回転 | not simple.

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あるときはさすらいの本読み、あるときはジャンル無用の映画好き、またあるときは、B級グルメの備忘録

$not simple.-回転

原題:THE INNOCENTS
製作国:1961年イギリス映画
上映時間:100分
製作・監督:ジャック・クレイトン
原作:ヘンリー・ジェームズ
キャスト:デボラ・カー、マイケル・レッドグレーブ、メグス・ジェニングス、ピーター・ワインガーデ

 郊外の屋敷で暮らす幼い兄妹の元に家庭教師として訪れた女性は、そこで男女の幽霊を目撃する。やがて彼女は幽霊と子供たちの恐ろしい関係に気がつくが……。ヘンリー・ジェームズの原作『ねじの回転』をウィリアム・アーチボルドとトルーマン・カポーティが脚色し、撮影は怪奇映画の御大フレディ・フランシスが担当。全体的には一つ物足りない出来となっているが、モノクロ画面によるムード醸造と、幽霊を描いたさりげない恐怖演出は一見の価値有り。'71年にこの作品の前日談を描いた「妖精たちの森」が製作、'92年には「ホワイト・ナイトメア」として再映画化された。
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今年の14本目です。

題名の「ねじの回転」はその中の「一ひねり利かせた話が聞きたい」って言う意味らしいです。

オカルトなのか!?とか思ってたんですが、幽霊の存在は家庭教師の目を通して語られるだけ、ということだったので、どちらとも取れる恐怖映画でした。
オールドミスの家庭教師が欲求不満で作り上げた幻想に、邸中の人間が巻き込まれてしまったとも取れないことはないかなぁ。

本当に幽霊に取り付かれた兄妹だったのか、それとも家庭教師の思い込みだったのか、それは観る人の解釈しだいって言う突き放し方は大好きですね!
1961年の映画なので画質は非常に荒いです。
ただそのモノクロかつ粗い粒子の映像がまた雰囲気をかもし出しています。

前の家庭教師たちと子供たちの関係も本当のところはどうだったのかなどまったくわかりません。
その前日譚があるようですが、結局のところ、前の家庭教師たちが子供たちに対して行ったことが、子供たちに何らかの影響を与えたのもあるし、家庭教師たちの運命を決めてしまったのかもしれない。
でないと、兄がデボラ・カー扮する主人公に本気のキスをしてみたりなんてことはないはず~。

子供たちの残酷な無邪気さが何かを導き出したのかもと思います。
邪悪なものというのは本当は「無邪気」であったり「誠実」っていうものの姿をとっているのかもしれないなーと思わされた作品でした。


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