先天の気を覚醒させる方法
前回の記事で紹介した受講者Kさんの体験談のように
深部小周天を達成すると、
「真っ暗な部屋で目を閉じているのに目の前が
金色の光で包まれる。」
「頭の中が気のパワーで膨れた感じになり、頭部のチャクラに
圧力がかかる。」
「全身が帯電感に包まれる。」
といった、高藤本やその他の仙道書に書かれているような体験が
明確な気の感覚を伴って発生するようになります。
このように気功・仙道を行って深部小周天に到達する人は、わたしが
今まで見た経験では修行者全体の数パーセントといったところです。
しかし、ようやく深部小周天に到達した人の中でも、ドツボにはまって
おかしくなってしまう人が多いです。
この事実については、わたしが今まで読んできた気功・仙道系の書物や
サイトでは全く触れられていません。
この話に入る前に、まず「先天の気」「後天の気」について知っていただく
ことが必要となります。
「先天の気」「後天の気」については、過去にも何度かブログ記事で
触れているのですが、今回は少し角度を変えて説明します。
まずは「後天の気」について、仙道研究家 高藤総一郎氏の
著書「仙人不老不死学」から抜粋します。
天の気(空気)、地の気(水・食物)の二気により補給を受けるものは、
後天の気である。
この二気の補給を受けるため、口や鼻を使って呼吸をしたり、食物や
水をとり入れたりする。
肺をはじめ胃腸。肝臓などの内臓器官が働き、それによって体内に気が
とり入れられるわけだ。
さらにこの気は、経絡に送り込まれ全身に行きわたり、生命活動を維持
する。この中の一部が、精として性殖作用に回されるのである。
次に「先天の気」です。
先天の気とは、同じ気であっても、決して精に変わらないものをいう。
例としては、性殖機能が出てくる前の子供の気が、これに当たる。
もっと厳密にいうと、物質化した天気(空気)・地気(水・食物)の
補給を受けない状態のものを本当の先天の気という。
これには、物質的生命活動を超越した気の状態も含まれる。
これのヒントにあたるものは、次の〃不死への挑戦″のところで示される。
ただ、あくまでもヒントであり証明ではない。
科学的には今までのところ、これについては、ほとんど実体が掴めてない。
もっとも肉体および後天の気を成り立たせている働きだから、当然、
これらと密接な関係がある。
実際に気として循環し合っている。
要点をまとめますと、
「後天の気」
①空気・水・食べ物を体内に取り入れた結果として発生するエネルギー
②一般的な体力(生命活動の維持)、精力(性欲を発生させる)
「先天の気」
①空気・水・食べ物を補給を受けなくても存在するエネルギー。
②性殖機能が出てくる前の子供の気(性欲を発生させない)
となります。
この「先天の気」「後天の気」については、一般の気功・仙道修行者の間では
混乱があるようで、わたしのもとにも時々、質問が寄せられたりします。
以下は、このブログの読者からの質問です。
①「先天の気」というのは「後天の気」のような私個体のエネルギーではなく
宇宙エネルギーそのものですか?
②丹道周天で危険な事は「先天の気」である宇宙エネルギーと繋がるパイプを
開通させる事が目的であるのにそのパイプに私個体のエネルギーである
「後天の気」が流れ込んでしまい偏差の影響が増大してしまうからでしょうか?
仙道は数学や物理のように客観的に検証できる学問ではありませんから、
これが絶対的に正しいという事はないのですが、高藤氏の文章から読み取る
限りでは、
「先天の気」=「宇宙エネルギーそのもの」
ということはありません。
わたしの実体験から言っても、あくまで体内に眠っているエネルギーと
とらえるのが妥当です。
「先天の気」については指導時に受講者の方に説明するときは、
よく食事療法を例にします。
普通、病気になった人が入院した場合はその人の年齢・性別・体重・
既往歴などの問診、各種検査を行った上で、その人に合った適正カロリー
内の食事メニューを組んで必要栄養素を確保します。
これは仙道の立場から見れば、
「後天の気」
→空気・水・食べ物を体内に取り入れた結果として発生するエネルギー
を得るためのものです。
しかし、世の中には真逆の食事療法があります。
それは「断食」です。
断食では、通常必要とされる栄養素を摂取しないことで
病気を治療しようとします。
日本では断食と言うと、宗教的な怪しげなイメージを持つ方もいますが、
海外では公的な医療機関が長期間にわたって膨大なデータを蓄積した上で
絶食療法として行われています。
以下はBSで過去に放送されたドキュメンタリーの動画です。
興味のある方はご覧ください。
「絶食療法の科学」
~『絶食』で体にストレスが加わることで人間本来の抵抗力や
治癒力が高まる
http://www.at-douga.com/?p=5625
上記の動画では、断食の科学的な根拠が説明されていますが、わたしが
波動的な側面から見ますと「先天の気」が関わっています。
要するに、普段われわれが必要な栄養素を摂っていると、
後天の気~空気・水・食べ物を体内に取り入れた結果として
発生するエネルギー
を中心に人体は維持されている。
しかし、断食により食べ物を絶ち「後天の気」が取り込まれなくなると、
普段は眠っている予備エネルギーである
先天の気~空気・水・食べ物を補給を受けなくても存在するエネルギー
が目覚めて働き出します。
そして、高藤氏が述べているように、
これ(先天の気)には、物質的生命活動を超越した気の状態も含まれる。
わけです。
この「物質的生命活動を超越した気」の働きこそが、一般の医学による治療
では治らない難病が断食で治癒する要因の1つだと思います。
また、各種神秘行において断食が行われる理由でもあるわけです。
わたしも過去の記事で何度か触れていますが、
http://ameblo.jp/psychic-programming/entry-10668459042.html
先天の気の覚醒が無ければ、いくら瞑想や呼吸法を行っても真の意味での
神秘行にはならないわけです。
例えば、
・イエス・キリストが荒野で行った40日間の断食。
・マホメットが長期間の断食の後、天使ガブリエルから啓示をうけ
コーランをさずかった。
・真言宗の開祖・空海は不眠不休の100日水断食と共に虚空蔵菩薩の真言を
100万遍唱える虚空蔵求聞持行修行を生涯に7回行った。
というように、
「歴史に名を残すような宗教家達は、断食を利用して先天の気を
覚醒させた。」
というのが私の見解です。
実はわたし自身も短期的な断食を行いながら、毎日の食事内容とその時の
気の状態を記録しているのですが、食事と気には密接な関係があることを
実感します。
ただ、断食は下手に行うと健康を損ない、命にに関わるケースもありますから、
受講者にはあえて薦めていません。
断食を利用した能力開発はあくまで個人的な探求として行っています。
(断食に興味がある方は、自己責任で専門の医療機関を探して行うと
いいと思います。)
最後に、今回の記事中に出たブログ読者からの質問②への回答ですが、
①「先天の気」というのは「後天の気」のような私個体のエネルギーではなく
宇宙エネルギーそのものですか?
②丹道周天で危険な事は「先天の気」である宇宙エネルギーと繋がるパイプを
開通させる事が目的であるのにそのパイプに私個体のエネルギーである
「後天の気」が流れ込んでしまい偏差の影響が増大してしまうからでしょうか?
前提の①が間違っているわけですから、当然、②の内容は丹道周天の危険性とは
関係ありません。
とういうより、わたしから見ればこういった内容は少なくとも経絡小周天
(本当は深部小周天レベルが妥当)を完成して、気の感覚をある程度
開いてから考えた方がいいと思います。
気感が十分に開いていない段階であれこれ考えていると、感覚に意識が
行かないため、いつまで経っても気功のレベルが上がりません。
また、初歩の段階で間違った先入観が植えつけられると、行自体が
おかしくなる危険性も増大します。
この質問をした方にも、
「今は気の感覚を開くことのみに集中して気功を行った方がいい。」
とアドバイスしたところ納得していただけました。
次回の記事では引き続き、深部小周天について説明します。
つづく
※次回の記事更新日は10月10日になります。

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