靴みがき | Untitled


靴みがき(’46)イタリア国旗


監督は、ヴィットリオ・デ・シーカ

『ネオレアリズモ』 の代表的作品です。


※ 『ネオレアリズモ』 = イタリアにおいて'40年代から'50年代にかけて特に映画と文学の分野で盛んになった潮流。

戦争による恐怖と破壊を経験したあとで未来を築こうとあえいでいたイタリア社会に現れた問題や現実に題材をとっていた。

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戦後の混乱期、靴みがきをして生計を立てている二人の少年は、貸馬屋の馬を買い取る夢を実現させるため、

闇商売の仕事を手伝い、それが元で「無実の罪」で逮捕されてしまう。


敗戦直後のローマ、絶望の日常の中での、子供たちの純粋な生命力を感じます。

その反面、薄汚い大人の身勝手さには怒りすら感じました。

この片方が強調されればされるほど、もう片方が色濃く映し出されます。

少年たちを更生させるはずの少年院が、子供たちの人間性を破壊していき、純粋で固い友情まで切り裂いてしまう。

喧嘩のシーンは、マジだと思います。変な生々しい音がしましたし。

まさに 『ネオレアリズモ』 です。

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現実を見据えて、淡々と物語が進んでいくと思ったら、意外なほどドラマティックな展開になります。

こんな結末は、受け入れられない。と思ってしまうような結末です。

でも、これがこの時代の現実。

買い取ろうとしていた馬の悲しそうな目が印象的でした。


この主演の2人の少年は、当時ローマの街頭で実際に靴みがきをしていたそうです。


今作品は、私が別名 『世界アカデミー賞(英語圏除く)』 と呼んでいる

アカデミー賞外国語映画賞(当時、特別賞)を受賞しているのですが、これもまたレンタルになく

ネットレンタルで、やっと観ることができました。

デ・シーカ監督の超代表作 『自転車泥棒』 は、廉価版も出ていたりしますが、こちらも広く流通して欲しいものです。



アカデミー賞受賞作

ヴィットリオ・デ・シーカ監督作品
自転車泥棒(’48)

ミラノの奇蹟(’51)

昨日・今日・明日(’63)

ひまわり(’70)






第2次世界大戦直後のローマを舞台に、馬を飼うために街角で靴磨きをする少年二人を描く。
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