なる展開となります。和也の死を知り、達也が南に「きれいな顔してるだろ。死んでるんだぜ、それで…」と言う有名なシーンが無くなり、決勝戦の途中いきなり現われる背番号1を付けた和也とおぼしき人物。ピッチャー交代。その後ナインに伝えられる和也の急死。じゃあマウンドの上にいるのは一体…。達也でした。原田から和也の死を聞かされた南。じゃあマウンドの上にいるのはたっちゃん…?


登録メンバー以外の選手が出場すれば当然没収試合となります。しかしそんなことはどうでもいい。甲子園に行けなくてもいい、死んだ和也のためにこの試合絶対勝とうと燃えるナイン。このシーンは感動的です。そして須美工の新田を抑え勝利する達也…。この場面は理屈抜きに涙が出ました。

しかし…。落ち着いて考えれば色々突っ込みたくなりますねw
明青ナインは本当にそれでいいのか?(甲子園棒に振って)、上杉兄弟のために。代理投手黒木がそのまま投げ続けても勝つ可能性はあったはず(原作&テレビでは敗れるが)。
達也もこの時点では野球の素人。それでも須美工を抑えちゃう。映画だからいいのかw

恐らく劇場版はこの1作限りにするかもとの、制作サイドの思惑があったのでしょう。だから思い切ったラストシーンにしたと。しかし好評だったのか、劇場版はテレビ版を追いかけ第2作「タッチ2 さよならの贈り物」(1986年12月公開)、第3作「タッチ3 君が通り過ぎたあとに -DON'T PASS ME BY-」(1987年3月公開)と続きます。まだ見たことないので是非見たいと思います。まあテレビ版見終わった後だな。


「タッチ」を野球漫画と見るにはやや(昔は大いに)疑問があるが(ラブコメでしょ?)、「タッチ」を見てるとやはり自分の高校時代を思い出します。あの時輝けたか、悔いは無かったか…?いい思い出なんで甘いものではなかったが、今高校野球を戦ってる高校生を見るとふと羨ましくなります(今は女子マネベンチ入りできるしねw)。


高校野球地方予選も大詰めです。甲子園に行けた高校、行けなかった高校、ベンチに入れなかった者、今をどう思ってるのでしょうか?和也や達也と同じ気持ちなのでしょうか?そんな風に思えた「タッチ 背番号のないエース」でした。