昨日のブログで、『カット料金の内訳』について予告しました
という事で、まず何のためにカット料金を見る必要があるのかを考えてみましょう
十年ほど前から“生産性の重要性”についてお伝えしてまいりました
それが功を奏したのかどうかは別にして、この数年でようやく美容業に生産性と言う概念が浸透してきたように思います。
が、まだまだ言葉だけですね
生産性の概念というか言葉が分かると、今度は『スタイリスト生産性』と『アシスタントバランス』の考え方が必要になります
そして、『労働生産性』と言う言葉も重要ですね
それは今日のテーマとは異なりますのでまた日を改めて説明しますが、次に来るブームは、『人時生産性』の概念です
『じんじせいさんせい』ではないですよ、『にんじせいさんせい』と読みます
ところで、皆さんは今の生産性が50万円だったとして、それを60万円に引き上げるにはどうすれば良いでしょう?
答えは簡単
24時営業にすれば良いのさ
え?
『そんなのずるい』って?
そうですか?
だってそもそも
『あのお店の生産性、70万円だって』
『凄いうちなんて、60万円・・・』
って会話って、おかしくないですか?
もしかすると、70万円の生産性を24時間営業で達成しているかもしれないですよ?
週休2日で営業日数が20日で生産性が60万円のAサロンと、
25日営業で生産性が70万円のBサロンではどちらが凄いと言えますか?
もちろん絶対額では70万円ですが、営業日1日当たりで考えると、Aサロンは60万円÷20日=一日3万円、Bサロンは70万円÷25日=2.8万円。
それでは、同じ考え方で。
一日3万円のCサロンとDサロン。営業時間は朝11時から晩の20時までの9時間。
Cサロンは朝8時にお店に入り、レッスンを終えて帰るのは23時。拘束時間は15時間。
Dサロンは朝9時にお店に入り、レッスンもほどほどに19時には皆さんお店を出ます。拘束時間は10時間。
という事はCサロンは1時間当たり2千円。Dサロンは1時間当たり3千円を稼いでいる事になります。
つまり、これが人時生産性です。
人時生産性は1時間当たりの売上高を見ると同時に、その数字に概ね40%を掛ける事で、そのお店の平均的な時間給を計算する事が出来ます(もちろんお店の人件費率によってこの40%は変動しますが)。
例えばCサロンの場合は2千円×40%=800円の時間給。
Dサロンならば3千円×40%=1,200円の時間給。
但しこれは役員報酬なども含めた平均です。
という事は、もちろん人時生産性は高いに越した事はありません
それでは、人時生産性はどの様にすれば引き上げる事が出来るのでしょう?
この図からも分かるように、人時生産性を引き上げるポイントは大きく3つ(図の中には4つありますが、最後の一つは一旦忘れてください)。
一番は総売上高を引き上げる事。
先ほどの事例ですと、Cサロンは一日3万円の売上高を5万円に引き上げる事が出来れば、5万円÷15時間=人時生産性3,333円となり、Dサロンを上回ります。
次に、1日の拘束時間を短縮しても、人時生産性を引き上げる事が出来ます
Cサロンは売上高を現状の3万円のままにしていても、一日の拘束時間を15時間から10時間に短縮できれば、人時生産性は3千円に向上できます。
又は、営業日数を短くしても生産効率は改善します。
先ほどの例ではBサロンは70万円の生産性を25日営業でクリアしていましたが(1日2.8万円)、これを23日でクリアすれば1日当たりは3万円を超える計算になります
この中でも、特に2番目の1日の拘束時間に着目してみましょう
この図をご覧いただければ分かるように、“生産性”と一言で言っても、実は生産性が上がる、つまり売上高に直結するのはレジでお金をいただく瞬間だけなんです
そして、ビジネスとは何かの対価として代金を頂戴する行為ですので、“何の対価なのか”がとても重要になるわけです
では、いつレジでお金を払おうと思うのか?
それが、施術の成功した瞬間と言えるのです
と、いう事は実は全ての拘束時間はその瞬間の為に費やしていると考えられるわけで・・・
と言うより、むしろ『その瞬間のための時間になっているか?』をもっともっとシビアに見る必要があるわけで・・・
良いでしょうか?
レッスンはなぜしているのか?
休憩はなぜ取っているのか?
掃除はなぜしているのか?
朝礼は?
と考えて考えて考えると、その“瞬間”の為にあると言えるのではないでしょうか?
をご理解いただいた上で、皆さんは、カット料金の内訳って、想像したことありますか?
想像したことないでしょ?
僕もないので、今から計算しますね
それではまた明日