「M8」をどう読みますか?(本日の外来語No.38) | Prof_Hiroyukiの語学・検定・歴史談義

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<本記事を引用された場合、その旨を御連絡頂けると有り難いです。>

本日1回目の更新です。

そして、No.37(オペラ)http://ameblo.jp/prof-hiroyuki/entry-10652556826.html 以来の「本日の外来語」となります。


さて、表題の「M8」ですが、多くの方々は「マッハ8」ではなく「マジック8」と読まれる事でしょう。


(1)技術的には"M8"は「マッハ数8」

まずは「マッハ」の方から。正確には「マッハ数」と言われるもので、「音速の何倍か」を示します。

英語表記は"Mach Number"。発音は「マック・ナンバー」でないと国際の場では通用しません。


(2)日本でポピュラーなのは、総当たり戦の「マジック・ナンバー」

・・・マッハ数はこのぐらいにして、次は「マジック」の方へ。


この「M8」。現時点でのプロ野球ニュースで見い出されるものです。

セントラルリーグの順位表を見てみますと・・・

1位 中日

2位 読売 (ゲーム差)2

3位 阪神 M8

本来は「ゲーム差」という指標を書く欄なのですが、ここに「M8」と書かれてる場合が多い様です。


これは私などが申さなくとも多くの方が御存じの様に、「マジック・ナンバー8」の略。

・阪神タイガース(タイガーズ)のみに自力優勝の可能性が有り、

・(阪神タイガースの勝ち数)+(中日ドラゴンズの負け数)が「8以上」で優勝

という意味です。

この「マジック・ナンバー」、野球以外でも同様の戦い方で優勝を決めるのなら適用出来るものです。


優勝へのカウントダウン」という意味合いが有りますので、残り試合が多いからとはいえ「暫定3位でマジックナンバーが点灯」しているのは凄く珍しい!

まさに「数字のマジック」!!


・・・と感動してはみるのですが、「阪神の残り試合が8試合で中日の残り試合が1試合」という事で、阪神の優勝には厳しい状況です。(※他球団のファンの方はおやっと思われるかもしれません。確かに私自身は野球に疎いのですが、阪神タイガースの選手との食事というのも何度かあり、多少は贔屓に致しております。)


(3)「マジック」を「マジック・インク」で使う場合も多いが、こちらは和製英語。

そしてこのマジック、本来は「魔法」の意味という事も有って、「魔法の様な~」という意味がこもった「マジック~」という語を数多く輩出しています。

(元々はゾロアスター教の僧侶「マギ族」の行った儀式に由来するとの事ですが、それ以上の深入りはやめておきましょう。)


なかでも「マジック・インク」と「マジック・ナンバー(magic number)」は国内では単独で「マジック」と言われます。但し、前者は内田洋行の登録商標で「フェルト・ペン(felt pen)」が正式です。


(4)「マジック」を自力優勝の指標としての「マジック・ナンバー」で使うのは日本独自だったが・・・

そして、後者の「マジック・ナンバー」。

今回見て参りました様に、米国での意味とは違った使われ方が国内では成されている・・・という事になっていました。大洋ホエールズの三原監督の発言が初出だそうです。


ところが、こちらの意味が野球を通じて米国の方へ意味が「逆輸入」されているとの事。

逆輸入ですか・・・「ナイター」もそうでした。

日本においては、野球は超人気スポーツ。言葉への影響力も凄いものなのですね。